■理想的な収納率(収納スペースの延床面積に占める割合)は
概ね8%前後と言われています。
例えば30坪の住宅なら、2.4坪ですので、約5帖程度の
収納スペースになります。いや、何も5帖程度の納戸が必要
なわけではありません。各部屋の押入れやクロゼットの面積
を合計して5帖前後あれば良いというものです。
収納は多いに越したことはない。とは思いますが、結局何年
も使わないモノで占拠されている収納スペースでは意味があ
りません。
そんなこんなで今回のコラムです。
それではどうぞおたのしみください。
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■モノが溢れる理由
設計事務所のお話。
まあ、一般的かどうかは分からないが、私達の事務所のケース
で話しを進めてみる。
以前にも書いたが、建築雑誌や本・カタログなどが増え続ける。
さらに、プロジェクト関連の図面や書類のファイルも増え続け
る。多分これからもその状況は変わらない。
そして最も増え続けて場所を取るのが、様々なサンプル類。フ
ローリングやタイル・石材・塗り材等など、挙げ出せばキリが
ない。そして困るのはこれらの置き場所である。
置き場所の広さは限られている。なので、許容量を超えると、
自然とモノは溢れ出す。のである。
一つの解決策は、順次古いものから捨てていく。
もう一つは、置き場所をさらに確保する。
この二者択一でしかない。
あとは、整理/収納方法を工夫するといった手段もあるが、そ
れらを駆使しても許容量には限界があるので、結局は上記の二
者択一に落ち着く。
が、置き場所を確保するということは、作業スペースを狭くす
ることに他ならない。なぜなら建物全体のスペースが決まって
いるので。
モノのために作業スペースを狭くするというのは、やはりイヤ
である。広々と使いたいし、広々としたところで仕事をしたい。
ただでさえ狭いので。
ということは、捨てるという作業が欠かせないのである。サン
プル類や古いカタログは簡単に捨てることが可能である。
しかし、プロジェクトの図面・書類・模型・建築雑誌・本類は
捨てられない。勿体無いので心理的にも捨てられないし、図面
などは法的にも残しておかなければならないものもあるので、
捨てられない。
捨てられないモノが増えると、余程広い収納場所がない限り、
モノは溢れ出す。いつか溢れ出す。
モノとの戦いである。
などと書いているが、これは何も私達事務所に限った話ではな
く、一般の住宅でも普遍的に起こる問題なのである。
何か良い方法はないものだろうか。
空間を横(平面)に使うのではなく、縦(垂直)に使うことが、
モノの整理の鉄則である。とは思うのだが、半ばいたちごっこ
のようになってしまっている我が事務所である。
どうやら、不要なものは徹底して捨て続けなければならないよ
うである。不要なものを持ち込んでいるつもりは全くないのだ
が・・。
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■編集後記
昔、アルバイトをしていた某有名建築家の事務所では、模型
保管用にマンションを2戸所有していました。2部屋ではない
ですよ。2戸。・・・いろんな意味でありえません。
まあそれ程にモノは溢れるとも言えるのですが。
因みに私達の事務所の収納率をザックリ計算してみました。
・・・自分でも驚きましたが、約25%という数値でした。
それにも関わらず、コラムのような始末・・。
これもどうかと思います。
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■発 行:空間工房 用舎行蔵 一級建築士事務所
(くうかんこうぼう ようしゃこうぞう)
住 所:〒602-0914
京都市上京区室町通り中立売下ル花立町486
連 絡 先:TEL/075-432-3883 FAX/075-334-8051
H P:http://yosyakozo.jp
E-mail:info@yosyakozo.jp
製図板を使っていた時代を思えば、まだマシかもしれません。
製図板だけでも結構な場所を取っていたでしょうから。
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