■長期優良住宅に関する法律が制定されてから、この6月で一年。
これからの日本の住宅のスタンダードになるのかもしれません。
この理念。地球環境や温暖化防止とも深くリンクしています。
申請には手続きが必要です。主に減税対象としての認定が必要
だからだと思います。
そのうちに申請手続きなどというもの自体がなくなれば、普及
は加速するのかもしれません。
ということで、今回は長期優良住宅の制度について少し。
それではどうぞおたのしみください。
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■長期優良住宅
今回は防備録的要素が強いので、あしからず・・。
長期優良住宅とはなんぞや?という視点から少し、自分なりに
分かりやすくしておきたいと思う。
この制度/法律は平成21年6月4日に施行された。いつかの
コラムでも書いた通り(書いてないかもだが)、日本の住宅の
平均寿命は30年程度。因みに企業の平均寿命は40年だそう
だ。(と、余計な豆知識を書いてみたりして・・)この寿命の
短さは、地球環境にとっても良くない。昔の住宅はもう少し長
生きだったような気もするのだが、とにかく短い。
いわゆるスクラップ&ビルドの体質をストックの体質へと移行
させようというのが、この法律の狙いだと捉えて問題ないと思
う。
では、長期優良住宅とはどういったものなのか。その認定基準
の概要によると・・。
1.劣化対策:構造の頑丈さ
2.耐震性:大地震に対して耐える
3.維持管理・更新の容易性:設備関係のメンテナンス性
4.可変性:ライフスタイル毎に間仕切りが変えられる
5.バリアフリー性:皆に優しく
6.省エネルギー性:基準のクリア
7.居住環境:良好な居住環境に配慮
8.住戸面積:一定規模以上を確保
9.維持保全計画:家の履歴を残す
以上9本の柱について、長く使える住宅性能の最低基準が謳わ
れている。
あくまでも概要なので、細かい数値基準などは割愛している。
平たく言うと、普通に100年程度は持つ構造体として、大地
震にも大きな損傷なく、便器やキッチンも簡単に変えられて、
家族構成が変わっても間仕切りを変えて対応でき、誰もに優し
く、不要な冷暖房をしなくてよく、街並みにも調和して、あま
り小さ過ぎず、どんな歴史をその家が持っているかが分かる住
宅。
なんとなくだが、分かっていただけただろうか??
では、今まで何が大きな障壁だったのか?個人的には恐らく、
4の「可変性」だと思う。古くなったから。子供が独立して家
族が少なくなったから。使いにくくなったから。時代に合わな
いから。だから「建替える」という答え。
その他の項目は殆どハードの問題で、比較的対応は簡単だと思
う。お金は掛かるかもしれないけれど。
ただ、4の可変性。一番難しい問題でもある。なにしろ家族構
成の変化、それも100年スパンでの変化なんて、その家族に
すら分からない。だから可変するんだ!と言われそうだが、可
変すれば全て解決!てなことにはならない気がする。子供が巣
立ち、ひろーい家に、ご老人が一人。間仕切り取って、広く使
おう。それで解決。・・・無理がある。広くなると冷暖房費も
余計に掛かる。掃除する範囲も増える。
時には「減築」も必要になってくるようにも思える。そして時
には「増築」も。
一番良いのは、家族が代々その家に住み続けるということだが、
転勤など日常茶飯事の現代日本には難しい。ひとところに定着
することが難しくなってきたから、代々住み続けるのが難しい
といった方が正しいかもしれない。
こう考えると、住宅だけの問題ではないような気もする。社会
システム全体が有する問題というか、課題かもしれない。家族
は去り、住宅だけが残った。的な。
と、ここまで書いてきて気付いたことがある。恐らくこの制度、
中古住宅の流通を最終目標としているのではないだろうか。そ
もそもストック社会とは、そういうことだろう。家族の思い出
の場所。とかというセンチメンタルな考えは全くなく、一つの
住宅を複数の家族が使えば良いじゃないかという考え。
それでいい。のかもしれない。
家は個人の資産ではなく、社会の資産とする考え。
寂しいような、理に適っているような・・。
うーん。ソフトの問題は難しい。
ただの防備録のつもりが、なんだか迷宮入りしそうな問題にす
りかわった感じである。
長期優良住宅。もう少し考えたい。4について。可変の仕方に
ついて。ただ間仕切りが変えられるというだけではない何か。
伸縮する住宅とか、簡単に移築出来る仕組みとか。多分、既成
概念を超えたところに、良い答えが転がっているような気がす
る。視点を変えて、発想を変えてみるということで、対処法が
見つかるかもしれない。これは、何も可変性についてだけ言え
ることではないのだけれど・・。
何か良い案が浮かんだら、また書き綴りたいと思う。
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■編集後記
最近、地球環境関係に関する話題に目がいきます。
10年後・20年後は我が身に降りかかってくることが予想
できますが、100年後・200年後は到底予想できません。
だからこそ、無責任ではいられない気がしています。
100年前・200年前の人類が、地球温暖化を進めていた
としたら、多分現在は住み難い環境に晒されていて憤慨して
いることと思います。
今現在、どんな問題をはらんでいるのか。私もその全貌を理
解してはいません。どこか対岸の火事的なところがあるのも
事実です。でもそれではいけないのでしょうね。
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