空間工房 一級建築事務所

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22.05.28 Saturday

ご竣工おめでとうございます!

築100年近くの京町家。

積み重ねてきた歴史に敬意を払いつつ、火袋や既存建具など

残すところは残しながら、新築では叶わない趣ある空間を

望まれての計画でした。

土の味わい深い表情。木が持つ温もり。光を和らげる和紙。

鼻孔をくすぐる畳の香り。などなど。自然の素材が五感に

優しく語り掛けてくるかのような空間。

元々は火袋だったエリアも残しつつ、天窓からの光を

下階に届ける存在に機能を変換したり。

既存天井を外すと現れた梁たちを表舞台に出したり。

奥にある坪庭を格子越しに見せることで奥行きを演出したり。

町家特有の奥に細長い住空間という特長を出来る限り活かした

空間へと再構成致しました。

新しく張った杉のフローリングも、お施主様ご家族の

皆さまの手で古色に仕上げられ、グッと落ち着きのある

空間に変化いたしました。

照明器具の数々も空間の風合いを損なわないように

慎重に選定し、煌々と明るい空間ではなく、しっとりと

照度を落とした空間としました。

奥にあった坪庭は一旦整地した上で、新たに一本の木を

植え、砂利を敷き、既存の石や手水鉢を配し、下草を

植えることで、見事に生まれ変わりました。

濡縁に座って庭をボーっと眺める。

寝転がって庭を見ながらうたた寝をする。

手水鉢のメダカに餌をやる。。

いろんな生活シーンに潤いをもたらしてくれると思います。

2階の和室・座敷は壁と建具をキレイにしただけですが

元が良かったので、凄く良い和室になりました。

竹で編まれた下地窓から入る光、違い棚、床の間、縁側

欄間障子といった昔ながらの和室は、今では貴重な空間

とも言えます。

そしてお施主様こだわりの丸太の梁。

天井を解体しますと現れた丸太を是非とも化粧現しと

したい。というご要望の下、その梁には一切手を加える

ことなく、最も美しく見せるように、間接照明や天井の

仕上げなどを考えました。

押入部分には古建具を設置。窓はペアガラスに入替え

ましたが、その外部には格子をあしらい、風情ある空間に

仕上がりました。

お施主様とお出会いしてからほぼ丸一年が経過しようと

しております。

O様、長らくお待たせ致しました。

是非この古くて新しい空間で生活を満喫してください。

また数か月後、竣工写真の撮影に寄せて頂きます。

それでは、これからも末永いお付き合いの程、よろしく

おねがい申し上げます。

ご竣工、おめでとうございます!

京都市O邸リノベ<竣工> | by muranishi | comments(0)

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