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11.02.07 Monday

文化財マネジャー受講記録(2)

■一旦ある種の便利さを手に入れますと、なかなか手放せない

 のが人間だと思います。今では、おばあさんが川へ洗濯にいく

 ことも、おじいさんが山へ柴刈りにいくことも「普通」では

 なくなりました。それは「昔の話」ですので。

 電気がありますので、洗濯機が使えます。ガスがありますので、

 お風呂も沸きます。便利です。

 その便利さは手放せません。手放すつもりもありません。

 でも、少し考える必要がありそうです。便利さを手放さずに

 ある問題を解決する方法を。さて何の話でしょう?

 それではどうぞおたのしみください。
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■文化財マネジャー受講記録(2)

 先日「京都市文化財マネジャー育成講座」の第2回目の講義が
 開催されたので、その記録を前回同様に書き留めておく。

 講義は朝10時から夕方5時まで、ミッチリ。

 大学時代の講義よりも密度が濃いと感じるのは、歳のせいかも
 しれないが、間違いなく結構ハードである。

 先日の講義内容は大きく3つ。

 「低炭素・循環型社会に関する講義」「近代和風の住宅建築に
 関する講義」「文化財保護法に関する講義」だった。

 どれも興味深く聞き入ったが、今回はその中でも最も印象に強
 く残ったものを中心に書いておく。個人的に印象的だったのは
 「低炭素・循環型社会」の講義内容。

 実はこのコラムでも、去年の今頃の回で触れている。カーボン
 ニュートラルとか、エコのお話しに強くリンクする内容だった。

 概要は以下の通り。

 人間の歴史(文明)と合わせて考えた場合、過去1万年程度か
 ら過去200年程度は、大気中に占める二酸化炭素濃度は、ほ
 ぼ横ばい状態で推移してきた。しかし18世紀後半にイギリス
 で起こった産業革命を境に、その濃度がうなぎのぼりに上昇。
 それに伴い、地球の平均気温も1.7℃程度上昇してきた。これ
 がいわゆる地球温暖化現象である。

 二酸化炭素が何から排出されるかと言えば、主に石油や石炭な
 どの化石燃料を燃やすことから排出される。そしてゴミを燃や
 すことからも排出される。要は、色々な産業が製品を造リ出す
 際に排出されるし、その製品が不要となった時にも排出される。

 さて、では温暖化の何が悪いのか?

 ちなみに温暖化とは地球レベルで平均気温が上昇することであ
 る。温暖化会議で上昇の基点としているのは、産業革命以前の
 気温である。

 温暖化が進むと単純に干ばつ地域が広がり、水不足の人口が増
 える。水不足は農作物の生産にもダイレクトに関わっているの
 で、食料不足にも繋がる。今まで、農作物に適温だった地域が、
 適温ではなくなる。生物のいくつかの種が生き延びられない状
 態になる。氷山などの融解により海面が上昇する。海岸線が後
 退し、いくつかの島(ツバル島やヴェネチアなど)は水没する。

 つまり、いままでの常識が覆る。

 温暖化会議/京都議定書では、気温上昇を2℃程度に留めるこ
 とを目標に掲げてきた。が、実はすでにこの目標は実現不可能
 な状態まできている。今や、上昇温度を3℃~4℃のどこで留
 めるかを議論している状態である。

 どこで留まろうが、実は海面上昇は止まらない。猛スピードで
 走っている電車が急に止まれないように、今すぐブレーキをか
 けても、数百年は海面が上昇し続ける領域に、人類は立たされ
 ている。というか、人類自身のせいで、そんな状況に立ってい
 る。

 こんな状況を、日本語3文字で「ヤバイ」と呼ぶ。

 6文字使ってもよいのなら「かなりヤバイ」と呼ぶ。

 全世界の年間の人為的排出量は72億炭素トン。発電のためだ
 ったり、製鉄のためだったり、廃材処理のためだったりで72
 億炭素トン。

 一方で、森林や海水などが吸収可能なのは、年間で31億炭素
 トン。

 差し引き41億炭素トンが、毎年毎年大気中に溢れ出す計算で
 ある。なので、地球温暖化はとまらない。なので、とめるため
 の方策を各国が集まって考えている。が、先進国と発展途上国
 で意見がまとまらない状態。なので、温暖化はとまらない。

 実にヤバイ。現役世代はヤバくなくても、このままでは数世代
 先には申し開きできないし、自分の子供にすら申し開きできな
 い。と、個人的に思うのである。

 個人が打てる手は、正直微力すぎて笑ってしまう。が、敢えて
 書く。

 ゴミを減らす。自然エネルギー(太陽光・風力・水エネルギー)
 を利用する。町家など古くからの建物を残す。残し方を考える。
 残せる建物を設計する。地産地消を考える。

 そう。実は産業廃棄物に於いて、建築の占める割合は非常に高
 い。そして輸入材を使うことも、間接的に輸送時の二酸化炭素
 排出を促している。

 温暖化という一つの現象には、ありとあらゆる原因が起因して
 いる。世界人口増加なんてのも、まともに関係している。そし
 て、たった一つの現象が引き起こすであろう様々な問題は、ど
 れも深刻であることが既に見えている。

 いろんなメディアが取り上げてはいる。が、私も含め「対岸の
 火事」と思っている人が多数な限り、問題が起こってからしか
 実感(我が事として認識)が湧かないし、対応できないのかも
 知れない。

 ジョンレノンの言葉/歌詞に、こんなのがある。

 「想像力を働かせれば、この世から争いなんてなくなる」

 これに倣うなら

 「想像力を働かせれば、温暖化は止まる」

 いつの時代も無関心が悲劇を呼ぶ。と思うのである。関心を持
 ち続けたい。
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■編集後記

 暑いからエアコンを使い、廃熱がさらに気温を高める・・。

 いわゆる悪循環というやつです。分かっているけれど、やめる

 ことはできません。今の時代の猛暑は、生命にも関わりますの

 で。

 しかし、このままではさらに危険なことになるわけです。

 やはり、止めなければいけません。未来のために。
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■意識が行動を変えます。
 行動が未来を変えます。

コラム | by muranishi | comments(0)

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