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11.02.15 Tuesday

都市のイメージ

■マクロ的視点からミクロを形成していくか、ミクロ的視点から

 マクロを形成していくか、では出来上がりは異なる気がします。

 鶏が先か、卵が先か的な話しにもなりますが、どちらが良い
 
 結果をもたらすのでしょう?

 などということを考えつつ、今回のコラムです。

 それではどうぞおたのしみください。
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■都市のイメージ

 都市をデザインする人がいる。いわゆる都市計画家と呼ばれる
 人である。

 その中でもケヴィン・リンチ(1918-1984)という著名な都市
 計画家が書いた本に「都市のイメージ」というものがある。

 その著書の中で、都市には分かりやすさ(視覚的認識)が重要
 だと提示している。

 都市を形成している要素を抽出することで、都市を計画してい
 く際のポイントも提示されている。それが、次の5つである。

 「パス(道路)」・・・街路・鉄道・運河など
 「エッジ(縁)」・・・海岸・崖・山裾など
 「ディストリクト(地域)」・・・集落・町内など
 「ノード(接合店)」・・・交差点・広場・駅など
 「ランドマーク(目印)」・・・建物・看板・山など 

 例えば、京都に於いて、これらの要素を当てはめてみると、こ
 うなる。たぶん。

 「パス(道路)」・・・烏丸通り・御池通り・鴨川・京阪など
 「エッジ(縁)」・・・北山・東山・西山など
 「ディストリクト(地域)」・・・西陣・伏見・祇園など
 「ノード(接合店)」・・・京都駅・四条河原町など
 「ランドマーク(目印)」・・・京都タワー・大文字山など

 非常に分かりやすい。いや、これらの例が、ではなく。これら
 の例を簡単に挙げることができる、京都という都市が。である。

 この中で、時代と共に変わり行く要素を考えてみる。長い目で
 みれば、勿論「道路」の位置や太さなどは変化してきたわけだ
 が、今後急速に変化するとは思えない。「縁」となる山並みも
 多分変わらないだろう。「接合店」は変化が起きる可能性は大
 だが、これも休息に変化する要素ではなさそうである。

 残ったのは2つ。「地域」と「目印」

 なかでも「目印」はコロコロと変わる。特に建物などはコロコ
 ロ、コロコロ変わる。が、大文字をはじめとした五山であると
 か、金閣寺などの神社仏閣は改修こそすれ、災害などに見舞わ
 れない限り、結構なスパンで残っていきそうである。

 そう考えれば、一般の建物は別として、変化しない目印も数多
 く存在すると言える。

 では、残る一つの「地域」はどうか?

 実は、これが最も怪しい。と、個人的には思うのである。

 私達の事務所周辺で言えば、目印は京都御所だったり二条城だ
 ったりする。これらは多分残る。が、地域を形成する伝統的な
 建物であるとか、風景的な特徴であるとかを一言で述べろと言
 われると辛い。和菓子で有名な「とらや」さんが近所にあるが、
 2年程前に建替えられたばかりだし、味噌ラスクで少し有名な
 「本田味噌」さんもすぐ近くにあり、伝統的な京町家風情の構
 えをしているが、その周辺はマンションだったり病院だったり
 で、特徴ある街並みを形成しているとは言い難い。

 地域を特徴付けるもの。それは決して一つの建物とか、一つの
 風景ではない。と思う。単体の集合体、が形成する街並みこそ
 が分かりやすい「地域」を形成するのだと思う。

 そういう意味に於いて、例えば京町家を残すのであれば、点で
 はなく面で残す努力が必要だろうし、それが無理なら点の周り
 に点を増やしていくということが必要なんだと思う。

 そんなことは決して個人一人の力では到底叶わない。

 そこで必要となってくるのは、地域のみんなが共有できるイメ
 ージの提示であり、議論であり、合意形成なんだと思う。

 そんなこんなを提示していければと思う。

 私達が参加する「京都2111」というのは、そんなことも提
 示していく。予定である。

 みんなが興味を持った都市は、みんなが愛着を持つ都市になる。
 と思う。
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■編集後記

 色んな人が色んな分野で色んなことを考えています。

 そんな色んな考えがあることを知るだけでも大変な時間が

 掛かりますが、一から考えるよりは遥かに時間の節約になる

 と思っています。
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 知らないことが多すぎる。

コラム | by muranishi | comments(0)

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