天井下地が進められております。
出来る限り既存の材料を活かしたいため、本当は既存天井板も
利用出来れば良かったのですが、流石に間仕切り位置などを
大幅に変更する一階部分は新たに天井を仕上げる必要がありますので
このような形となります。
また、縁側だった部分の天井には断熱材を充填して参りますので
同じく天井を新たに形成していくわけですが、現場を見まして
その部分は空間のアクセントとなるように間接照明を仕込んだ
天井に仕上げる方針に転換致しました。
間接照明の端部納まりも検討しつつ、昔の空間に新たな
建築要素を足して参ります。
元階段だった部分には現在梯子が掛かっておりますが
この部分にもう少し緩勾配の階段が架け替えられる予定です。
壁の下地なども着々と進められております。
耐力壁の施工が完了し、間仕切りの下地や天井の下地工事が進められております。
写真はキッチンとなる空間の様子。
隣家と密接しているため、レンジフードのダクトルートをお施主様交えまして
よく検討いたしました。
2階には構造用合板も貼られ、まだ梯子での上り下りではありますが
2階に登れる状態となっています。
写真は吹抜けとなる部分。既存の梁をみせつつ、キャットウォークを
つけて参ります。
キャットウォークも空間の一つの重要なデザイン要素となる予定です。
今回は京町家耐震補強の助成金制度を利用致します関係で
構造補強がある程度進んだところで、京都市の担当者の方に
現地確認を行なって頂きました。
申請図面通りに現場が施工されているかどうかを確認する
作業となります。
床下には耐震補強リングと呼ばれる、いわば簡易な制振装置のようなものも
設置されております。
黒く見えているものが耐震補強リングで、変形に追随しつつ元のカタチに
戻ろうとする性質を持った樹脂製のリングとなっております。
基礎廻りの耐震工事が進みましたので、次は2階の工事が開始
されて参ります。
まずは足場固めのため、不陸調整の上に2階床合板の設置が
進められます。
床に置かれるだけで空間が劇的に変化する様子は見ていて
勉強になります。
また、その流れで天井裏にあった棟札を大工さんが下して
来てくれました。
大正12年の11月に上棟したことが判明。実に築95年の
建物であることが分かりました。
次の世代へ住み継いで行けること、それ自体が素晴らしいことだと
思います。
より快適に暮らして頂けるよう、取り組んで参ります!
京町家の構造特性は「揺らして力を逃がす」ところにあります。
現代住宅のように頑張って揺れに耐えるというよりは、受け流すイメージです。
ですので、今回は耐震補強も構造特性を活かし、「荒壁パネル」という製品を
使っての補強としています。
荒壁パネルは土を固めたイメージ。昔の土壁の下塗り状態の感じで、ガチガチ
に固くして地震入力に耐えるというよりは、しなやかに揺らして逃がす手法に
マッチした材料となっています。
また、昔は床下に断熱材は充填されていませんでしたので、京都の冬の
底冷えは非常に厳しいものがありました。
今回は、スタイロフォームの断熱材を床下に充填。これで随分足元からの
冷え込みも抑えられます。
今回は床暖房も設置しますので、寒さに強い京町家へと変貌を遂げます。
空間の全貌はこのような感じに。
床の合板も貼られまして、工事は着々と進行しております。
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