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11.04.06 Wednesday

文化財マネジャー受講記録(6)

■関西電力圏内での原発依存率は30%。実は、国内で最も依存

 度が高いのが、関西電力です。そんな事実は、全く知りません
 
 でしたし、知ろうとも思いませんでした。

 かたや、太陽光発電が最も普及しているのは愛知県。次いで兵

 庫県。(いずれも2005年度までのデータ)

 日本全体の普及率はわずかに0.53%。

 どちらも二酸化炭素を排出しないエコなエネルギーであること

 は確かです。でも。二酸化炭素を排出しないことだけが、免罪

 符になっていたのであれば、考え直す必要がありそうです。
 
 メリットの裏にあるデメリット。トータルでの判断が重要です。
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■文化財マネジャー受講記録(6)

 第6回目の受講記録備忘録である。

 なんだか最近、文化財マネジャーの受講記録ばかり書いている
 気がするが、そんなに頻繁に講座があるわけではない。単に、
 他のネタで書いていないから、受講記録ばかりの印象を受ける
 だけである。基本的に講座は2週間に1回。たまに連チャンで
 あったりもするが、ごく稀。

 講座の印象は、素人レベルでは決してなく。密度も濃い。前に
 も書いたが、結構集中力を要する。でもこの講座を受けている
 半数以上が、建築素人の方なので、驚く。

 前から、なんとなーく、嫌な予感はしていた。演習課題。とか。
 修了レポート。とか。という言葉や文字が、チラチラと目や耳
 に入ってくるようになったのである。でも自分の中では、まさ
 かこれだけ建築素人の方が居る中で、それほど本格的な課題や
 レポート提出は求められないだろう。という呑気さがあった。

 甘い。この考えは、甘すぎた。チョコレートにメイプルシロッ
 プをかけて食べるほどに甘い考えだった。そんな食べ方をした
 ことはないけれど。

 今までの講義内容や講師陣を見れば、さもありなん。というか、
 推して量るべきだった。

 そう、過去のレポート内容を見るハメに。いや、見る機会に。
 いや、半ば強制的に見ざるを得ない時間がもたらされた。

 「演習課題のやりかた説明」と「修了レポートの内容説明」と
 いう時間。講義修了後にざっと1時間弱。・・・い、い、いち
 じかんじゃく?!である。

 簡単な訳がないことを、これだけでも分かって貰えるのではな
 いだろうか?電車で言えば、京都から阪急で梅田まで行っても
 お釣がくるくらいの時間である。新幹線なら、京都を旅立って
 名古屋を大きく通り過ごして、静岡県に突入しているくらいの
 時間である。

 「やられた!」

 正直な感想である。図面も勿論描く必要があり、実測に赴く必
 要もある。なんてったって、文化財マネジャー(建造物)育成
 講座なのである。

 唯一の救いは、「班」で提出する。という内容である。一人で
 はなく、仲間がいる。1班5名。全8班。

 いや、待てよ。冷静に考えると、各班には建築士は1人しかい
 ない。

 ということは、なんだか負担が分散するどころか、集中するの
 ではないか??という素朴な疑問が・・。

 「やられた!!」

 決定的な感想である。

 どうなるのかは分からない。でもそれほどまでに充実した講義
 を受けられることに感謝である。

 やられた感はあるものの、その分達成感は大きいはず。と信じ
 て、残り4ヶ月を乗り切りたい。

 さて、このままでは何の受講記録にもなっていないので、6回
 目の受講記録をサラッと書いておく。

 今回の講義は午後のみ。「保存活用のマネジメント」というお
 題で、「再生設計」と「活用計画」のそれぞれについて。前者
 の講師は、再生設計を数多く手掛けられ、文化財登録まで一連
 的/一元的にこなされている設計事務所の主宰者。そして、後
 者の講師は京都府立大学の助教授。

 再生設計については、特段目新しい内容はなくて少し残念な感
 じだった。

 活用計画については、話が多岐に亘っていた。以前、アグリツ
 ーリズムに関するコラムを書いたことがあるが、その時の講師
 と同じ方だった。この方の講義はこれで3回目。この講座では
 初めて。

 印象に残ったのは、カストーディアン(門番)という考え方。

 文化財(建造物)そのものは、何も語らない。(語ったらコワ
 イ)その廻りを取り囲む住人・管理者(門番)が、その歴史や
 素晴らしさを語る。だから、文化財そのものをマネジメントす
 るのではなく、周囲の人を如何にマネジメントするかが、実は
 重要である。という感じの内容。

 一例として、キリスト教を挙げられていた。キリスト自身は何
 も語らない。ローマ法王が、その教えを説き、各牧師が布教活
 動をして初めて、キリストの存在が世の中に知れ渡る。

 なるほど。確かにキリストも仏陀も釈迦も法然も親鸞も何も語
 らない。廻りのカストーディアンが語る。のである。

 でも実は、周囲の人をマネジメントするのはそう簡単ではない。
 というところを見落としてはならない。ある程度、その存在価
 値が認められてしまえば、カストーディアンは勝手に増殖する。
 その存在価値を発掘する眼力が実は重要であり、それをカスト
 ーディアン候補に説いていくのが、さらに重要なのである。

 眼力を磨く意味において、この講座は確かに有効だと思う。

 有効であるが故の「やられた感」。なのかな~とも思うのであ
 る。

 実益と苦労は表裏一体なのである。
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■編集後記

 イタリアに於ける、日本(京都)の景観条例のようなものは

 半端ではありません。イタリアのガイドラインを知ってしまう

 と、日本(京都)の条例のなんと緩やかなことか!と思って

 しまいます。だからと言って、イタリアが正しいとは言い切れ

 ないのですが、出来上がっている街並みを見比べますと、正し

 さの度合いが明白であるような気もします。

 設計者にとって、独創性を遮る景観条例は歓迎できるものでは

 ありません。というのが正しいのか。

 設計者にとって、美しいとされる街並みを形成・保存していく

 ために、景観条例はもっと成熟させていくべきだ。というのが

 正しいのか。

 それはきっと、設計者の度量に委ねられている気がします。
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 新しいもの全てが悪ではない。 
 古いもの全てが善でもない。

コラム | by muranishi | comments(0)

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