空間工房 一級建築事務所

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10.10.01 Friday

南向きか、北向きか

■皆さんは、どちら向きの部屋で過ごすことが多いですか?

 私達の事務所は南向きに大きな開口が開いてますので、

 南向きのスペースと言えると思います。しかし、土地(敷地)

 として見れば、北と西向きに道路と接していますので、

 北西の角地ということになります。

 土地として見る時と部屋として見る時で、同じ場所でも

 変化をします。

 今回はそんな方角のお話しを少し。

 それではどうぞおたのしみください。

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■南向きか、北向きか

 土地のお話。

 例えば、土地を探すとき。若しくは購入するときのお話し。

 一般的に、南向きの土地に人気が集まります。南向きとは、道
 が南に接しているという意味です。道路には基本的に建物が建
 たないので、建物の影になる割合が少なく、日当りが良い。だ
 から南向きが人気。という、至って単純な理屈です。

 ただ、この理屈は一般解であっても、常に「正解」とは言えな
 いと考えます。

 なぜなら、南に面した居室は道路に面することになりますので、
 光を取込むために窓を設けると、道路からの視線が気になった
 りします。光を取り入れるためには窓が必要。でも視線を遮る
 には窓を閉じる必要がある。

 そんな矛盾に陥った結果、南向きなのに、窓がシャッターで閉
 じられている。という住宅を見かけます。開けたいけれど開け
 られない状態のお家。

 いや、実はこれは何も南向きの土地に限った話しでもないので
 すが。

 要するに、道路面にダイレクト且つ無造作に開けられた開口は、
 住宅の場合は大概「開かずの窓」といいますか「開けられずの
 窓」になります。余程強靭な精神力の持ち主か、若しくはかな
 り鈍感な人でない限り、大衆の視線に晒されてのガラス張り生
 活は困難だと思います。

 これが店舗だったりすると、オープンでも一向に構わない感じ
 になります。業種によっては、通りから中が見えた方が良い場
 合すらあります。

 書くまでもなく、プライバシーの度合いによるわけです。住宅
 は「私」的要素が強く、店舗は「公」的要素が強いというのが
 主な理由。

 陽射し的に、北を閉じ、南を開く。というのであれば、実は北
 向きの土地の方が良い場合もあります。南側にある程度の距離
 を確保出来て、陽射しを取り込めるなら、北向きの土地にデメ
 リットは殆どない気がします。まあ、南北方向の奥行きが少な
 い時は、少し配置を考えなければいけませんが。

 いずれにせよ「一般解」は一般解でしかないと私は考えるわけ
 です。

 「土地ありき」という状態。即ち、既に建てるべき土地が決定
 している場合。まあ、今までの統計的には、その場合の方が多
 かったわけですが、土地が決まっているなら、その土地が有す
 るポテンシャルを最大限活かすというのが、私達設計事務所の
 ポリシーです。南向きでも北向きでも、西向きでも東向きでも
 関係なく、最も有効に採光出来るように、尚且つ外部からの視
 線もカットするように考えて設計を進めます。

 では、北向きか東向きかという選択肢の場合はどうなるでしょ
 う?

 また考え込もうとした貴方。「一般解」はありません。よ。
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■編集後記

 因みに自宅は西向きです。夏は陽射し(西日)に耐え切れず

 遮光カーテンを閉めて過ごします。なので、いやというほど

 陽射し(西日)が入れば入るほど、強く閉ざします。

 結果、電気をつけるわけですが、熱射病になるよりはマシだ
 
 と思っています。

 そう思うと、方角って結構大切です。
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 開き方・閉ざし方で敷地の持つ力が変わります

コラム | by muranishi | comments(0)

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