空間工房 一級建築事務所

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10.10.08 Friday

モノが溢れる理由

■理想的な収納率(収納スペースの延床面積に占める割合)は

 概ね8%前後と言われています。

 例えば30坪の住宅なら、2.4坪ですので、約5帖程度の
 
 収納スペースになります。いや、何も5帖程度の納戸が必要

 なわけではありません。各部屋の押入れやクロゼットの面積

 を合計して5帖前後あれば良いというものです。

 収納は多いに越したことはない。とは思いますが、結局何年

 も使わないモノで占拠されている収納スペースでは意味があ

 りません。

 そんなこんなで今回のコラムです。

 それではどうぞおたのしみください。
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■モノが溢れる理由

 設計事務所のお話。

 まあ、一般的かどうかは分からないが、私達の事務所のケース
 で話しを進めてみる。

 以前にも書いたが、建築雑誌や本・カタログなどが増え続ける。
 さらに、プロジェクト関連の図面や書類のファイルも増え続け
 る。多分これからもその状況は変わらない。

 そして最も増え続けて場所を取るのが、様々なサンプル類。フ
 ローリングやタイル・石材・塗り材等など、挙げ出せばキリが
 ない。そして困るのはこれらの置き場所である。

 置き場所の広さは限られている。なので、許容量を超えると、
 自然とモノは溢れ出す。のである。

 一つの解決策は、順次古いものから捨てていく。

 もう一つは、置き場所をさらに確保する。

 この二者択一でしかない。

 あとは、整理/収納方法を工夫するといった手段もあるが、そ
 れらを駆使しても許容量には限界があるので、結局は上記の二
 者択一に落ち着く。

 が、置き場所を確保するということは、作業スペースを狭くす
 ることに他ならない。なぜなら建物全体のスペースが決まって
 いるので。

 モノのために作業スペースを狭くするというのは、やはりイヤ
 である。広々と使いたいし、広々としたところで仕事をしたい。
 ただでさえ狭いので。

 ということは、捨てるという作業が欠かせないのである。サン
 プル類や古いカタログは簡単に捨てることが可能である。

 しかし、プロジェクトの図面・書類・模型・建築雑誌・本類は
 捨てられない。勿体無いので心理的にも捨てられないし、図面
 などは法的にも残しておかなければならないものもあるので、
 捨てられない。

 捨てられないモノが増えると、余程広い収納場所がない限り、
 モノは溢れ出す。いつか溢れ出す。

 モノとの戦いである。

 などと書いているが、これは何も私達事務所に限った話ではな
 く、一般の住宅でも普遍的に起こる問題なのである。

 何か良い方法はないものだろうか。

 空間を横(平面)に使うのではなく、縦(垂直)に使うことが、
 モノの整理の鉄則である。とは思うのだが、半ばいたちごっこ
 のようになってしまっている我が事務所である。

 どうやら、不要なものは徹底して捨て続けなければならないよ
 うである。不要なものを持ち込んでいるつもりは全くないのだ
 が・・。
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■編集後記

 昔、アルバイトをしていた某有名建築家の事務所では、模型

 保管用にマンションを2戸所有していました。2部屋ではない
 
 ですよ。2戸。・・・いろんな意味でありえません。

 まあそれ程にモノは溢れるとも言えるのですが。

 因みに私達の事務所の収納率をザックリ計算してみました。

 ・・・自分でも驚きましたが、約25%という数値でした。

 それにも関わらず、コラムのような始末・・。

 これもどうかと思います。
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 製図板を使っていた時代を思えば、まだマシかもしれません。
 製図板だけでも結構な場所を取っていたでしょうから。

コラム | by muranishi | comments(0)

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