空間工房 一級建築事務所

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10.03.19 Friday

知らなかった事実

■おばあちゃんの知恵袋ではないですが、世の中にはちょっと

 したことを「知っている」のと「知らない」のとでは大きな

 差が生まれるときがあります。

 普段慣れ親しんでいるつもりでも、知らなかったことも、たま

 にあったりします。

 今回はそんなお話しから少し。

 それではどうぞおたのしみください。
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■知らなかった事実

 普段、ほぼ毎日パソコンを使って仕事をしている。

 恐らくどの職場でもそのような状態が日常風景になっているこ
 とと思う。考えてみれば、パソコンが本格的に普及し始めたの
 は、私が大学4年の頃からだったような記憶がある。今からザ
 ッと、15年強前の話しである。

 なので、パソコンとは慣れ親しんでいるつもりだった。

 つい先日、現在進行中のホームページリニューアルの関係で、
 その筋の人とやりとりをする場面があった。

 創って貰っているHPのサンプルページをPC画面で見ながら、
 電話やメールでのやりとりである。

 しかし話が全く噛み合わない。のである。

 何がか?

 こちらで見ている画面では、明らかにロゴが馬鹿でかく、なん
 ともバランスが悪い。色もこちらの指定した色と微妙に違う。
 スクロール幅もイメージしていたより大きい。

 簡単に直せるでしょ。とド素人の私達。

 いやいや、全部造り変えになります。とプロの方。

 両者一歩も譲らず状態である。(といっても決して険悪なムー
 ドは漂っていませんでしたが)

 これではラチが開かないので、こちらに来て私達のPC画面に
 表示されたサンプルページを見てもらうことにした。

 確かに大きいですね~。

 そうでしょ?

 そして知った事実。「画面プロパティ」の設定が違うのである。
 私達の設定は「1024×768ピクセル」。かたやHP製作会社の画
 面設定は「1280×1024ピクセル」と解像度を上げている。

 詳しいことは説明出来ないが、簡単に説明すると、同じソース
 (情報画面)を見たとき、私達の設定では10の情報画面/画
 像の内、5割位しか一度に表示されない。かたや製作会社の画
 面設定にすると8割程表示され、全体の余白やロゴの大きさな
 どもバランス良く納まった。

 噛み合わないはずである。見ている画面設定が違うのだから。

 さらに。

 現在、PC業界では「1280×1024」以上が主流らしい。ただ、
 PC工場が初期設定しているのは「1024×768」が現在5割程度。
 これは、とあるサイト統計で明らかにされている。で、初期設
 定を「1280×1004」に変える人は、そのうち4%程度。統計が
 正しければ、「1024×768」派が48%。「1280×1024」派が
 52%。

 しかし、WINDOWS7など今後のPCは「1280×1024」を初期設定
 にする方向で検討しているらしく、今後の主流は高解像度に移
 行することが予測される。マックなどは既に上記以上の設定が
 主流らしい。

 なので、結論として高解像度ベースのままで進めることとし、
 48%の方には若干「でかい」HPをご覧いただくことになり
 そうである。48%の方に合せると、52%の方にとっては文
 字が非常に小さくて見づらくなってしまうことを避けるためで
 ある。

 この画面設定。実はほんの数秒で変えられる。

 その場で製作会社の方指導の下、簡単に変えることが出来た。
 普通に詳しい方にとっては、全く持って驚くことではない。が、
 私達は「へぇ~!?」「へぇ~!」と感嘆の連続。へ~へ~教
 の教祖になった感じであった。

 PCには慣れ親しんでいるつもりであった。が、実はそんな簡
 単なことも知らずに使っていたのである。

 恐るべき無知加減。

 多分、その業界では「当たり前」のことは他にも多くあると思
 う。知っているだけで便利なことや、知っているだけで解決で
 きる簡単な事柄が。

 私達も設計者として、建築業界では「当たり前」のことを当た
 り前で終わらせない努力をしなければいけないと感じた瞬間で
 ある。

 家を建てる人は、それこそ一生に1回の出来事かもしれない。
 だから、その時知りえない事実は一生知りえないかもしれない。
 知らなくても困らないことは別に良いが、知っていると役立つ
 ことはアナウンスする努力をこちら(設計者や施工者)がしな
 いといけないと思った。法的解釈然り、構造関係然り、分電盤
 から設備に至るまで、説明すべきことは沢山あるような気がし
 ている。

 必要充分な説明や解説。実は以外に素人の方が知らない事実。
 出来るだけ心掛けていきたい。
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■編集後記

 恐らく多くの「知らない」事柄が世の中には存在すると思い

 ます。無知の知であることは大切です。

 無知の知。知らないということを知っている。

 有名な哲学者、ソクラテスの言葉ですね。

 でもこれ、実は孔子も同じことを言っていたという事実をご存

 知ですか?

 そう。私達の工房名でもある「用舎行蔵」を述べた人。孔子。

 多分、無知の知というのは真理なのだと思います。

 でも、少しでも多くのことを知りたいのが人情だとも思います。

 なので、アンテナは張り続けつつ、設計の仕事に役立てていき

 たいと思っています。

コラム | by muranishi | comments(0)

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