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10.06.23 Wednesday

ルールとマナー

■マナーと聞いて何を思い浮かべますか?

 電車に乗る際の携帯電話のマナーであったり、テーブルマナー

 であったり、車を運転する際のマナーであったり、マナーにも

 色々あると思います。

 今回はそんなマナーとデザインの関係について少し書き留めて

 おきたいと思います。

 デザインとマナー?と思われた方。期待を裏切るかもしれませ

 んが、読んでみてください。

 それではどうぞおたのしみください。
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■ルールとマナー

 今読んでいる本に興味深い話が書いてあったので、書き留めて
 おく。

 「デザインするな」という本を前回紹介したが、その本である。

 デザインに直接関係があるわけでもないのだが。

 概略は以下の通りである。

 「世の中にはルールとマナーがあります。ルールとは法律や決
 まりごと。でもこれは、時代や組織が変われば変わってしまう、
 非常にあやふやで、脆いものです。でも、マナーは不変です。
 お互いに気持ちよく社会生活していく上で、必要不可欠なもの
 です。」

 そしてこう続く。

 「時代にピタッとはまれば、何でもあり。そういうデザインは
 嫌です。時代を超えてはまるデザイン。それを目指したい。」

 かなり端折ったが、印象に残った部分だけ抽出してみた。

 ルールさえ守れば、何をやってもOK的な考えはNG。人々が
 気持ち良く感じられるものが、最後まで残るのだという意味だ
 と解釈している。

 これはあくまでも、デザイナー宮田氏の意見・考えである。が、
 建築にも通じるように思う。

 例えば、建築基準法さえ守れば、隣の日照が悪くなろうが知っ
 たこっちゃない。どぎつい色を使おうが、そんなの法律で決ま
 ってないし、建て主の自由。

 言うまでもなくこれでは、ダメ。

 可能な限りプランを工夫して、こちらの要求も満たしつつ、隣
 家の日照も確保したい。南欧風のパステルカラーが好きだけど、
 景観を考えると、落着いた色やカタチにした方が、長い目で見
 ると街並みもよくなるんじゃないか。

 恐らく、こんな感じで進めるべきかと思う。

 ルールは変わる。法律も変わる。なので、その時代のルールが
 未来永劫続くことはない。一方、マナーやモラルは約束事では
 ない分、守るも守らないも自由と言えば自由である。しかし、
 お互いに気持ちよく生活してくこと、社会に許されることが、
 デザインにとっても重要な要素だと宮田氏は述べている。

 話は飛ぶ。というか、飛ばします。

 最近、京都で水族館の建設に対して、喧々諤々あった。敷地は
 梅小路公園の一角。賛成派も居れば反対派も居る。世の中の常
 である。

 賛成派の意見は「楽しめる」「勉強になる」「地域が活性化す
 る」「経済効果を期待できる」などなど。

 反対派の意見は「海に近くもないのに不合理だ」「動物保護・
 愛護の観点から許せない」「交通渋滞が起きて迷惑」「騒音が
 迷惑」「緑がなくなる。環境破壊だ」などなど。

 結論としては、京都市が建築許可を出し、着工の運びとなった。
 ルールに則って、建築は可能。だから建てても良い。とのこと。

 これは難しい。と個人的には思う。ルール的にはOK。では、
 マナーからいけば、果たしてどうなのか?

 シンプルに考えると、その地域に「水族館の建設は不可能」と
 いう法律があれば問題ないのか?。

 答えはNOである。水族館の代わりに大型ショッピングモール
 が出来たり、マンションが出来たりすることが容易に想像でき
 るからである。

 もともと公園なのだから、公園以外のものはダメ!というのは
 暴論に思う。その土地の所有者は、反対派の個人の所有物では
 ない。それほど言うなら、自分の家を公園にしなさい。と言わ
 れたらどうだろう?極論だが。

 なので、個人的にはマナーに則って水族館を建設すれば良いの
 だと思う。渋滞にならないように駐車場を広く取るとか、逆に
 全く駐車場を造らないとか。緑を極力残して、憩いの場を提供
 するとか。魚が「海?」と思うくらい広々とした水槽にすると
 か。まあ、海に近くないのが不合理という意見自体が不合理に
 も思うので、その点は、海に近くないが故必要としか言いよう
 がないが・・。

 話を戻す。

 ルールとマナーの違い。そこを意識しつつ、デザインするとい
 うのは、簡単なようで難しい。しかし、意識から外してしまう
 のは良くない。というか、それを意識下にデザインを進めるこ
 との重要性を知らされた内容だった。心に留めておきたいと思
 う。
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■編集後記

 私達がするプレゼン(プレゼンテーション)にもマナーがある

 と思っています。図面を分かりやすくするとか、模型をキレイ

 に造るとかといったルールはありませんが、これも一つのマナ

 ーだと思います。

 何かの本にも書いてありました。プレゼンとはプレゼントであ

 る。と。相手が貰って嬉しいと思って下さるように、私達も可

 能な限り、分かりやすくキレイにプレゼン(ト)したいと思っ
  
 ています。

コラム | by muranishi | comments(0)

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