■無音じゃないと集中できない人。無音だと集中できない人。
喫茶店のようなザワザワした所でも集中できる人もいれば
図書館のように静かな場所でも周りに人がいると集中でき
ない人もいると思います。
その時の心理状態や集中すべき対象によっても異なるかも
しれません。
安心して集中できる場所。それは実は、自分が単に慣れた
場所かもしれません。いや、知りませんが。
今回はそんな集中力に微妙に絡むお話し。
それではどうぞおたのしみください。
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■こもる、ということ
設計をしていると、結構頻繁に直面する課題というか命題みた
いなものがある。
今回はそのうちの一つ。「篭る(こもる)」ということに焦点
を当てて書いてみたい。
まずは、こもる必要が生じる場面を想定してみる。
一つ。子供が受験勉強や試験前で集中するとき。
これは、恐らく家族ぐるみで「こもらせる」感じかもしれない。
TVの音量も極力抑え気味で、勉強している子供の気が散らな
いように、静かに静かに。という感じを想像する。
一つ。仕事を持ち帰って、夜中や休日に自宅でするとき。
夜中なら家族も寝静まり、ほぼ自由な場所でこもれる。極端な
話し、リビングなどの広い部屋でだってこもれる。こもってい
るという意識すら必要ない状態である。ただ、休日の昼間など
であれば、子供が騒いでいる横で書類を広げるのはほぼ不可能
である。書類を散らかす、若しくは「遊んで~」とまとわりつ
いてくることが予想できるので。この場合は確固たる「居場所」
というか、領域を確保していないと何も進まないと思う。
一つ。映画や読書など一人で趣味に没頭したいとき。
これまた夜中は自由だが、休日昼間なら家庭によっては、そも
そも許されない行為かもしれない。
まあ要するに、用事の如何に関わらず、一人で何かに集中した
いとき。若しくは単に一人になりたいとき。と括れるかもしれ
ないが、その目的/状態により、家族の協力が得られたり、家
族から阻止が試みられたりする。
では次に、こもっている時の状態を想定してみる。
一つ。何も見えない・聞こえない部屋でこもる。
こんな部屋ではあまりこもりたくない。何も聞こえないのは逆
に集中できないかも。私の場合だが。ましてや、何も見えない
なんてイヤだ。何か見えたい。
一つ。景色は見えるが、雑音の届かない場所でこもる。
いいかもしれない。寝てしまいそうだが、いいかもしれない。
一つ。家族の気配を感じつつ、騒々しさは感じない所でこもる。
まあ余程広い家でない限り、若しくは家族全員外出中でない限
り、恐らく家族の気配は感じる。1階と3階くらい離れている
と流石に気配も感じないかもだが、大抵感じる。ということは
騒々しさも感じる。
一つ。家族の気配も感じ、話し声までハッキリ届く所でこもる。
もう、これはこもっているという定義にすら当てはまらないか
もしれない。何か壁に向かって精神統一をしている状態を思い
浮かべてしまう。
上記はほんの一例を数個並べただけだが、こもると言っても、
その目的や状態で色々と想定できることがわかる。
恐らく一般的には「こもる」イコール「静か」というのを想像
されることと思う。そして家庭/家族の考え方にもよるが、最
も重要なシーンは、子供が勉強(受験)をする時の「こもれる
度」のような気がする。
建築的に出来ることと言えば、子供部屋を出来るだけリビング
など家族が集まる場所から遠ざける/離すこと。若しくは、部
屋を防音仕様にする。こと位なものである。
ただ、これの大きな弱点は、子供が勉強していようがいまいが、
家族には分からない。という点である。
親の思い子知らず。という感じになると辛い。
個人的には、こもれるのは一部屋で良い。と思う。余程の時の
場所としての一部屋。全ての部屋がこもれるようになったら、
それはもう「家」ではなく、「寮」みたいな感じに思える。
お風呂場が普段は部屋として機能してくれれば一番良いのだが。
と思うのは私だけだろうか?
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■編集後記
仕事を屋外でするノマド族がいるという話題を以前にも書いた
記憶があります。ノマド族にとってみれば、街が仕事場であり
集中できる場所なのかもしれません。
ところで、皆さんにとって落ち着く場所はどこですか?
私達はそんな落ち着く場所を設計できればと思っています。
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■発 行:空間工房 用舎行蔵 一級建築士事務所
(くうかんこうぼう ようしゃこうぞう)
住 所:〒602-0914
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H P:http://yosyakozo.jp
E-mail:info@yosyakozo.jp
もうすぐ驚異的なトイレ空間が出来上がります。
落ち着くかどうかは怪しいトイレですが・・。
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