■気を抜くと時代に取り残された感じになるのは、世の常かも
しれません。
最近の若いものは・・というセリフを口にするにはまだ早い
気もしますが、若い人の歌やグループなど、いつの間にか既に
訳の分からないゾーンに入っている自分がいます。
多分、興味がないからなのでしょう。
しかし、興味/好奇心を持ち続けるというのは、非常に重要
だとも思っています。
そんな前フリとリンクするかどうかは、分かりませんが、
コラムにはその時々に興味を持っている事柄が書き散らかされ
ております。
それではどうぞおたのしみください。
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■技術の進歩
今年の初めに、照明器具に関するコラムを書いた。
LED照明についてであった。
それからわずか2ヶ月程度しか経っていない。
最近調べたところ、2ヶ月前にはなかった「口金11」タイプ
のLED照明電球が出ているらしい。前回書いた頃は「口金2
6」タイプが出始めた頃。「口金17」タイプすらあまりなか
った気がする。が、それすら上回る「口金11」タイプの登場。
口金の数字は大きさを表す。小さくなるほど、その径も小さく
なる。26は、電球の根元径(器具への差込口)が直径26m
mを表している。11と言えば、かなり小振りのスポットライ
トである。電球でいえば、ダイクロハロゲン球など。設計する
空間には良く使う大きさ/小ささである。
技術の進歩は早い。気を抜くと、情報の速度の方が遅いくらい
に思える。実際はそんなことはなく、単に自分が調べよう/知
ろうと思わない場合のことであるが。
いつの間に口金11まで発売されていたのかは、知らない。数
自体/バリエーション自体はまだまだ発展途上なので、大きな
口金のLED電球に比べれば少ないと感じる。しかし、それも
アッと言う間に増えるものと予想される。
なにせ、ものの2ヶ月でこの有様なのだから。
LED電球自体の明るさは、前回のコラムでも書いた通り、凄
く明るいわけでもない。しかしこれはあくまで現時点での話し
である。
現在は直下の明るさは非常に明るい。LEDには直進性がある
ためである。ただ、拡散性に乏しいので、普通の電球などと比
べると暗く「感じる」。
最近、LEDを使用する機会が増えている。例えば4.8Wの
LED照明器具。現物の光を真下から見ると、僅か4.8Wと
は思えない明るさ。消費電力や寿命を考えると、その費用対効
果は申し分ないと感じている。いや、正直に言えば、少し初期
費用は高いのだが。
でも、CO2削減・地球温暖化防止の観点から言っても、今後
は断然LEDであると断言できる。
恐らくこの技術進歩の速さで行けば、かなり近い将来、LED
が主流/日常となると思う。
同時に、電気業界は大変になると思う。なぜなら、一度売れれ
ば10年近くは電球が切れることがないのだから。技術の進歩
はときに自分の首を絞めることにもなりかねない。しかし、一
度売れれば・・という観点から行くと、他社に先駆けて安く良
い商品を開発して売り出さなければならないという事実も突き
つけられている。
かくして、技術の進歩は経済動向と相まって加速する。
利用する立場・消費する立場としては、大歓迎である。
でも、電気業界もその先を考えているに違いない。携帯電話と
同じである。日々新しいものを提供する。消費者を飽きさせな
い。どんどん目新しいものを開発していく。そしてそれらが市
場に出回る。消費者は購買意欲をそそられる。
話しは変わるが、先日京都で最近新しく出来た和菓子系のお店
でカステラを買った。お店の雰囲気も抜群。店員さんの接客も
抜群。包装紙なども洒落ていて、絶対有名なプロダクトデザイ
ナーが手掛けているに違いないと思わせるもの。総じて、お店
のブランディングには成功していると思った。
で、いそいそと持ち帰って家族で、そのカステラを食べてみた。
・・・たぶん私はまた買うことはない。
いや、決して味がまずいわけではない。美味しい部類だと思う。
が、日常的に買うかと言えば買わない。費用対効果というか、
味とコストのバランスが腑に落ちないだけである。
勿論、リピーターも多くいると思う、市外からの常連客も居る
と思う。
ブランディングには成功しているのだが、肝心の商品が最後に
はモノを言う。ということを初めて知った。
大概ブランディングに成功しているお店は、味も成功している
のが経験としては常であったから、少し意外だった。
技術の進歩と全く関係ない話しだが、私の中ではなんとなくリ
ンクしている。そのお店。さらなる技術改革が必要だと、一消
費者である私は思った/思ってしまった。ブランディングすら
していない私が偉そうなことを言える立場ではないことは重々
承知している。
技術を進歩させていくとき、目先を変えるだけではダメなのだ
ろう。本質を変えてこそ、進歩なのだろうと考えさせられた。
だから、LEDの進歩は凄いと単純に思う。
翻って、設計。私達も進歩が求められている。いや、具体的に
誰から求められているということはないのだが、進歩が必要だ
と思っている。
建築雑誌を見ていると、一つの形式に拘ってだか、そういうニ
ーズがあってだかは知らないが、どれも似たり寄ったりと感じ
てしまう方も居られる。これは批判ではない。事実である。そ
うかと思えば、次々に発想を変えて建築を生み出している方も
居られる。
出来るならば、後者を目指したい。
私達自身の身に照らし合わせたとき、例えば格子の家が目につ
くかもしれない。しかし、一回一回、その大きさ・ピッチ・色
・材質などを微妙に変えている。多分、見た目には分からない。
しかし、全く同じことをやっていては、進歩がないという思い
があってのことである。
そんなこんなを考えながら、日々設計を通して新たな挑戦を心
掛けている。
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■編集後記
多分ですが。ブランディングは最後で良いような気がします。
ブランディングありきではいけない気が、上の一件で認識で
きました。
本質を極めたからこそ生きるブランディング。順序はそれが
正しいと思っています。
いや、別にブランディング研究者じゃありませんが。
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