今年の2月19日に地鎮祭を執り行いましてから約半年。
本日、無事お引渡しをさせて頂くことが出来ました。
季節は冬から春、夏へと移り変わり、ようやく一つの空間が出来上がりました。
T様、大変お待たせ致しました。
お引渡しの日であはりますが、玄関のガラスに目隠し用のグラデーションフィルムを貼る
位置をご確認頂くなど、この半年の間には色々な決定・検討事項がございました。
人によっては面倒な作業かもしれませんが、そうして決定していく作業の積み重ねが
より理想に近い空間創りには欠かせないものと思っております。
そして特に住宅にはそういった作業が必要だと考えております。
この写真の中には、先ほどのフィルムの位置をはじめとし、化粧丸太、カウンターの無垢板
扉の引手、左官壁の色、代萩べニアの天井材、床の洗い出しの色、照明器具、格子の大きさや
ピッチ、土間の広さ、天井の高さ等々、お施主様と共に決めていった事柄達が数多くあります。
そんな数多くの決定事項も今となっては全て良い思い出です。
そして創り上げられたこの空間で、新たな想い出が形成されていくことと思います。
住宅に正解などはありません。
そこにあるのは、居心地の良さ、使いやすさ、暮らしやすさ、安心、安全
といった、ごくありふれた指標や判断基準だと思います。
例えば光の入り方や導き方。風の通し方。空間の仕切り方。といったものを
少し工夫するだけで、同じ費用でも効果が変わってくることが多くあります。
照明の使い方を少し変えるだけでも空間の印象が変わったりもします。
検討すべき事項は数限りなくあり、敷地の条件により、成功事例が通用しないことが
多々あることも事実です。
建築が一品生産である理由は、周辺環境に一つとして同じものはなく、家族構成や
そこに住まわれる方の嗜好も千差万別であることが挙げられます。
一つとして同じ人生が存在しないように、住宅もまた同一解は存在しないのが
正しい在り方なのでしょう。
T様のための住宅。
私たちが導き出したのはこの空間であり、この外観でした。
正解はありません。が、きっとT様の良きパートナーとなってくれる空間だと思います。
T様、これからも末永いお付き合いの程、宜しくお願い致します!
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