空間工房 一級建築事務所

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10.05.21 Friday

理想のPC

■今や(と言いますか随分前から)おサイフ機能付き携帯で電車

 も乗れる時代です。

 昔、酔っ払った先輩が、A4サイズ程のカバンを必死で電車の
 
 自動改札に入れようとしていた光景を見て唖然としましたが、

 今の時代では、カバンの中におサイフ携帯が入っていれば、そ

 れも可能なのかもしれません。

 さて今回は話題のipadを絡めたお話しを少し。

 それではどうぞおたのしみください。
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■視点-082 理想のPC

 今回は理想のパソコンについて少し。

 全然建築と関係ないじゃないか!と思わずに読み進めて下さい。
 きっと、(半ば強引に)建築のお話しに繋がります。

 まもなく日本でもiphoneの兄弟分であるipadが発売される。
 ipadで何が出来るのかは詳しく知らない。ただ、今までの本や
 雑誌の概念が変わる。というか広がる。というのが一番の魅力
 として感じている。

 普通の本であれば、そんなにipadの魅力は発揮できないかもし
 れない。ただ、雑誌になると世界が広がる。あくまで私見だが。

 以下は全て想像ですが・・。

 例えばグルメ雑誌。行きたいお店の住所をクリックすれば、現
 在地からの行き方をルート表示してくれたり(多分それくらい
 はお茶の子歳々なはずである。)メニューが写真でタッチパネ
 ルでヒョイヒョイと見れたり、お店の空間を360度パノラマ
 で見れたりする。(多分出来る。いや無理か?)

 例えば旅行雑誌。気になる旅行ツアーがあれば、その場でチケ
 ット予約が取れたりするのは当然のこと、風景が音付きで見ら
 れる。というのも出来るのだろう。

 要はワンストップサービスを可能/当然のものとしてくれるに
 違いない。

 通販にもきっと便利なのだろう。iphoneよりも画面が大きいか
 ら。

 さらには、楽譜なども配信され、楽譜を開けば音程も教えてく
 れたりするので、音楽をやる人にはもってこい。楽譜が読めな
 い人にももってこい。

 さらにipadを離れて想像を膨らませてみる。

 キーボードのないPC。まさにipadのようなカタチをしたPC。机
 に「立てて」使うのではなく、机に「置いて」使う。ノートを
 置くような感じ。CADも指で描く。3DのCGも画面内で平面に表示
 されるのではなく、画面を飛び出して本当の3Dで映し出される。
 プレゼンもそのPCを使って容易に出来る。ミーティングテーブ
 ルに於いて、皆でディスカッション出来る。キーボードはなく、
 全てタッチパネルなので、お年寄りにも優しい。「昔、ブライ
 ンドタッチって言葉あったよな~」という感じ。プリントアウ
 トも無線で飛ばす。置き場所は選ばないので、好きな場所で仕
 事も出来る。まあこれは、ノートPCなどでも既にされているが。
 (ノマド族の世界である。)

 前のコラムでも触れたが、PCがより人間に近付く感じ。感覚で
 操る感じ。

 などと想像を膨らませてみたものの、そんな話しを先日妻に披
 露したところ、「iphoneをPC化する計画が進められているって
 ニュースでやってたよ」とのこと。・・・撃沈である。

 現実は(私の)想像を超えて、はるか先を走っていた。

 ならば、思い切り想像をたくましくした方が良い。と思った次
 第である。

 PCは、考えてみれば道具である。何でも出来る玉手箱ではない。
 何某かのソフト/アプリケーションがあって初めて役に立ち始
 める。その操作性が人間の感覚に近ければ、快適度合いを増す。
 今はまだその発展途上なのかもしれない。

 PCが社会に本格的に普及し始めたのは、この20年位のことだ
 と思う。まだ完成形ではないのは当然かもしれない。

 さて、建築のお話し。である。

 建築が社会に普及し始めて、有に2000年は越えるだろう。
 ハード(箱)のあり方すら「正解」などまだ無いに等しい。で
 は、建築のソフトとは何か。それは用途であったり、住宅であ
 れば住む人そのものであったりすると思う。快適度合いを増す
 には、熱環境であったり、構造強度であったり、音環境であっ
 たり、光だったり風だったり視界だったりする。そして建築の
 持つ宿命でもあるが、PCのように同じものを大量生産して、全
 ての人に同じ快適性をもたらすというのは、結構無理な話しだ
 ったりする。敷地の条件が一つずつ異なるので。

 20年のPCの進歩と2000年の建築の進歩を比べたとき、圧
 倒的に建築はその進歩度合いという観点からすると劣っている
 のかもしれない。想像が足りないのか、何が足りないのかは不
 明である。PCの進歩がなければ、不可能な構造すらある。建築
 が先か、PCが先か。鶏が先か、卵が先か。

 などと思いつつ、建築のソフトとハードについてもまた改めて
 考えてみたいと思っている次第である。建築の快適度合いを飛
 躍的に高めるのは、実はハードだけではなく、ソフトも表裏一
 体として考える必要があるのではないか。

 と想像を膨らませつつ、そのソフトとは何かを又の機会に探っ
 ていきたい。
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■編集後記

 私はipadは勿論のことiphoneすら持っていません。ばかりでは

 なく、ワンセグもおサイフも持っていません。

 まあ、iphoneにもワンセグやおサイフ機能は付いていないらし

 いですが。

 といいますか、携帯会社から再三お知らせが来ます。「あなた

 の携帯は地デジが始まる頃、使えなくなります。」と。そう、

 地デジの周波数領域を使っている「むか~し」の携帯なのです。

 別に不便は感じません。多分それは今の携帯の「便利さ」を知

 らないからだとは思います。

 「便利さ」を知ると、人は「不便さ」には戻れないのかもしれ

 ません。不便さの中にも快適性はあると思うのですが・・。

コラム | by muranishi | comments(0)

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