■今、ネット上の地図では昔の地図/地形を重ね合わせて見る
ことができるようです。
昔を重ね合わせることで「変化」も分かれば「不変」も分か
ります。
まあ、こんなことを書いておきながら、使ったことは一度も
ないのですが・・。
というわけで、今回は地図を交えてのお話し。
それではどうぞおたのしみください。
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■単純化/純粋化
例えば、遠くの友人を自分の家に招待するとする。
自分の家が、駅の目の前だったり、誰もが知っている名勝の近
くだったりすると説明は早い。極端な話し、口頭で済む。
しかし、駅から遠かったり、入り組んだ奥の方にあったりする
と、口頭での説明だけでは、ほぼ辿りつけない。
そこで必要になってくるのが、案内図的な地図である。
最近では、インターネット上の地図をメールすれば良いし、GP
S情報を送ればそれだけでも事足りる。
が、それを昔ながらの紙媒体で且つ手書きで伝えようとした瞬
間、結構手間取ったりする。
普段生活していて、そういう作業が必要なことは殆どないが、
そういう作業の必要に迫られた時、100人居れば100通り
の「地図」が出来るような気がする。
ある人は道路を単線で描いたり、ある人は目印にコンビニを描
いたり、またある人は北の方角を下向きに描いたりすると思う。
手書きになった瞬間、縮尺はその人の手で歪められ、細い道路
は省略され、目印は記号化される。恐らく殆どの場合。
これは、都市を単純化する作業とも言える。都市の記号化でも
あるし、自分の記憶を辿るので、記憶の中の都市でもある。
人に自分の家を伝える時、恐らくかなりの確率で表現/表出す
るのは「道路」である。又は「線路」や「川」である。
つまり、都市を構成しているのは、そういった基幹であると言
える。道路なしに、唐突に建物が現れることはない。これは基
準法でも「接道の義務」が謳われていることからも、現在の日
本国内では、道に2m以上接していないければ建物を建てられ
る敷地とはならない。
そして、全国的な共通言語/記号としてガソリンスタンドやコ
ンビニ・学校・銀行などが記載される。誰にでも分かる目印と
して。
そういった記号の中に、建物や住宅は埋もれているのである。
歴史ある建物などは、それだけでその地域の「目印」=記号と
なる。というかなり得る。なので、埋もれることはない。
と、一つの案内図を描くだけでも色々なことが判明する。
そして最も重要なのは、その案内図的な地図が、的確に第三者
を誘導してくれるかどうかである。
何かの落語か笑い話に、カラスを目印にするという話しがある。
まあご想像の通り、カラスなどすぐに飛んで居なくなってしま
うので、目印がなくなり迷うというオチなのだが、今の都市を
見ていると、建物すらカラス的存在になっている気がしないで
もない。
カーナビなど数年前のものを使うと、そこにあるはずのコンビ
ニが消えている。というのはしょっちゅうである。
都市の新陳代謝なのか、建物の使い捨て化なのか良く分からな
いが、経済事情による風景の移り変わりであることは間違いな
く、それをどうこう言えないのも確かである。
まあ、そんな事象も乗越え、無事に第三者を誘導できる地図が
完成したとする。
それこそが、単純化/純粋化の結晶である。と思う。
複雑に入り組んだ都市を単純化すること。やってみると、これ
が簡単なようで、なかなか難しい。A地点からB地点に誘導す
るだけなのだが。
さて、つらつらと書いてきたが、今回のコラムで最も言いたか
ったのは、案内図の話しでも都市の話しでも何でもない。
然るべきもの(記号)を然るべき場所に落とし込むことが出来
れば、それは立派に目的を達成させることが出来る。というこ
と。つまり、建築単体を考える時も、そんな単純化が結構重要
だったりすると思った次第である。
それがシンプルな空間として表出すれば、それは私達の望む空
間であり、目指している到達点である。
そんなことを、とあるオープンハウスの案内図を描いていて思
った。
とあるオープンハウスの案内は間もなくHP上で公開予定であ
る。
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■編集後記
どさくさに紛れて、最後に宣伝をしております。
今月末は少し厳しそうですが、来月頭に名古屋で内覧会を
行なわせていただく予定です。
お施主様のご厚意によりまして、実現できる運びです。
このコラムを書いているヤツが一体どんな設計をしているのか
とご興味のある方は、是非足をお運びください。
詳しくは追って告知いたします。
下記より直接メールいただいても結構です。
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■発 行:空間工房 用舎行蔵 一級建築士事務所
(くうかんこうぼう ようしゃこうぞう)
住 所:〒602-0914
京都市上京区室町通り中立売下ル花立町486
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H P:http://yosyakozo.jp
E-mail:info@yosyakozo.jp
オモヤとハナレとコリドールで構成された住宅は
近日体感が可能となります。
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