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10.05.12 Wednesday

守破離

■「高校生にも分かる資本主義」という本が陳列されているのを

 先日、本屋さんで見かけました。

 どんな内容なのだろう?と興味津々でしたが、その時はお目当

 ての本がありましたので、手に取ることもなく、別のコーナー

 に一直線でした。

 次に本屋さんに行くときは、手に取ってみようと思っています。

 さて、資本主義のなんたるかを知らないままに今回のコラムで
 
 す。

 それではどうぞおたのしみください。
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■守破離

 「守破離(しゅはり)」。千利休の言葉として知られている。
 茶道の心得でもあり、時に武道の心得としても引用される。

 長年の間、「温故知新」と同義語かと思っていたが、違った。

 温故知新とは論語の一節。孔子の説いた言葉である。意味は書
 くまでもない。歴史・思想・古典など昔のことをよく調べ研究
 し、そこから新しい知識や見解を得ること。書くまでもないが、
 敢えて書いてみた。

 一方、守破離。

 守とは、指導者の教えを守り、行動を見習って自分のモノにし
 ていくという感じ。

 破とは、指導者の教えを自分独自の考えによって更新していく
 という感じ。

 離とは、指導者の教えから離れて、独自性を強めるという感じ。

 実はこの一歩前に「習」がつく(らしい)。

 習とは、何を目的とするか。何故その方法を取るか。を習う感
 じ。

 世の中には色んな言葉がある。そして自分の解釈が間違ってい
 ることも多々ある。

 その守破離。何故いきなりそんな言葉の解説を書いているのか?
 理由は至って単純なのである。

 自宅近くに「SHUHARI」というイタリアンレストランが
 あった。ピッツアの美味しいお店だった。「だった」と書いた
 のはこの前、店の前を通ったら別の店に変わっていたからであ
 る。(「ピッツア」と書いたのは、カリっとした感じの薄い生
 地だったからである・・。余計な解説でも、ある。)

 「SHUHARI」って変わった名前だなと思って、むかーし
 に調べたことがある。で、再度気になって調べてみたところ、
 記憶の中でいつの間にか「温故知新」的意味合いにすりかわっ
 ていたことが判明した。

 まあ、そんなことはどっちでも良いのだが。

 このお店があった場所。河原町の北の方に位置する。普通、河
 原町と言えば、三条~四条辺りの繁華街を指す。が、そんな繁
 華街から少し北。丸太町通り周辺である。三条~四条辺りは繁
 華街だけあって建物も高く(とは言っても8階建て程度だが。)
 、色々な商業店舗がヒシメイテいる。一方、丸太町。京町屋も
 まだそこそこ残る地域である。交通の便が良いとは言えない場
 所なので、ここまで足を伸ばす人は少ない。その割には飲食店
 が多い。そんな地域である。

 そしてこの界隈の特徴は、京町屋を改装・リノベした店舗が割
 合多いということ。シュハリもその一つだった。旧い町屋でイ
 タリアンを食す。古いものと新しいものが一体となった感じ。
 意味合いからいけば、守破離という名前が一致しているような
 いないような・・微妙な感じではある。どっちかと言えば温故
 知新か。いや、ちがうか。まあ、ニュアンス的には古い空間で
 新しいものを食べる・・。いや、やっぱりちがうか。イタリア
 ンが新しいものでもない気がするので・・。

 まあ、そんなこともどっちでもよい。(アッサリ)

 シュハリだけでなく、他にも美容院や喫茶店・日本料理店など
 も町屋をリノベしている。中(お店)の入れ替わりは激しいと
 いえば激しいが、箱(建物)は壊されることなく使われている。
 良いことである。と、個人的には思っている。

 最近、京町屋の保存をアメリカのファンドが助成するという話
 題が新聞に載っていた。この試みは、歴史的遺産価値があるも
 のをファンドの力で守るというもの。日本では京町屋が2番目
 の例となるらしい。因みに一番目は広島のなんちゃらという町
 だった。(うわっ!適当!)

 京町屋が海外資本に認められたか。と嬉しく思う反面、遂に海
 外ファンドに面倒を見てもらわなければいけなくなったのか。
 と寂しくもあり。外資に侵食されるのか。という危機感もあり。
 複雑な想いである。

 日本人。もっと言えば京都人がなんとかすべき問題だった。少
 なくとも京都には任天堂・京セラ・ワコール・宝酒造・島津製
 作所・堀場製作所・村田製作所・オムロン・ローム・日本電産
 などといった世界に名だたる企業がヒシメイテいる。少し力を
 合わせれば、外資が手助けをする前になんとかなったような気
 もしないでもない。勝手な意見だが。

 そういうお前は何かしたのか?と言われれば、グウの音も出な
 い。しかし、京町屋を活かす/残す取組みには少しではあるが、
 顔を出したりしている。実は、京町屋ファンドもある。が、資
 本が集まらないのが実情である。バナナファンドもある。バナ
 ナ一房を買うと、京町屋ファンドにいくらか寄付されるという
 仕組み。しかし世間的広がりは薄い。

 その時々で話題にはなる。今回の外資ファンドのように。でも
 持続性/即効性がどれだけあるかは未知である。

 利益度返しで考えないと、多分続かない。でも誰も利益度返し
 でやろうとは思わない。

 そこに何かよい仕掛けを考えれば良いのだが。と思いつつ、何
 も行動に起こしていない私である。

 伝統を守り、受け継ぐ。それは、守破離の教えでもあり、温故
 知新の考えでもあると思う。時代にそぐわないものは壊してし
 まえ。ではなく、時代にそぐわない箇所を更新して使いやすく
 する。若しくは時代のニーズに合った処理を施す。それが必要
 なのではないだろうか。

 資本の力で壊す/新しいものに入替える。のではなく、資本の
 力で保存する/受け継いでいく。そんな社会が、今後あるべき
 社会の姿・日本の姿なのかもしれない。

 一設計者としては、新しいものを設計したい。それは、単純に
 思う。でも、古いものも残したい。なぜなら、都市の記憶だか
 ら。

 記憶喪失の都市には魅力がない。
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■編集後記

 書きたいことは山ほどありますが、少しづつ地道に書いていこ

 うと思っています。これが本業ではありませんので・・。

 守破離についても然り。今回はトンだ方向へ話しが行ってしま

 いましたが、守破離はなにも茶道や武道に限った話しではない

 と思っています。

 自分が今どこにいるのか。守か破か離か。はたまた習か。いや
 
 せめて「破」以降だと思い込みたいところです・・。

コラム | by muranishi | comments(2)

コメント / トラックバック2件

  1. 相方の嫁 より:

    広島の・・
    なんていう町なんだろ。
    気になる。

  2. muranishi より:

    広島の「鞆の浦(とものうら)」です。
    ポニョの故郷。というか舞台となった町。
    まあ、ポニョ/宮崎駿さんのおかげかな?という気もしています。

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