はじめてお出会いしたのが、2022年8月2日のことでした。
まだリノベーションとするか、建て替えるかも決まっていない状態の頃。
経歴書をお渡しし、お施主様から小中学校の先輩であることを告げられ驚き。
お施主様のご子息が私の後輩であることに驚き。
その他にも実は色々なつながりがあることが後々判明していくという奇遇に
知らず知らずの間に力が入っていたように思えます。
趣のある門。アプローチ。玄関。応接室。
それらは仮に建て替えるとしても残したい。とのご意向を
伺いながら、建物の内部を良く良く拝見させて頂いた日のことを
思い出します。
釘一本や木材の一つ一つにも幼い頃の想い出が隠されている
ことを伺いながら、「これはどうしても残して行きたい」という
想いが湧いてきたことも思い出します。
築約100年を迎える邸宅。
ここで営まれてきた日常の日々。家族のつながり。バトン。
笑い声。ケンカの声。おはよう。おやすみなさい。いってらっしゃい。
おかえりー。ただいまー。
私たち設計者には想像もつかない膨大な想い出が詰まった家を
次の世代に繋いでいくための設計でもありました。
小屋裏から姿を現した梁。家を守り続けてきた昔のガラス窓。
今では貴重な無双窓。ステンドグラスの丸窓。茶室。
等など、数え切れない建築要素が詰まった住宅でもあります。
庭と一体になる。
庭屋一如。
そんな生活空間が再び出来たように思います。
昔は座敷として客人をもてなすことに重きを置いた空間構成でしたが
それを生活するご家族の皆様が心地よく暮らせる空間構成にリメイク
しました。
お出会いしてから2年という短い月日でしたが、これからの50年100年が
家と共に幸せでありますように。という願いを込めて。
MGさま。竣工誠におめでとうございます!
そしてこれからも末永くお付き合い賜りますよう、宜しくお願い
申し上げます!!
建物の完成を迎えまして、お引渡し前の竣工検査を実施致しました。
写真は縁側リビングの様子。元々は水廻り空間でしたが
間仕切りなどを取り払い、庭を眺めながら寛ぐリビング空間へと
変更致しました。
工事が進んで行く中で、予想していなかった梁や補強材などが
出て参りましたので、それら既存の梁を活かした照明計画に
急遽変更致しましたが、この空間ならではの仕上がりと
なりました。
既存の台所部分もキッチンのレイアウトを壁付けから
アイランドに更新しまして、内装はグレートーンの落ち着きと
上品さのある空間へとリノベーション致しました。
キッチン前にある4枚引戸を開放しますと、既存座敷
と一続きの空間となる配置のため、座敷に向いたキッチンとし
使い方によってはパーティースタイルにも対応出来る空間と
なっております。
また応接室だった領域を浴室、洗面、トイレといった
水廻り空間に更新。
写真は造作の洗面カウンターの様子。
下部をオープンとし、コストを抑えたつくりとなって
おります。
特に大きく是正すべきポイントもなく、無事検査を終了。
あとはお引渡しを待つばかりとなりました。
建具や設備機器類などが設置されまして、本日第三者機関によります
建物の完了を受けまして、無事合格致しました。
これから外構工事も進められ、全体の完成に向けて残り少し
突っ走って参ります。
リビングの開口から見える新築棟の蔵的外観の建物。
リビングからの景色のほとんどを占めるわけですが
お施主様のご要望で設置させて頂いた丸窓が、なんとも優しい雰囲気を
演出してくれております。
現場には断熱材が搬入されまして、順次施工が進められる
予定となっております。
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