空間工房 一級建築事務所

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10.08.20 Friday

ある建築家の言葉(14)

■京都は猛暑日が続いています。
 
 今、名古屋で現場が進行中ですが、名古屋も京都と同じく

 猛暑日が続いています。現場で仕事をされている職人さん

 には頭が下がります。この炎天下の中、現場にはエアコン

 などありませんので・・。熱中症対策で、先日現場の職人

 さんの格好にビックリしました。

 その職人さん、長袖のウインドブレカーを着込んでいました。

 まるでボクサーが減量するときの格好。数分で熱中症になる

 か、余程タフな方かと思って聞いてみると、背中を向けて

 見せてくれました。そこには「小型扇風機」が内蔵されて

 いました。「なるほど~」。

 というか、そんなものが世の中にはあるんですね。初めて見

 ました。

 まあ、今回のコラムとは全く関係ありませんが。

 それではどうぞおたのしみください。
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■ある建築家の言葉(14)

 今回は建築家というよりも、建築史家の言葉を書き留めておき
 たい。

 建築史家とは耳慣れないかもしれない。耳慣れない方のために
 少し解説を加える。

 とは言っても、大体想像がつきそうだが。

 建築史家。恐らく日本で最も有名な建築史家は藤森照信氏。建
 築家でもあるが、本業は建築史家。古今東西、和洋を問わず建
 築には歴史がある。古くはギリシャ建築から最近はポストモダ
 ンまで。其々の建築は、時代の背景と共に成り立ちが異なる。
 技術の進歩や材料の開発により、構成されている材質も違えば
 構造も違う。そんな多岐に渡る建築群を、時代考証も織り交ぜ
 ながら、分類したり、考察したりするのも建築史家の仕事であ
 る。

 建築の歴史を研究するのが建築史家の主たる業務とされるが、
 歴史的に見て重要な建物の保存や復元などもときに手掛ける。

 今回の建築史家は西和夫氏。現神奈川大学の名誉教授の言葉を
 書いておく。

 この西氏、建築史学の会長だったり、文化庁の文化審議会委員
 だったり、多くの肩書きを持たれている。書籍の一つに「建築
 史に何が出来るか」という本も書かれている。

 その本を最近読んだ。そして単純に「話しを聞いてみたい」と
 思い立ち、連絡を取った。

 勿論、直接連絡先を知っているわけではないので、所属されて
 いるNPO団体の事務局にメールをして、これこれこういう理
 由で連絡を取りたいのですが・・。と打診。すると翌日、西先
 生のアドレスを教えていただいた。そしてすかさず、西先生に
 メール送信。これこれこういう理由でお話しを伺いたいのです
 が・・・。

 まあ、半ばダメもとである。相手はいわば業界のドン。御歳は
 72歳。好き好んで、見ず知らずの輩に話しなどしてくれるだ
 ろうか?という思いが立つ。

 そうこうするうち連絡がないまま2週間程度が過ぎる。

 もう一度メールしてみようかな?などと殆ど押し売り的考えが
 頭をもたげ出した。いや、何も売らないのだが。

 と、先日電話があった旨、事務所より連絡が入った。生憎私は
 現場監理で外出中だったので、電話番号を書き留め、隙を見つ
 けて電話をした。

 聞いてみるもんである。お忙しいにも関わらず、私の疑問に丁
 寧に応えて頂いた。

 そのやり取りをココに書くことは憚られるので、全てを具体的
 に書くことは控えるが、一つだけ。

 「行動あるのみ」

 そう。なんの話しか分からないかもだが、要約するとこの一言
 に尽きる。

 どのように行動を起こすか?なんてキマリはないのである。思
 い立った人が行動を起こす。協力者を求める前に自らが動く。
 それが早ければ早いほど良い。ジッとしていても事態は変わら
 ないし、下手すれば悪化する。ただ、同じ想いを抱いている人
 はいるはずなので、行動に移せば、その人達が見えてくる。

 全ては西先生の経験談である。なので、言葉の持つ意味は重い。

 私は建築史の専門家ではない。大学の教授でもない。なので、
 必然的にスタートラインは違うことは認識している。が、そこ
 が重要なのではない。思いを行動化出来るか否かが重要だとい
 うことである。

 まあ何の話しかに関わらず、なんでもそうかもしれない。

 そして、もう一つ知ったこと。

 人は求めれば、応えてくれる可能性は高い。利害関係がなけれ
 ば。
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■編集後記

 暑さ寒さも彼岸まで。・・・ただ、お彼岸まではあと1ヶ月

 あるのですが・・・。暑さ寒さに敏感な私としては、彼岸ま

 で耐える自信がありません。が、現場監理は続きます。

 あのウインドブレカーはどこで手に入るのでしょう?今度聞

 いてみたいと思います。

コラム | by muranishi | comments(0)

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