空間工房 一級建築事務所

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10.02.19 Friday

住宅の本質

■小難しいことは苦手です。だからできるだけ分かりやすい

 文章を心掛けているつもりです。

 が、とある数少ない読者から「難しい」と言われてしまい

 ました(汗)

 多分、文章が難しいというよりも、文面が散乱していて

 何を言いたいのか分からないだけなのだとは思いますが。

 思ったことを推敲しないで記載してますので、非常に分かり

 難い内容になることが多々あります。お許しください・・。

 今回も長い上に乱文なので、読む気が途中で失せてしまうか

 もしれませんが、諦めてください・・。

 とお断りをしつつ、今回のコラム。

 どうぞおたのしみください。
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■住宅の本質

 さて前回『住宅の「芯」や「核」となる本質の部分がしっかり
 していれば、どのような住宅でも、長期優良住宅を凌ぐことが
 できるのではないか。と考えている。』と書いた。

 では、「住宅の本質」とは一体何なのか?

 今回は、今現在考えている「本質」を述べてみたい。

 今現在考えている内容なので、ひょっとすると数年先にはまた
 別の想いを抱いているかもしれないが、考え方が変わることは
 人間誰しもあることなのでご容赦願いたい・・。

 住宅の主たる目的は、「そこで生活を営む」ということは皆さ
 んも異論はないと思う。

 生活を営むにあたって、必要なことは「食べることである」と
 いう人もいれば、「寝ることである」又は「雨風を凌ぐことで
 ある」という人もいる。

 そう、生きて行く上で欠かせない行為を賄うのが住空間なので
 ある。そしてその最低条件は「人命を守る」ということでもあ
 る。そこに「デザイン」という概念は恐らく存在しない。設計
 をする立場の設計者が口にする内容では凡そない。と自覚して
 いる。が、事実として「生活を営む」上では、デザインという
 要素はかなり優先順位が低い。と言えるかもしれない。

 危険な発言である。少なくとも「デザイン」を仕事の主軸の一
 つに置いている者がそんな発言するか?と思われる方もおられ
 ると思う。

 誤解があるといけないので、上述の意図を書いておく。述べた
 い主旨は、「デザイン」優先であることは、間違いであるとい
 うこと。「デザイン」が不要とは決して思っていない。

 生活を営む内容は多岐に渡るとしても、大筋は昔も今もそして
 未来も変わらないと思う。人間が急に巨大化することも考えら
 れないので、人を基本としたモジュール(物差し)は変わらな
 い。だから、未来にも通用する建築は創り得ると思うし、昔の
 建築であっても現在に通用するものもある。

 生活を営むということ。家族という概念は年々変化してきてい
 るので、多人数で共同生活をするか、一人暮らしであるかは置
 いておく。

 生活を営む。その大筋は、食事をし、寝るということ。だと思
 う。

 その合間に寛いだり、お風呂に入ったり、団欒したり、トイレ
 に行ったり、趣味に没頭したり、勉強や仕事をする。料理を作
 り、掃除をし、洗濯もする。

 住宅に何を求めるかは、人其々あり千差万別である。しかし、
 大筋は変わらない。「安息」すること。これに尽きる。と思う。

 美味しい料理を食べて、活力を補給し、ぐっすり眠って、安息
 する。

 これがストレスなく出来る空間。それこそが、住宅の本質なの
 ではないかと思っている。

 デザインの優先順位は低いと述べた。が、実は本質を充足させ
 るために必要なのは、デザインだと思う。何もゴテゴテした装
 飾を施すことをデザインと言っているわけではない。物事の本
 質を追究していった末に生まれるであろう機能美や、生活動線
 を考え抜いた空間の繋がりといったものは、全てデザインの領
 域に含まれると思っている。そのデザインは別に目立つ必要は
 ない。生活をストレスなく営めることは、デザインなしでは考
 えられない。と言える。ところがそれがデザイン優先になった
 途端に、ストレスが発生してくるようにも感じている。

 ストレスを感じないデザイン。住宅の本質を担保するデザイン。
 空間の繋がりを考えたデザイン。

 実は、木造の住宅で言えば「上棟」の時に、その建物の骨組み
 が現れた時点で、そこが心地良くなるかどうかが既に決まって
 いると思う。二次元の世界であった図面が三次元に建ち上がっ
 た瞬間。自分が中に入れる実態を伴った瞬間。住宅の本質が、
 安息できるかどうかという本質が、突きつけられるような気が
 している。

 即ち、上棟時に気持ちよくない空間は、どれだけ外装や内装に
 手を施しても、それ以上には、なれない。

 逆に、上棟時に気持ちよい空間は、どんな外装や内装が施され
 ても、本質は担保されている。と思うのである。

 だからこそ、設計者は設計の時点で図面を何枚も描き、模型を
 創り、パースを作成するのだと思う。そうして、未だ見ぬ空間
 との対話を重ね、頭の中で試行錯誤を繰り返し、バランスを調
 整し、プロポーションを検討するのだと思う。

 二次元の時から、図面の中を歩き廻り、窓から外を眺め、光と
 影の移ろいを感じ、寛ぐ。恐らくどんな設計者でもやっている
 ことだと思う。だから、上棟の時には、思うような空間が建ち
 あがってくれるはずだし、そうでなければいけない。

 住宅の本質がしっかりしている。とは、つまりそういうことな
 のだと思っている。
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■編集後記

 デザインというと、何か小洒落た粋なものを連想される方が

 多いのではないでしょうか?

 でも実際は目につかないところや気付かないところまで気を

 配ることが、本当のデザインなのだと思います。

 それは図面を描いているだけでは充分とは言えません。

 実際の現場を見て、微調整や微修正を加えていって初めて

 到達できるものだと考えています。

 単に構造や性能・機能が図面通りであるかを見る/監理する

 のではなく、マクロ的にミクロ的に考えながら監理すること

 が大切だと思いつつ、図面を描き、監理をしています。

コラム | by muranishi | comments(0)

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