■おばあちゃんの知恵袋ではないですが、世の中にはちょっと
したことを「知っている」のと「知らない」のとでは大きな
差が生まれるときがあります。
普段慣れ親しんでいるつもりでも、知らなかったことも、たま
にあったりします。
今回はそんなお話しから少し。
それではどうぞおたのしみください。
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■知らなかった事実
普段、ほぼ毎日パソコンを使って仕事をしている。
恐らくどの職場でもそのような状態が日常風景になっているこ
とと思う。考えてみれば、パソコンが本格的に普及し始めたの
は、私が大学4年の頃からだったような記憶がある。今からザ
ッと、15年強前の話しである。
なので、パソコンとは慣れ親しんでいるつもりだった。
つい先日、現在進行中のホームページリニューアルの関係で、
その筋の人とやりとりをする場面があった。
創って貰っているHPのサンプルページをPC画面で見ながら、
電話やメールでのやりとりである。
しかし話が全く噛み合わない。のである。
何がか?
こちらで見ている画面では、明らかにロゴが馬鹿でかく、なん
ともバランスが悪い。色もこちらの指定した色と微妙に違う。
スクロール幅もイメージしていたより大きい。
簡単に直せるでしょ。とド素人の私達。
いやいや、全部造り変えになります。とプロの方。
両者一歩も譲らず状態である。(といっても決して険悪なムー
ドは漂っていませんでしたが)
これではラチが開かないので、こちらに来て私達のPC画面に
表示されたサンプルページを見てもらうことにした。
確かに大きいですね~。
そうでしょ?
そして知った事実。「画面プロパティ」の設定が違うのである。
私達の設定は「1024×768ピクセル」。かたやHP製作会社の画
面設定は「1280×1024ピクセル」と解像度を上げている。
詳しいことは説明出来ないが、簡単に説明すると、同じソース
(情報画面)を見たとき、私達の設定では10の情報画面/画
像の内、5割位しか一度に表示されない。かたや製作会社の画
面設定にすると8割程表示され、全体の余白やロゴの大きさな
どもバランス良く納まった。
噛み合わないはずである。見ている画面設定が違うのだから。
さらに。
現在、PC業界では「1280×1024」以上が主流らしい。ただ、
PC工場が初期設定しているのは「1024×768」が現在5割程度。
これは、とあるサイト統計で明らかにされている。で、初期設
定を「1280×1004」に変える人は、そのうち4%程度。統計が
正しければ、「1024×768」派が48%。「1280×1024」派が
52%。
しかし、WINDOWS7など今後のPCは「1280×1024」を初期設定
にする方向で検討しているらしく、今後の主流は高解像度に移
行することが予測される。マックなどは既に上記以上の設定が
主流らしい。
なので、結論として高解像度ベースのままで進めることとし、
48%の方には若干「でかい」HPをご覧いただくことになり
そうである。48%の方に合せると、52%の方にとっては文
字が非常に小さくて見づらくなってしまうことを避けるためで
ある。
この画面設定。実はほんの数秒で変えられる。
その場で製作会社の方指導の下、簡単に変えることが出来た。
普通に詳しい方にとっては、全く持って驚くことではない。が、
私達は「へぇ~!?」「へぇ~!」と感嘆の連続。へ~へ~教
の教祖になった感じであった。
PCには慣れ親しんでいるつもりであった。が、実はそんな簡
単なことも知らずに使っていたのである。
恐るべき無知加減。
多分、その業界では「当たり前」のことは他にも多くあると思
う。知っているだけで便利なことや、知っているだけで解決で
きる簡単な事柄が。
私達も設計者として、建築業界では「当たり前」のことを当た
り前で終わらせない努力をしなければいけないと感じた瞬間で
ある。
家を建てる人は、それこそ一生に1回の出来事かもしれない。
だから、その時知りえない事実は一生知りえないかもしれない。
知らなくても困らないことは別に良いが、知っていると役立つ
ことはアナウンスする努力をこちら(設計者や施工者)がしな
いといけないと思った。法的解釈然り、構造関係然り、分電盤
から設備に至るまで、説明すべきことは沢山あるような気がし
ている。
必要充分な説明や解説。実は以外に素人の方が知らない事実。
出来るだけ心掛けていきたい。
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■編集後記
恐らく多くの「知らない」事柄が世の中には存在すると思い
ます。無知の知であることは大切です。
無知の知。知らないということを知っている。
有名な哲学者、ソクラテスの言葉ですね。
でもこれ、実は孔子も同じことを言っていたという事実をご存
知ですか?
そう。私達の工房名でもある「用舎行蔵」を述べた人。孔子。
多分、無知の知というのは真理なのだと思います。
でも、少しでも多くのことを知りたいのが人情だとも思います。
なので、アンテナは張り続けつつ、設計の仕事に役立てていき
たいと思っています。
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