空間工房 一級建築事務所

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10.08.25 Wednesday

まちづくり

■一体、世の中にはどれ位の数の「職業」があるのでしょう?

 職業名を聞いても分からないものもあれば、時代と共に生まれ

 る職業。時代と共に失われる職業もあると思います。

 労働省の職業分類によれば、約2万8千種の職業があるとされ

 ています。多分100種類も思い浮かびそうにありませんが、

 例え100種類思い浮かんだとしても、その280倍の職業が

 あるとされていますので、気が遠くなりそうです。

 さて、今回は2万8千種のうちの一つの職業に焦点を当てて

 みたいと思います。

 それではどうぞおたのしみください。
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■まちづくり
 
 本屋さんに行くと、「まちづくり」に関する本が多く出版され
 ている。

 街並み再生から街並み保存。はたまたシャッター通りの再活性
 化に関するものまで、その内容には枚挙に暇がない。

 今まであまり気にしていなかったが、気にし出すと結構目につ
 くものである。

 これだけ色々出ているということは、各地で色々と試行錯誤が
 成されているということだと思う。出版されている内容の殆ど
 は、研究の域を出て、実例が記されているので、そう思うわけ
 である。

 京都の地方新聞(京都新聞)を毎日読んでいても、まちづくり
 やそれに関する記事が、ほぼ毎日のように取り上げられている。
 京町家保存の方法に関することから、町家を利用したイベント、
 まちづくりに関するセミナー等など。

 それだけ関心を持っている人が多いという裏返しでもあると思
 うのだが、それほど声高なインフォメーションやアナウンスと
 しては聞こえて来ないので、注意深く情報を見なければ見過ご
 す程度とも言える。

 最近知ったことだが、「まちづくりコーディネーター」や「ま
 ちづくりアドバイザー」なる肩書きの人が居る。特に資格制度
 があるわけでもないが、半公の機関に所属する人や役所の方の
 肩書きとして使用されている。

 コンサルタントとは少し違い、明確な成果を如実に出すことは
 しない/できないけれども、まちづくりに関する情報や制度の
 アナウンス、住民と役所の橋渡し役など今までにない領域での
 活動をされている方々を指す。らしい。

 これで食べているという方は稀で、殆どはボランティア若しく
 は半公の機関に所属して、日夜まちづくりに励むパターンがど
 うやら多い。建築出身の方も居れば、社会学出身の方も居るの
 で、その立場自体が確立されているわけではない。

 実は今度、まちづくりコーディネーターによるセミナーがある
 ので、行ってみることにする。その方々が今までどのような事
 例に携わってきたのか?とか、今後のまちづくりはどうあるべ
 きか?などが議論されるらしい。興味津々である。またセミナ
 ー内容については、気が向いたらこのコラムでも紹介したいと
 思っている。

 さて、そんな「まちづくり」に関する本を最近読んでみた。京
 都の事例を交えた、まちづくりの本である。

 読んでみて思ったことを少し書いてみたい。

 主に住民主体・住民主導によるまちづくりを実現するために、
 東奔西走された実話が記載されている。最終的には、住民との
 信頼関係を如何にして築き、まちづくりを如何にして進めたか
 という話しである。まちづくりの手法自体は様々あることは勿
 論だが、対象としている内容が多岐に渡っている。

 事例を挙げてみる。

 実際に京町家を再生した事例。住民と、ある種のイベントを企
 画して、まちの活性化を図った事例。農村に入り込んで、大学
 と共同で農村をPRした事例。京都の材料を使うという条件の
 もと、住宅供給会社と共同で設計コンペを行ない、実際に建築
 した事例。駅前の放置自転車をなくすために住民と共同で奔走
 した事例。繁華街の地域住民が夜回り隊を結成して、風紀を正
 していった事例。観光地の公衆トイレ整備を住民の意見を取り
 入れながら、つくっていった事例。などなど。

 そう。「まちづくり」という言葉は、凄く広範囲を対象として
 いるのである。地域住民当事者にしか分からない困惑や不満や
 不安を、コーディネーターがサポートすることで、問題点を洗
 い出し、解決策を共に練り、専門家なども交えて実行に移し、
 それらを持続/継続させていくことで、まちをよりよくしてい
 くことが「まちづくり」に関する内容なのである。

 では、なぜ今各地でそのような動きが出ているのだろうか?コ
 ミュニティの崩壊やビルの乱立、ミニ開発による景観の不整合
 ・不調和、老朽化による家屋の解体、少子高齢化による空洞化
 などなどにより、地域住民が知らない間にまちが変貌し、その
 変貌具合が地域住民の望まざるカタチになってしまっていたと
 いうのが、まちづくりを見直す原因の一つとして考えられる。

 排除できる原因もあれば、避けて通れない原因もあるように思
 う。排除できる原因については事前に手を打ち、避けて通れな
 い原因については、皆で知恵を出し合って解決を図らざるを得
 ない。

 この「事前に手を打つ」「皆で知恵を出し合う」というのが、
 住民主体であるために、コーディネート役が必要なのだと感じ
 ている。

 とは言っても、住民皆が同じ方向を向くというのは至難の業で
 あり、且つ関わりたくもない人を引き込むのも正解かどうか分
 からない部分でもある。かといって有志のみで取り決めを行な
 うことも民主主義に反する。

 なかなか根の深い問題である。しかし、実際動いて結果を出し
 ている地区や学区も実在することを考えれば、決して無理な話
 しとさじを投げる必要もないことが分かる。

 皆が住むまちだから、皆が協力し合う。そういう動きがもっと
 盛んになれば、きっと「まちづくり」は成功する。と楽天的に
 考えるが、どうだろうか?

 一人の天才に頼るより、100人の知恵が「継続的」に集まる
 ことの方が「まちづくり」には必要な原動力だと思っている。

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■編集後記

 なんちゃらコーディネーターという分類だけでも随分ありそう

 です。ちょっと調べただけで、コーヒーコーディネーターや
 
 留学コーディネーターなど、どのような分野にも存在していそ
 
 うなのが分かります。因みに私が持っている資格の一つには
 
 インテリアコーディネーターがあります。これは民間の資格。

 国家資格で言えば、インテリアプランナーになりますが、これ

 は持っていません。

コラム | by muranishi | comments(0)

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