町家の改修工事過程を見ていますと、いろいろなもの(記憶)に出会います。
前回の改修工事時に貼られたと思われる仕上げ材を剥がしますと、建築当初
の大工さんが納まりを検討したスケッチや、お施主様が子供だったころの落書き
なども出現したりして、想い出話しに花が咲いたりもします。
そんな光景を見ていますと、確かに家はご家族の記憶を刻んでいるんだな~と
思ったりします。
今回もそんな記憶達に出会いました。と同時に建築当初の仕上げ達にも出会い
ました。
写真は道路側の一皮。中間領域(環境調整ゾーン)となる部分。天井を剥がしますと
化粧野地板が姿を現しました。
設計時ではヨシベニアにて仕上げる予定でしたが、折角ですので建築当初の仕上げ
をそのまま現す方針に転換いたしました。
そして、水廻り部分の廊下も・・
前の改修時に張られていた化粧材を剥がしますと、これまたキレイな仕上げ材が
顔を出しました。
こちらも元の姿を活かして全体の雰囲気を整えていくことといたします。
設計時点では分からなかった空間要素が解体することで分かるといったことも
リノベーションの醍醐味だったりします。
そんな空間要素を取り込んで現場で再構築していく作業は、昔の設計者(大工さん)
との協同作業のように感じたりもします。
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