空間工房 一級建築事務所

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11.02.25 Friday

用舎行蔵イズム

■大概の個人設計事務所は、一人の主宰者(所長)がトップに立

 ち、スタッフが脇を固める。という構図だと思います。

 まあ、設計の進め方はマチマチでしょうが、最終判断/決断は

 一人で行いますので、多分スムーズだと思います。

 一方、私達は二人の共同主宰で設計事務所を運営しています。

 なので、決定までに時間が掛かります。これがデメリットなら

 恐らく10年も一緒に続けられなかったでしょう。

 そう。つい先日、事務所設立丸10年を迎えました!

 その記念に?今回のコラムです。

 それではどうぞおたのしみください。
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■用舎行蔵イズム

 誰も分析しないと思うので、自ら「用舎行蔵」について分析し
 てみる。

 用舎行蔵の何についての分析か、というとそれは勿論設計内容
 についてである。

 現在、色々なプロジェクトが同時進行中なのだが、事務所内は
 過去(竣工完了)の模型も含めて、様々なカタチの模型が同居
 している。

 箱型もあれば家型(三角屋根)もあり、当たり前だがどれひと
 つとして同じカタチをしているものはない。

 敷地の大きさも違えば、各お施主様のご要望も違うので、結果
 が違うのは当然。と言える。

 インプットが違うからアウトプットが違う。

 が、唯一つ全てのプロジェクトに共通しているのは、「用舎行
 蔵」というフィルターを通っているということ。

 同じ設計者が設計しているのだから、似たようなものが出来上
 がる。という設計事務所もある。

 同じ設計者が設計しているのに、傾向が掴めない。という事務
 所もある。

 どちらかと言えば、私達は明らかに後者である。

 それが良いか悪いかは別として。

 前者は分かりやすい。その作風というか、空間のニュアンスと
 いうか、雰囲気が好きな人は、多分安心して設計を依頼できる。

 後者は分かりにくい。かもしれない。でも、今までとは違うも
 のが出来る(かも)という期待感はある(はず)。

 何故、私達の設計する建物の傾向はバラバラなのか?

 理由はいたって簡単である。先入観なしに土地と向き合い、先
 入観なしにお施主様のご要望を聴く。からだと思う。(お?分
 析っぽい)

 一番重要なのは、僕たちがやりたい/実現したい空間ありき。
 ではなく、お施主様が求められているであろう生活スタイル/
 過ごし方を実現するための空間創り。だと思っている。

 それを実現するために、知恵やアイデアを出す。

 そしてたまに却下される。

 さらに工夫する。

 納得される。

 この繰り返しで、詳細は詰められる。

 私達が気持ちよいと思えない空間は、誰も気持ちよいとは思わ
 ない。と思っている。

 同様に。相方が心地良いと思えない空間は、誰も心地良いとは
 思わない。と思っている。

 この用舎行蔵内の双方(河野と村西)の相互チェック機能が、
 結構重要なのかもしれない。と勝手に思っている。

 まあ、一番重要なのはお施主様の評価機能に違いないのだが。

 建物に正解はない。だからこそ、関係者全員が「いいね!」と
 思える空間を目指さなければならない。と思う。
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■編集後記

 設立記念日(2月22日)に、現在設計進行中のNさまより

 キレイなお花を頂きました。まさか自分達でも忘れそうな

 設立日をご存知とは夢にも思っていませんでしたので、それは
 
 それはビックリしましたし、嬉しさも爆発でした。

 今まで支えていただいた多くのお施主様方や関係者の方々にも

 感謝しつつ、これからも設計活動に邁進して参りたいと思い

 ます。
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 3652日。
 10年。

コラム | by muranishi | comments(0)

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