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10.11.08 Monday

与条件の大切さ

■一つの結果が得られる前提に、与条件というものが必ず存在
 
 すると思います。
 
 というような内容のコラムを今回はお送りします。

 建築を設計する場合の与条件も一杯あります。

 なので、考え得る結果も一杯あるのだと思います。

 条件対結果は、1対1の関係ではなく、多対1の関係です。

 ま、そんなことはどっちでも良いのですが。

 それではどうぞおたのしみください。
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■与条件の大切さ

 毎週土曜日だか日曜日だかに、今週の売れ行きベストテンとい
 う情報が私の読んでいる新聞には掲載される。

 何の売れ行きかというと、「本」の売れ行き。

 あくまでも書店調査ベースなので、電子書籍が対象になってい
 るかは怪しい。

 まあ恐らく近い将来、電子書籍も対象になるのだろうが、今回
 の話しとは全く関係ないので、置いておく。

 そのランキングでここ暫く何週にも渡ってランクインしている
 本がある。

 「これからの正義の話しをしよう」という本。まあ、説明する
 までもない位有名なのだが、私はまだ読んでいない。

 この本、ハーバード大学の公開セミナーで一躍有名になった、
 マイケル・サンデル氏の著書である。題名を読む限り、「正義」
 の話しが書かれているのだと思う。

 さて、それに先立ち、NHKでも今年の春に放送された、サン
 デル氏の講義を本にしたものが出版されている。

 言ってみれば、「これからの・・」がベストセラーになるきっ
 かけをつくった放送内容の書籍化である。

 残念ながらその放送を私は見ていない。

 なので、先日その本を買って読み始めたところである。

 何がそんなに人気を博しているのか?と単純に気になったので。

 本当のサワリ部分しか読んでいないのだが、それでも惹き込ま
 れる内容だった。

 与条件によって、こうも答えが変わるものなのか?という内容。

 これは哲学的な学問を含んでいる話なので、何の哲学的知識も
 ない私が個人的にこの場で記載するのは良くない。が、記載し
 ないと伝わらないので、記載する。

 非常にデリケートな内容なので、気を悪くされたらお許し下さ
 い。

 「あなたは電車の運転士です。が、ブレーキが壊れました。行
 く手に5人の線路保安係が作業をしています。このままなら5
 人を巻き込んだ事故になります。そこに支線が見えました。ハ
 ンドルは操れますので、支線に入ることは可能です。が、そこ
 には1人の作業員がいます。さて、あなたはどうしますか?」

 汽笛を鳴らす等といった問題ではなく、上記の2者択一しかな
 いと仮定する。どうするか?恐らく意見は分かれる。

 次に

 「あなたは上述の電車を橋の上から見ています。真っ直ぐ進め
 ば5人を巻き込む事故となります。が、隣に恰幅の良い人がい
 ます。突き落とすと電車は止まります。あなたはどうしますか
 ?」

 前述と後述で答えが異なる人が多いと思う。

 なぜか?

 というところをサンデル氏は講義していくわけである。

 その内容は本に明確に記載されているので、興味のある方はお
 読み頂ければと思う。

 その講義内容とは全く関係ないが、こう思った。

 絶対変わるはずのない(と思い込んでいる)結果は、与条件次
 第でいとも簡単に正反対の結果を導き出す。ということ。

 いたって当たり前のことかもしれない。しかし、一方向から光
 を当てただけで、それが自分の中で「大原則」となっていない
 だろうか?と思うのである。

 講義の質問内容は、確かに突拍子もないが、「何か」が自分の
 中でスイッチとなり、答えが変わる。(まあ、変わらない人も
 いるだろうが)。

 自分が出した答えに確固たる根拠があれば、ひょっとすると与
 条件によらず「最適解」だと主張することができるかもしれな
 い。しかし、そんな人は稀だと思う。

 建築に於いても与条件により、同じ結果(カタチ・プラン)で
 も「最高」に見えたり「最低」に見えたりする。

 ただ、建築に於いて与条件は常に変わる。と思っている。なぜ
 なら、それが住宅の場合、住む人の年齢も年々変わる。多分、
 趣味・嗜好も変わる。そして何より、時代が変わる。本人が変
 わらずとも周囲は変わる。

 それだけ長い間建ち続けるわけなので、設計当初の与条件など
 少しの拍子でガラッと変わる。でも建築(結果)を簡単に変え
 ることは、リノベーションでもしない限り不可能である。

 与条件の多少の変化に耐えられるもの。それも建築には重要な
 要素である。でも、なんでもかんでも対応出来るスーパーな空
 間はなかなかない。

 なので、こう思うのである。予見可能な変化(与条件)を如何
 に無理/無駄なく組み込んでおくか。それも重要だ。と。

 無理/無駄が生じた途端、それは諦める。という覚悟を自分の
 中で咀嚼しているか。と。

 与条件は大切である。しかし、それだけに捉われないことも、
 結構大切である。と。
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■編集後記

 さて、本(講義)の内容がどのように進められていくのか楽し

 みです。正解のない話しという意味では、建築にも通じている

 気がします。

 また何か発見などがあれば、ここに書いてみたいと思います。
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 誰が「正義」を定義するのか?
 誰にとっての「正義」なのか?
 興味津々です。 

コラム | by muranishi | comments(0)

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