■恐らく人は、自分の価値観や興味のあるものを基準にして様々
な情報を手にしていくような気がします。
同じ情報でも、興味の対象外であれば、見ているのに見ていな
い(記憶に残らない)状態になると思います。
ここでいう情報とは、何もインターネットやニュースから得ら
れるものだけに限りません。
葉っぱの色付き具合や、夕焼け空のグラディエーションや虹の
色は外側が赤か内側が赤かといったことまで、「目にする」事
柄も含めての話しです。
どこからどんな情報を得るか。その視点の持って行き方につい
て今回は少し書いてみます。
それではどうぞおたのしみください。
_____________________________
■知らなかった扉
当工房のHPでも告知済みだが、来週の土曜日(12月4日)
に名古屋でオープンハウスを開催する。
開催にあたっては、当工房のHPで告知するくらいしか手段は
ないように思うが、探してみるとコレが意外と多くあったりす
る。
建築系サイトで、「オープンハウス」などという安易な検索ワ
ードで探してみるだけでも、数サイトで情報を募集していたり
する。
まあ普通はそれらに登録しておしまいなのだろう。
ただ、折角開催するからには、出来る限り多くの人に来て貰い
たいのも事実としてある。
そこで、デザイン系サイトでも、そのような情報を扱うサイト
がないものかと探してみる。すると、デザイン系はデザイン系
で様々なイベントが催されている。勿論その情報も広く募集さ
れている。
さらに、イベントという純粋なキーワードで検索をかける。す
るとそこには、建築に関わらず展覧会や水族館のイベントまで
扱うサイトが存在することを知らされる。
まあ、どこまで登録すべきかキリがない状態でもある。
普段、私達は「建築」という限られたカテゴリーの中で、建築
という事象を捉えがちである。
しかし、現実の世界には「建築」というカテゴリーが存在はす
るものの、「そこから出ちゃダメ」とはなっておらず、デザイ
ン分野にも越境するし、その他分野にも越境する。
建築サイトで建築を見たり、論説を読んだりするのは当たり前
すぎて新鮮味も何もないのだが、ちょっと視点が変わったサイ
トから建築を見せてもらうと、ファッションデザイナーの服と
建築が並列的に紹介されていたりして、結構新鮮だったりする。
ともすれば建築分野に偏りがちな自分の思考が、一気にシャッ
フルされる感じでもある。
勿論、普段から意識して「建築以外」の本を読んだり、情報を
インプットしたりするように心掛けてはいるのだが、知らない
うちに、建築は建築系サイトで見るべし的な思考回路になって
いたようである。
だからといって大きな支障があるわけではない。むしろそれが
定石である。
しかし実はスグ隣に、普段とは違った視点から建築という対象
物を見る扉がある。という事実を気に留めていなかったことが
問題だと思った。
広い視野を持つこと。少し視点を変えてみること。
単純なことだが、そこから広がる世界の方が広い。
これからもそんな事実を心掛けていきたい。
_____________________________
■編集後期
まあ、情報とは間違い探しではないのですが、上の字は編集
「後記」が正解です。
見ているようで見ていないことって意外に多いと思います。
ニュートンはリンゴが木から落ちるのを見て、月は何故落ちて
来ない?という発想から万有引力の法則を発見したとされてい
ますが、誰しもが見ていることを大発見につなげるか否かは
情報の整理/応用の仕方が優れているか否かに他なりません。
お施主様からご要望/情報を引き出し、それらを整理/応用
して建築というカタチあるものに置き換えていくこと。それ
が私達設計者の大きな役割の一つです。整理/応用の仕方で
アウトプットされるカタチは大きく変わる気がします。
_____________________________
■発 行:空間工房 用舎行蔵 一級建築士事務所
(くうかんこうぼう ようしゃこうぞう)
住 所:〒602-0914
京都市上京区室町通り中立売下ル花立町486
連 絡 先:TEL/075-432-3883 FAX/075-334-8051
H P:http://yosyakozo.jp
E-mail:info@yosyakozo.jp
情報がカタチに変わります。
設計者というフィルターを介して。
td> |