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10.12.27 Monday

誰のための建築か(2)

■一年の埃を払うべく、年末の大掃除をされた方/される方も多

 いことと思います。キレイな状態で新年を迎えたいという気持

 ちもある一方で、今年も一年間ありがとう、という建築/空間

 に対する感謝の気持ちで掃除をされた方/される方もおられる

 かと思います。

 まあ、掃除はいいや。という方もおられるかも、ですが・・。

 今回は「人」と「建築」の話しの続きを少し。

 それではどうぞおたのしみください。
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■誰のための建築か(2)

 では前回の続きを書いて行きたい。

 建築は誰のためのものか。というテーマで書いていったところ、
 「個」と「公」の狭間で思考が揺れるカタチで終わった。

 さて、自分なりの答えが見つけ出せれば良いのだが、どうなる
 のかは現段階では分からない。

 ふと、数ヶ月前に見たTVのことを思い出した。それは、京都
 東山の別荘地に関するTVである。このコラムでも2度ほど話
 題に登らせている。

 その中で、ある別荘の「現在」の所有者の方が、こう語ってい
 た。

 『今は私共が、この別荘の所有者ですが、所有者という意識は
 持っていません。前所有者から託された若しくはお預かりして
 いるという意識を持っています。ですから、これはもう大切に
 扱わなければいけない。大切に管理していって、次の所有者と
 なる方に、無事に引き継がなければいけない。私共は、リレー
 のたすきを受けた存在に過ぎません。』

 恐らく数十億は下らない出資をされた方である。誰が見ても、
 その人が所有者である。唯一といっても良いほど、その別荘を
 自由に使える立場の人間である。にも関わらず、「たすきを次
 に渡さなければいけない」という思考で、その別荘を捉えられ
 ている。という事実に驚きであり、頭が下がる思いがした。

 「そりゃ、それだけの規模と贅沢な設えを施しているんだから、
 所有者と言えども自由に使って良いわけがないよ。」という人
 もいるだろう。

 「そんな思いで使わなくても、楽しめば良い。そのために手に
 入れたんじゃないの?自由に使ったら良いのに。」という人も
 いるだろう。

 そう、結局答えなんてないのだと思う。10人居れば10通り
 の意見があって然るべきだし、どれが正しくてどれが間違って
 いるなんてことは、「誰か」が判断することでも何でもない。

 なので、誰のための建築か。なんてことに対する答えもない。

 ただ、私個人的には、こう思うのである。

 「建築とは使えない建築にはなって欲しくない。誰でも良い。
 誰でも良いから使って貰える建築であって欲しい。」

 それはつまり、「個」だろうが「公」だろうが、どっちでも構
 わない。構わないけれども、末永く使われる建築であることが、
 建築にとっては幸せなのだと思う年末である。
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■編集後記

 結局「建築側」の立場でまとめてしまいました。「人側」の

 立場ではまとまらない気がしましたので・・。

 もうそろそろ仕事納めの方もおられるのではないでしょうか。

 仕事場でも大掃除はされることと思います。なんだか掃除の

 話しばかりで恐縮ですが、恐らく自分に対して「早く掃除しろ」

 と言っているんだと思います。

 というわけで、掃除します。
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 海外では、春の暖かい時期に大掃除をするそうです。
 ここは、日本です。

コラム | by muranishi | comments(0)

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