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11.06.24 Friday

文化財マネジャー受講記録(11・12)

■ストライドに更なる新味が出た。何の話か?ガムの話しである。

 以前のコラムで、ストライドの新味「フォーエバーフルーツ」

 について紹介しました。「長いこと噛めるガムを、長いこと噛

 んでなかった。ガハハ・・」というコラム。なんのこっちゃ。

 で、最近コンビニに行ってみると「メガフレーバー」と「オー

 ルデイミント」という新味が2種類も追加され、全部で4種類

 のラインナップにまでのしあがった状態に驚きました。

 需要がある。ということですね。

 新たな需要はどこに隠されているか分かりません。

 ということで、前フリとはほぼ関係のない本文になろうかと思

 いますが、どうぞお読みください。

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■文化財マネジャー受講記録(11・12)

 今回は第11回目と12回目を一まとめにしてお送りする。

 11回目は、実地調査と保存・活用提案。
 12回目は、講義。講義内容は「保存・活用と法制度/福島貞
 道氏(まちづくりセンター)」「指物の技法/大谷普賢(伝統
 工芸士)」

 11回目の内容は、以前の町家調査(遠藤邸)から一歩進み、
 実際に保存・維持・管理などの問題を抱えるお宅を調査した上
 で、どのような活用方法があるかを提案するものだった。

 今回も全8班が調査対象4物件に分かれて調査・提案を行なう
 という内容。

 対象物件の内容は、いわゆる京町家が2軒。昭和の近代住宅が
 1軒。元国立銀行として使用され、その後住宅として使われて
 いる建物が1軒。

 私達が選んだのは、最後の住宅。相談内容は「愛着があるが、
 維持が大変。子供が引き継いでくれるかどうかも分からないの
 で、大規模な改装をするべきか否か悩んでいる。残すのか残さ
 ないのかという根本から、自分達では分からない」という、い
 たって深刻な感じのお宅。

 「残すべきか否か。」

 凄く根本的なところからの提案となる物件である。

 ちなみに他の3軒は「どのように残していけば良いか?」とい
 うのがスタートライン。残すことが前提なので、スタートでつ
 まずく心配はいらない。と思う。

 さて、私達が選んだこの住宅。U邸としておく。このU邸は、
 前述の通り、元国立第70銀行として建てられた。銀行といっ
 ても、間取りはほぼ京町家。ファサードは改装され、当時の面
 影は見られないが、明治11年竣工の建物。歴史はある。

 銀行はわずか20年で廃業。廃藩置県による、元淀藩の稲葉侯
 が藩のお金を運用するために作られた銀行だった。今も各地に
 第三十三銀行など、数字のついた銀行が残っているが、歴史は
 その辺りにある。

 銀行が廃業となる際に、この住宅もオークションに出された。
 住宅ばかりか、金庫などもオークションに出された。

 そして譲り受けたのが、U家である。当時造り醤油屋を営んで
 おられたU家。そこからの分家(暖簾分け)として現存するの
 が、木田醤油。つい最近、京都ローカルのトマト新聞にも取り
 上げられていた。

 残すのか。残さないのか。

 U邸の内部調査やご家族からの聞き取り調査を行ったあと、周
 辺調査に出掛けた。周囲には町家が多く残る町並み。ここは、
 淀。京都競馬場でも有名だが、淀城でも有名。京都の街中とも
 遜色のない程度に町家が残っている印象。単に知らないだけだ
 ったのだが、意外だった。

 向かった先は、オークションで売られた金庫が保管されている
 という、近所の金物屋さん。かなり昔の地域新聞の情報をたよ
 りに辿り着く。そして、店主に金庫の在り処を尋ねてみる。が、
 「そんなんあったっけ?」と、とぼけた回答。(いや、失礼)。
 突然の訪問者に対する不信感というものは、あまりなさそうで、
 本当に知らない様子。で、昔の新聞を見せてみる。と、背後か
 ら娘さんと思しき方が覗き込み、「あ!それ、知ってる!」と
 助け舟。

 あった。店の奥の奥の方に、埃を被って、色んなものの陰から
 姿を現した。少し感動。

 その後、淀一帯の古い地図までお土産に頂き、次の目的地へ。

 木田醤油。淀の街歩きツアーなどでは、必ずと言ってよいほど
 訪問先となっている場所らしい。(店主ご本人から聞いた)

 確かに、建物自体も古く、歴史を感じさせる。少し中を覗いて
 みると、おじいちゃん(店主)が一人。目が合う。そして、U
 家の歴史について調べていると説明すると、内はU家の流れを
 汲んでいるとの回答。その後、よく分からないが、醤油の製法
 を見せていただくことに。

 大豆と大麦から麹を創り・・・という工程を全て見せていただ
 いた。知らぬ間に工場見学である。

 そうこうするうちに、時間も迫り、U家に引き帰る。帰り際に、
 たまり醤油のお土産をいただく。突然の訪問客にも関わらず、
 この淀地域の方々は優しい。そう思った。

 残すのか。残さないのか。

 残り30分ほどで、本日の成果をまとめて、Uさんに説明・報
 告をする。というのが、本日の最終目的。2週間後には報告書
 として、体裁を整えて提出するにせよ、本日の見解をまとめね
 ばならない。

 残す・残さない。は勿論、私達が決める問題ではなく、参考意
 見を提示するに過ぎないのだが、それでも無責任な発言は控え
 ねばならない。人として。

 維持費用を捻出する方策を整えて、残す。という結論に至った。
 点としてではなく、面として。独りで頑張るのではなく、地域
 と協力しつつ活用する感じ。それが出来そうな地域のように感
 じた。

 昨年の京都市調査によれば、年間1.2%の割合で京町家が減
 少しているそうである。その1.2%の中には、U家のような
 事例が、きっと溢れているのだと思う。U家はご両親と3人兄
 弟。お勤め先などの関係もあり、3人兄弟のうち現在同居して
 いるのは26歳の三男。残すか否かは、この三男の意思に託さ
 れている。

 そう、町並みを残すかどうかは、若い世代に託されている。の
 かもしれない。若い世代が魅力を感じれば残るし、改革したけ
 れば残らない。のかもしれない。上世代からの押し付けでは、
 残らない。そんな気がした。
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■編集後記

 現在、京都の関西電力(烏丸六角を下がった東側の読売新聞

 ビルの1階)で「京都2111 Vol.2」を開催中です。

 京都の100年後を考えるという括りの中から、どんな意見

 が出てくるのか?新たな需要を掘り起こすのか。今ある素材

 素地を活かすのか。テーマが大きい分、回答は無限です。

 26日(日)まで開催しておりますので、どうぞお気軽に

 お立ち寄りください。
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 そういえば、第12回の話しに触れていない。
 やはり、ひとまとめには無理があるのか。

コラム | by muranishi | comments(0)

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