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10.05.24 Monday

祇園祭とエレクトリカルパレード

■お祭りとは何百年も受け継がれている、一つの出来事だと思い

 ます。

 最近では「出来事」そのものをデザインする人も出てきている

 ようです。そんな話しはまた次の機会に譲りますが、今回は祭

 りを通して感じたことを少し。

 え?なんでそんな結論になるの?と思われる方も多数おられる

 かもしれませんが、私にもわかりません。

 それではどうぞおたのしみください。
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■祇園祭とエレクトリカルパレード

 祇園祭にはまだ早い。

 ただ思いついたので、書いてみる。

 先日15日に京都の三大祭りの口火を切って、葵祭りが繰り広
 げられた。京都の三大祭りとは、他に祇園祭と時代祭り。

 いずれも毎年決められた月日に行なわれる(たぶん)。なので
 平日になることも多いが、今回の葵祭りは土曜日だった。

 それに先立ち、京都の各地では氏神さんのお祭りが行なわれた。
 私も娘がお稚児さんになって参加したので、参加した。付き添
 いである。

 私の氏神さんは須賀神社という神社。超マイナーな神社である。
 が、それなりに交通規制もしながらの近所一帯を練り歩く毎年
 恒例の行事である。とは言っても、参加したのは今年で2回目。
 昨年初めて参加した。娘が3歳になった時である。

 参加するまでは無関心だったが、参加してみると意外にも多く
 の人が行列に加わっていることが分かった。近所の人々も表に
 出てきて、賑やかな感じになる。「あれ?こんなに人住んでた
 っけ?」といった感じ。これだけの人が集まれば、何か/何で
 も出来るんじゃないか?と思ってしまう。

 祭りは一つのコミュニティの場であると感じた。こんなコミュ
 ニティが日常に分散していたら、街はきっともっと楽しいだろ
 うな、などと思った。何か建築的な仕掛けが、祭りのような仕
 掛けがあれば、街の風景も人との繋がり方も変わってくるよう
 な気がする。多分、考えれば可能だろうが、誰も考えない。い
 や、誰か考えている途中なのかもしれない。

 そんな祭りの行列は約2時間半かけて練り歩く。ただ歩く。ま
 あ、所々で太鼓や鈴を鳴らすことは鳴らすが、ひたすら歩く。
 でも参加している人間にとってみれば、それなりに楽しい。多
 分沿道で見ている人は、お神輿の方が活気があって楽しめるの
 だろうが。

 祭りは参加するに限る。「踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら
 踊らにゃ、そんそん!」。阿波踊りの精神である。

 で、葵祭り。近所の行列とは華やかさも規模も衣装も見物人の
 数も桁違いである。牛や馬もいる。一大イベントである。平安
 の大昔は、祭りといえば葵祭りを指したほどである。貴族の祭
 りでもある。

 が、一度見たきり敢えて見ようとも思わない。何故か?

 ただ行列を眺めるだけだからである。時代祭りも然り。衣装が
 凄いとかなんとかはあるかもしれないが、イマイチ、リピータ
 ーになる気がしない。お祭りなのだが、活気がないというかな
 んというか・・・。怒られそうだが。これもきっと歩く側にな
 れば、それなりに楽しいのかもしれない。

 そんな三大祭りの中で、私が最も楽しみにしているのが祇園祭
 り。鉾や山車を引っ張り歩くアレである。「コンコンチキチン」
 というお囃子もついている。庶民派のお祭りである。

 一番高い鉾で地上約25m。建物にすれば階高3mとしても8
 階分位はある。そんな鉾が「動く」のである。人力で。圧倒的
 な非日常。迫力。面白さ。

 辻回しという、交差点での「回転作業」も確かに見モノだが、
 細い通り(新町通り)に入っていく所が一番の見モノだと個人
 的には思っている。新町通りで入ってくるのを見てからは、や
 みつきになった。間近を通るその迫力。動く美術館とも言われ
 る、その装飾品も間近で見られる。なんと言っても、沿道の町
 屋に当たらないかどうかギリギリのラインでユックリとすり抜
 けて行くその様は、ドキドキもする。

 このワクワク感。ディズニーランドのエレクトリカルパレード
 で感じるものと似ている。

 遠くから音が聞こえ始め、かすかに姿が見え始め、徐々に近付
 いてくる感じ。そして目の前に来た時、決して期待を裏切らな
 い躍動感・パフォーマンス・美しさ。

 祇園祭りの山鉾巡行は昼間に行なわれ、エレクトリカルパレー
 ドは夜に行なわれるという違いはあるものの、「何度でも見て
 みたい」と思わせる力がどちらにもある。と個人的には感じて
 いる。

 その祇園祭山鉾巡行。今年は土曜日となる。例え平日だろうが、
 コレばかりは仕事を抜け出してでも見に行きたい行事である。

 葵祭りと祇園祭の大きな違い。単純に音の有る無しかと思う。
 そして庶民向けと貴族向けの違いもあるだろう。

 それぞれの祭りにはそれぞれの起源があり、歴史があり、伝統
 がある。なので楽しけりゃ良いというものでもないとは思うが。

 祭りがあると大勢の人が街に繰り出す。それだけ「非日常」で
 もあり、何らかの魅力を感じるからなのだと思う。

 翻ってハコモノ建築。京都の南部にある/あった「私のしごと
 館」。立派な建物である。が、人が集まらないという理由で赤
 字経営が続き、遂に閉館された。約581億円をかけて造られ
 た施設。その寿命は僅か7年に満たない程度だった。

 やはり建物はハード(箱)だけではいけない。ソフトも揃って
 ないとダメなのである。いっそキッザニアに売れば良いと安直
 なことを考えるのだが、難しいのだろう。

 祭りのように魅力のある出来事。まあ、それが毎日続けば飽き
 るのだろうが、いわば毎日食べても飽きない「ご飯/お米」の
 ような仕掛けが建物に備われば、ハコモノも活かされるのだが。

 ソフトの後追いでは限界がある。ハードとソフトの両輪が揃っ
 てこそ、長く愛される建築になるのだと思う。

 何故祭りの話しが、建築の話しになったのかは自分でも不明で
 あるが、公共建築を設計する機会があるとすれば、リピーター
 の多い建築をソフトも絡めて設計してみたい。と思う次第であ
 る。
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■編集後記

 ipadの本(電子ブック)のページをめくる感じ。

 はたまたiphoneのスライド感。

 それらも全て「デザイン」されているとのこと。

 どのくらいの反応速度が「心地良い」か。それを突き詰めた

 結果が、あれだそうです。納得です。

 いや、ipadもiphoneも持っていないばかりか、触れたことも

 ないのですが・・・。

 デザインって奥が深い。ですね。
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 専ら流行機種などには疎いですが、流行に流されないデザイン
 も大事だと考えています。そんな考えの設計事例はHPでご覧
 いただけます。

コラム | by muranishi | comments(0)

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