今週より本格的に大工さん工事が開始されました。
まずは足元の補強工事から。
現場で柱材を刻んで、順次補強工事が進められております。
現場を囲うように足場が組まれておりますので、屋根の状態や隣家との
隙間も確認すべく足場の上へ。。
今年は長梅雨でしたが、本日関西地方も梅雨明けだとか。
屋根の上には少し陽射しが零れておりました。
屋根の状態は健全。腰葺き部分の銅板が少し痛みが見られましたが
多少の修復で大丈夫そうな感じでした。
問題は隣家と密接している箇所からの雨天時の雨染みです。
これを防いでおく、若しくは対処を施しておかないと次100年を
気持ちよく過ごせません。
対処策が悩ましいですが、現場で皆で知恵を絞りあいまして、なんとか
一つの解決方法に収斂しました。
それはまた次回のお話に。。
工事は始まったばかりです。
土間からの湿気があがってくるのを防ぐための、床下防湿コンクリート施工が
完了しております。
これにより、一部湿気で腐食していた土台への影響も和らぐかと思います。
腐食部分は取り除き、添え木などで補強を進める予定です。
また、床下には給排水関係の設備配管施工もほぼ完了しております。
床暖房工事の仕込みもされており、大工さんの工事が始まるのを
待つばかりとなりました。
解体工事が完了しまして、土間の防湿コンクリートを打設する段取りが完了しております。
また、一部構造補強用の新規基礎作成部分には基礎配筋工事も施されております。
解体が完了し、既存土台状況が確認出来る状態となりましたので
構造設計者を交えて、補強計画と現況のすり合わせを行いました。
一部補強箇所の変更を行いましたが、概ね計画通り進めることが
出来そうです。
内部の解体工事が進みまして、ほぼ柱と梁だけの状態となりました。
この段階で、既存構造躯体の健全性や内部の梁の掛かり方などが
明確なります。
残すべき柱や梁。移動しても差し支えのない柱。などの別を
判断して参ります。
今回は京町家の改修を多数手がけておられる構造設計者の田村さんに構造補強など
をお願いしまして、既存躯体の様子を確認いただき、当初計画の補強方法で
支障ないか等を検討頂いております。
写真では分かり難いですが、軒先を支えるための工夫として
跳ね木と呼ばれる、テコの原理を使った細工が施されているのが
印象的でした。
通常、天井裏などに隠されており、縁の下の力持ち的な役割を
演じているのですが、今回はこの部分が見える仕様となりますので
敢えて見せるのも面白いかと考えております。
そして縁の下の力持ちを体現しているのが、コチラ。
跳ね木と同じ原理を使って、縁側が下がってこないように
工夫が凝らしてあります。
この町家で築約100年。先人の知恵を繋いで行きたいと思います。
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