空間工房 一級建築事務所

HOME > MESSAGE コラム > 規模により出現するもの
10.11.10 Wednesday

規模により出現するもの

■季節の変わり目には、お体ご自愛下さい。風邪などひかれませ

 んように。という挨拶をよく見かけます。勿論私も使いますが。

 そんな季節と季節はダイレクトに繋がっています。明確に「今

 日から冬」といった区切りが示されるわけではありませんが、

 振り返れば「ああ、あの辺が季節の変わり目ね」と分かる感じ

 には、なっています。

 春の次は夏。ですよね。春の次は秋。に行きたい人も居るかも

 しれませんが。

 さて、今回は「繋がり」に関するお話しを少し。

 それではどうぞおたのしみください。
_____________________________

■規模により出現するもの

 主に住宅に於いて、規模が大きくなると現れ始めるものがある。

 これは一つの仮説である。検証はしていない。

 大きくなると出現するもの。それは通路/廊下。

 逆に言えば、規模が小さくなるほど、通路的空間は不要になる。
 不要に出来る。

 一方で、大規模でも廊下を無くす方法もある。単純に部屋同士
 を結合させていく方法。昔の住宅でよく見かける間取りかもし
 れない。但し、この場合は部屋が通路ともなるので、完全に通
 路が消えたかというと微妙である。

 さて、それではなぜ規模が大きくなると廊下が現れ始めるのか。
 個人的な見解を少し。

 部屋数が増えるから。というのが大きな理由として挙げられる。

 ある部屋から、部屋を跨いで、若しくはすっ飛ばして、異なる
 部屋に移動したい時に廊下が必要となる。部屋は大抵「行き止
 まり」「袋小路」的場所にある。さらにその先に行きたいなら、
 その部屋を通るしかない。それがイヤなら通路/廊下をつける
 しかない。なので部屋数が多くなるほど、廊下が必要になり始
 める。

 本来、廊下は不要である。言ってしまえば無駄である。そこは
 通行/移動の目的以外なんの役割も果たしてくれないので。

 例えば美術館。例えば百貨店。

 廊下がある場合もあるが、大抵は空間と空間がダイレクトに繋
 がれている。百貨店も「通路」は明確に存在するが、展示・販
 売の空間とは完全に融合している。仕切りはない。

 美術館や百貨店などは、普通の住宅に比べるまでもなく、デカ
 イ。でも通路が空間から隔絶されているか?と言えば、そんな
 こともない。

 例えば学校。例えば旅館・ホテル。

 これはもう、廊下なしでは成り立たない。と言っても過言では
 ない。なぜ廊下と切っても切れない関係なのか?

 それは書くまでもなく、「各空間」の独立性が必要だからであ
 る。学校であれば教室。旅館やホテルであれば客室。

 教室を他のクラスの生徒が授業中に通リ抜けるなんて有り得な
 いし、客室を他の客が通過するなんて「客室」とは呼べない。
 少なくとも私は「客室」とは認めないし、泊まりたくない。

 公共的な建築であっても通路/廊下が明確に必要ない場合と必
 要な場合が混在する。ということが分かる。

 その違いは、「プライバシー性」の必要度合いによっている。
 と言えるかもしれない。

 「プライバシー」が不要な空間の繋がり/連続であれば、通路
 など要らない。全てダイレクトに繋がれば済む。

 すると、規模が大きな住宅には、プライバシーが必要な空間が
 「多く存在し始める」ということが出来るかもしれない。客間
 であったり、トイレの箇所数だったり、寝室だったり。

 そういった、見せたくない、若しくは見られたくないプライベ
 イト空間が、パブリック空間とダイレクトに繋がっていられる
 部屋数であるうちは、間仕切りなどで仕切れば済むので、廊下
 は不要である。しかし、その個数があふれ出した時、情勢が変
 わる。つまり廊下的空間が必要となる。

 まあ、そんなことはイチイチ書くまでもない。と言えばそれま
 でなのだが。

 それまでなのに、なぜ書いたか?

 廊下や通路を「通行スペース」という捉え方をするのではなく、
 少しアレンジを加えるだけで、余白(ゆとり)の空間になった
 り、気分を切り替えるスイッチ空間となったり、誰もが憩える
 /使える通路以上の空間になったりする。ということを言いた
 かったのである。

 どうしても必要ならば、必要最小限に抑える。というのも一つ
 の方法である。しかし、一工夫凝らすことで、違った空間にす
 ることもできる。と考える。

 逆手を取る発想が、時に状況を逆転させる。廊下に限らず。と
 思うのである。

 そしてもう一つ。本当に廊下が必要なのか?とも一方で思うの
 である。本当に規模が大きくなると無くせないのか?と。無く
 す方法が実はあるんじゃないか?と。

 突き詰めていくという発想も時に必要である。とも思うのであ
 る。

_____________________________

■編集後記

 うちの事務所には通路/廊下はありません。非常に急な階段

 はありますが。通路が明らかに不要なほどに狭いからです。

 リノベーション前は部屋数だけで言えば6部屋ほどありまし

 た。今は2部屋。あれ?4部屋はどこに消えたのか?

 答えは、土間だったり吹抜けだったりするわけですが、廊下
 
 をなくしたことで、部屋は広くなりました。
 
 用途次第で同じ建物でも廊下は無くせるということです。

_____________________________

■発  行:空間工房 用舎行蔵 一級建築士事務所
      (くうかんこうぼう ようしゃこうぞう)
 住  所:〒602-0914 
      京都市上京区室町通り中立売下ル花立町486
 連 絡 先:TEL/075-432-3883 FAX/075-334-8051

 H  P:http://yosyakozo.jp
 E-mail:info@yosyakozo.jp

 廊下も巾が広がれば立派な部屋になります。
 巾が狭くても立派な部屋と言うこともできます。

コラム | by muranishi | comments(0)

コメントをどうぞ

空間工房 用舎行蔵 一級建築士事務所
住所:〒602-0914京都市上京区室町通り中立売下がる花立町486
TEL:075-432-3883
FAX:075-334-8051
ALL CONTENT COPYRIGHT 2012(C) KUKANKOBO YOSYAKOZO ARCHITECYS OFFICE ALL RIGHTS RESERVED