■今や世界的に有名となった検索サイト「Google:グーグル」
商品に限らず、あらゆる事象や物には名前が付けられています。
実はこの「Google」。本当は「Googol:グーゴル」としたかっ
たらしいです。
「Googol」とは数学用語で「10の100乗」を意味します。想像を
絶する数値。溢れる情報の数々を検索できるという意味にしたか
ったところ、登録の際にスペルを誤って登記したという話しです。
信じられませんが、現在ではグーグルと言えば誰もが知っている
検索サイトになっています。
さて、今回のコラムは・・・・・?
どうぞおたのしみください。
_____________________________
■決断
今回は建築とは全く関係のない私的なお話し。
劉備軍の策士として知られる人物。三国志にもその名を馳せる
「諸葛孔明」。
特に三国志ファンでもないが、その名は私も知っている。彼の
生活は質素だったらしく、公平無私をモットーとしていたと伝
えられる。孔明に込められたのは、「世の中を明るく照らす」
といった意味らしい。
ハードルを上げている。
何の話しか?
そう。先日誕生した我が子の命名の話しである。
名前が決まった。「孔明(こうめい)」である。
その他候補として「一茶(いっさ)」もあった。
こちらは、小林一茶を想起してしまうが・・。この名前に親と
して込めたい思いは「一つの道を究める。」ということ。自分
で自分の生きる道を見つけて、それを究めて欲しい。という思
いである。
翻って「孔明」。思いは同じである。諸葛孔明は、自分が正し
いと思う道を策士という立場でまっとうした人物であると思っ
ている。そこには、明晰な頭脳や先を読む力、如何に少ない軍
勢で大きな成果を挙げるかなど類稀な才能があったとは思う。
我が子にそこまで大きな期待はしていないし、するつもりもな
い。我が道を行ってくれればよい。
大切なのは「我が道」を自分の手で足で眼でしっかりと捉えて
くれることである。
自分の手で「孔(あな)」を開け。自分の力で、その道を「明
るく」照らし出して、人生を歩んで行って欲しい。
そんな意味を込めて。「孔明」。である。
親は子供過大な期待をする。が、「子供は親の思うようには育
たず、親のするように育つ。」何かの育児書に書いてあった。
自分自身に言い聞かせたい。
決断までの時間は、出産から二週間。出生届けを提出する期限
である。一生共にする名前。親から子供に贈る、最初の贈り物
である。
折角だから、建築の話しと絡めておく。
建築も決断の連続である。それは、設計者にとってもお施主様
にとってもそうである。
プラン・動線・外観に始まり、建具の形状や開き勝手、仕上げ
の色や質感・設備機器の選択から照明器具の形状に至るまで、
息つく暇のないほどに決断を迫られる。
設計者である私達は、ベストと思える提案をし、お施主様と共
に決断を下していく。そこには、明確な答えはない。あるのは、
イマジネーション。イメージの世界である。虚が実になり、現
実世界に姿を現す。色のない世界に色を付けていく。
建ち上がった時にイマジネーションの世界が結実していく感じ。
一挙に姿を現すことはなく、じわりじわりとベールを脱いでい
く感じ。図面という二次元の世界から、現実という三次元の世
界に置き換えられていく感じ。
決断は現場が始まってからも、促される作業でもある。
そしてその決断・選択の結果こそが、建築なのである。建築は
竣工を迎える時がゴールではなく、スタートであると思う。使
いこんでいくうちに、色々な支障も出てくる。しかし、それら
も手を加えれば、修正も可能である。
スタート地点に立つまでは、長い長い道のりに思える時もある。
しかし言うまでもなく、そこからの時間の方が遥かに長い。そ
の遥かに長い時間を通して、愛着を持っていただけるような建
築をこれからも手掛けて行きたい。
これが、一設計者としての想いである。
_____________________________
■編集後記
間違えないように出生届けを出したいと思います。
さて、もう一つ小ネタを・・。
レトルトカレーで有名な「ククレカレー」。これもまた命名に
は由来があります。「クックレス(調理不要)カレー」を文字
って「ククレカレー」だそうです。
分かってみると納得です。チラッと見た本に書いてありました。
商品名にも色々と開発者達の想いが込められているようです。
td> |