■日本人がノーベル科学賞を受賞しました。最近は結構頻繁に
受賞されていて、素晴らしいことだと思います。
今年受賞されたお二人の名前は?というクイズには多くの方
が正解されると思います。
では、受賞された内容は?というクイズには多くの方が明確
な説明はできないかと思います。概要は説明できても。
話題にはなりますが、話題の大元が分かっていないことって
結構あります。たまに分かっていない者同士が会話すると
「誰か本質を教えて!」という気持ちになったりします。
では微妙にそんな内容と絡むお話しを少し。
どうぞおたのしみください。
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■物事をマスターする秘訣
うわっ!建築と全く関係ないタイトル!
今回は、とあるビジネスサイトを読んで、自分も納得したので
忘れないためにも書いておこうと思う。
何もこのコラムにメモっておかなくても・・という気もするが、
まあ難いことは言わずに・・。
ということで、書き進める。
物事をマスターする秘訣は何だと思いますか?という単時な質
問。
答えは色々考えられるかと思う。
思いつくままに列挙すると・・。
繰り返し学習すること。
優れた先生/上司/先輩から学ぶこと。
真似ること。
分からない部分を自分で調べる/考えること。
他人の倍の時間を費やすこと。
集中すること。
などなど。
どれも必要な事柄かもしれないし、他にも色々挙げられると思
う。しかし、正解はこうだった。
「他人に教えること」
個人的には大納得である。自分が理解していない限り、他人に
確実に教えることは不可能である。
勉強でも仕事でも同じことが言えると思う。
物事の理屈なり成り立ちを正確に把握する。そしてそれを他人
に伝える。いたって単純な作業である。しかし、いざやってみ
ると意外と出来ないことが多かったりする。これが出来ないと
いうことは、正確に理解出来ていないということであるので、
他人に教えるという行為は、自分の理解度を把握するには分か
りやすい目安にもなるのである。
私達設計事務所的な立場から言えば、法規の理解/説明に始ま
り、材料の把握、その材料の性質、製品の多様性の把握、選定
する際のポイント、断熱の仕様、そのレベル、その範囲、壁の
厚みがなぜ決まるか、どう決めるか、ドアノブ一つをとってみ
てもどのメーカーが空間に合うか、コストはどうか、造った方
が良いか、見積り内容は正確か、単価や数量に間違いはないか、
施工時のボードのビスピッチは大丈夫か、シックハウスの原因
となる材料は使用されていないか、下地合板の厚みは合ってい
るか、スイッチの大きさは、高さは、色は、空間全体の色はど
うなるか、ガラスの種別は合っているか、登記の方法は、保険
の加入は、カーテン類はどうするか、電話の手配は・・・など
など分かっていないと、お施主様に説明が出来ない。
そして何よりも、自分が創造しようとしている空間を説明出来
ないと、契約してもらえないのである。
まあ、説明してもそれが気に入られなければ契約は出来ないの
だが。
まさか自分が創造しようとしている空間を把握していないわけ
がないので、それを教える/伝えることは、ほぼ100%可能
だと思う。しかし、「伝える」というのは、必ずしも「伝わる」
とは同義ではない。
「教える/伝える」という行為の先には「理解される/伝わる」
という反応が実は必要であり、重要だとも感じた次第である。
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■編集後記
お施主様に伝えるという行為も大切ですが、現場が進むと
職人さんに空間の意図や納まりを伝えるという行為が重要に
なってきます。
社会人デビュー当時は、現場のことなど右も左も分かりませ
んでしたので、出来るだけ目を逸らして質問を受けないよう
に頑張っていました。(頑張りどころが違いますが・・)
そんなとき、的確に応えている先輩を見ると、頼もしくも
あり、羨ましくもありました。
流石に今は目を逸らしませんが。
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■発 行:空間工房 用舎行蔵 一級建築士事務所
(くうかんこうぼう ようしゃこうぞう)
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継続は力なり。
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