所々で床上げがされ、古さの中に新しさが埋め込まれようと
しております。
土壁は土壁として。柱は可能な限り残して。梁も可能な限り
見せて。
温故知新な空間にすべく、大工工事が静かに始まりました。
まだ大工さんが入っておりませんので、先週から大きな
進展はございません。
写真は火袋の様子。最終形はここに格子の床が付きまして
建築当初の名残を残しつつ、熱が逃げて行かないように
熱環境にも配慮した構成として参ります。
土壁部分はキレイに仕上げてしまうのではなく、土の
風合いを活かし、自然の土によります中塗り仕上げと
する予定。
素朴で味わい深い表情に仕上がる予定で、楽しみです。
解体が完了しまして、土間が露わとなりました。
写真は道路側の格子窓の様子。基礎は時代を感じさせる
レンガ積み。外部が町家で良く見かける研ぎ出しの人大
ですが、内部下地がこのようになっているのは意外と
見る機会が少ないかもしれません。
土台や柱の足元はほぼほぼキレイな状態で、一部根継ぎ
が必要な程度ですので、良好な状態と言えます。
見上げますと、既存の梁も再利用された形跡のある梁が
見えます。
いわゆるSDGSは遥か昔から当たり前のように実行されて
いたのが良く分かります。
今回はお施主様の希望で、この梁たちも見せる意匠と
なる予定です。
昭和初期に建てられた京町家。
それを買い取り、新たな住処としてリノベーションを
されるO様は、古民家が持つ自然素材感を好まれており
解体現場の土の匂いにも敏感に反応されておられました。
土と木で出来た空間の良さを出来る限り活かすように
取り組んで参ります。
写真は2階の小屋裏に潜んでいた大きな丸太の梁。
解体前から天井裏を覗いて、丸太が在ることは確認済で
この梁を見せることにも拘りをお持ちでした。
約100年振りに陽の光に浮かび上がった丸太の雄姿。
こちらも活かした空間に仕上げて参ります。
td> |
|
NEXT » |