■せっかく京都から発信していますので、京都の情報も少し交え
ていこうと思い立ち、今回のコラムです。
え?家創りと関係ないじゃないか!と思われた貴方。鋭い!
ほぼ家創りと関係のない話しではありますが、そこから見えて
くる「まち」の見方もあるかもしれません。(ないかもしれま
せん)
因みにシリーズでお届けしようと思っています。普通、その
第一弾であれば、メジャーな地域を紹介するのが常套手段かも
しれませんが、敢えてマイナーな地域からせめていきたいと
思います。
それではどうぞおたのしみください。
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■京都紀行(1)
またしてもシリーズ化を試みる。
その名も「京都紀行」。観光的な意味合い/内容も多少含むか
もしれない。お気楽コラムの位置づけである。趣味も兼ねて。
私の趣味は「散歩」である。若しくは「自転車散策」である。
京都駅前には「京都サイクリングツアープロジェクト」という
名で、京都市内を自転車で観光案内する会社がある。京町家ツ
アーだったり、路地裏ツアーだったり、コースは色々。京都の
達人が案内してくれるそう。つい最近知った話しではあるが。
京都は自転車で廻るのが良い。徒歩とバスも良いが、バスだと
何かと遠回りしたりするし、徒歩だと歩ける限界距離も短い。
その点、自転車はエコだし、市内なら端から端まで行こうと思
えば行ける距離なので、もってこいである。
いや、サイクリングツアーのガイドでもなければ、回し者でも
ないので、あくまで個人的意見として捉えていただければと思
う。
まあそんな話しとは全く関係ないが、今回は「岡崎地区」に絞
ってお届けしたい。
何故岡崎か?愛知の岡崎ではない。京都の岡崎である。で、何
故岡崎か?単純に岡崎近くに住んでいるからである。
岡崎は京都の文化地区的要素を備えている。京都市動物園。京
都会館(ホール)。京都市美術館。国立近代美術館。ミヤコメ
ッセ。平安神宮。府立図書館。などが集まっている地区である。
夏には岡崎グラウンドで大盆踊り大会も催される。参加したこ
とはないが。
周辺には南禅寺や以前のコラムでも述べた通り、京都の別荘街
もあったりする。一敷地5000坪越えの冗談みたいな大きさ
の別荘街である。入ったことはないが。
そして琵琶湖疎水が流れている。春には十石船が往来し、桜の
花見を堪能出来る。乗ったことはないが。
なぜ岡崎にそれ程までに美術館やコンサートホールが集まって
いるか?
1895年(明治28年)に第4回内国勧業博覧会が催された
際、この岡崎地区が会場となったのがキッカケかと思う。平安
遷都1100年の記念事業として、それまで東京で行なわれて
いた博覧会を京都に誘致したのが、それである。
ちなみに大鳥居で有名な平安神宮も、この年に記念事業の一環
として建立された代物である。なので歴史は浅い。神社にして
はだが。
この内国博覧会に先駆けて、1890年に琵琶湖疎水の一期工
事が完了した。琵琶湖から京都に水を引くという一大事業であ
る。今も京都の飲み水はその恩恵を受けていることを考えると、
凄い事業だったと改めて思う。詳細は省くが、設計監理技術を
任されたのは、田辺朔郎。なんと大学を卒業したばかりの22
歳という若さで指揮を執った。これまた凄い。
疎水の水は南禅寺の水路閣を流れたり、別荘地帯に引き込まれ
たり、京都御所の防火用水に引かれたりと色んな場所に供給さ
れている。中でも水路閣はなんともモダンな味わい深い風景を
創出している。京都にこんなのが?!と思うデザイン。レンガ
造りの橋みたいな上を水が流れている。
建物に目を向ければ、京都会館は前川國男氏の設計だし、国立
近代美術館は槙文彦氏の設計である。いずれも日本を代表する
建築家。
そして京都市動物園。1903年(明治36年)に日本で二番
目の動物園として開館。今、園内を大々的に整備し直す事業が
段階的に進められており、6年後に「都市型動物園」として完
成を迎える予定とされている。
さらに今、岡崎地区全体を市民が集える場所。散策出来る水辺
空間。などに再度整備する計画が打ち上げられている。遠い昔、
動物園敷地内に九重搭が存在していたことにも着目し、復元を
図るとか図らないとか。断っておくが、五重搭ではない。九重
搭である。個人的には「もう一声!」と言いたくなる重ね加減
であるが、何重の搭というのは、大概奇数である。仏教で供養
法要関連は奇数と相場が決まっているかららしい。因みに三十
三間堂も奇数。そう、横方向も奇数なのである。
今後色々と景観も生まれ変わることと思う。その時代・時代で、
大幅な景観の見直しが図られ、次の世代へと受け継がれるのが、
都市であるとも言える。岡崎界隈にも独自の歴史が刻まれてい
るので、一度足を運んでみては?
因みにお昼は「山元麺蔵」が個人的にはお勧めである。讃岐う
どんの店。美味しい。しかし、30分は並ぶのを覚悟で。
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■編集後記
現在工事中の東京スカイツリーも昔の多重搭構造をヒントに
構造解析がかけられているそうです。
昔の人の知恵には感服するものがあります。もし九重搭が実
現されれば、スカイツリー的賑わいも創出されるかもしれま
せん。昔の知恵を現代に活かす。昔の知恵を昔の形で復元す
る。どちらも浪漫を感じます。
現存する市内の搭で思いつくのは、東寺・八坂・真如堂・黒谷
仁和寺・醍醐寺・法輪寺。なんとも結構あります。どれも
見たことはありますが、流石に九重搭は見たことありません。
現在、どこにも現存していませんので・・。
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