■時代をリードする。そのためには、裏で様々なマーケティング
が成されているのだと思います。
マーケティングを駆使して、時代が求めているものを提供して
いく。若しくは潜在ニーズを掘り起こして新たなマーケットを
獲得していく。大企業にはそんな取組みができる環境が整って
いるのだと思います。
建築と全く関係ない話じゃないか?と思われる方もおられるか
とは思いますが、私もそう思います。
そんな中で最近気になったニュースから少し。
それではどうぞおたのしみください。
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■黒マック
つい先日、東京で「黒マック」なるものが登場したというニュ
ースがあった。
マックとはマクドナルドのこと。ファーストフード店である。
因みに関西人は「マック」とは呼ばない。「マクド」と呼ぶ。
しかも「マクド↓」とイントネーションは下がる。
マクドナルドのことを関西で「マック」と呼ぶと白い眼で見ら
れる(たぶん)。あくまでも「マクド↓」なのである。
逆に関東で「マクド↓」というと「?」な顔で見られる。(こ
れは実体験に基づいている)
さて、マクドナルドと言えば「赤地+黄色M」である。それが
黒マックは「黒地+黄色M」。加えてインテリアも黒基調にし
ている。らしい。高級感や重厚感を持たせて、赤マックと同じ
品物を割高で売っていく路線だそうだ。いわば空間に付加価値
をつけているといったところ。座席自体もユッタリとしている。
らしい。
確かに、高級車販売店のレクサスや高級装飾雑貨?のルイヴィ
トンなどは黒基調にした店舗が多い。黒=高級感・ステータス
を想起させるのかもしれない。
ただ、食欲をソソル色として一般的に分析されているのは「赤」
や「黄色」「オレンジ」などの暖色系である。中華料理店や牛
丼店の看板を見れば一目瞭然である。ケンタッキーやモスバー
ガー・ミスタードーナツなども同様だと思う。
そこを敢えて「黒」にする戦略が裏にはあるのだと思う。黒マ
ックは既に海外で先行してあるのだから、勝算もあるのだろう。
まあ勝算のあるなしは、経済学者でも経営学者でもないので分
からない。というか、あまり興味はない。
ファーストフード店からの脱却を狙っての「黒」だとした場合、
「黒」の持つ意味に興味があるのである。
黒マックが日本発であるのならば、何か分からなくもない。黒
の食材が多くあるからである。黒ゴマ・海苔・ひじき・蕎麦・
昆布など「和」的な食材には黒が多く存在する。食欲をそそる
色としては、日本の場合「黒」も範疇に入ってくるように思う。
が、海外で黒食材というと、知識がないせいか「イカ墨パスタ」
位しか思いつかない。
しかし実際は、黒マックは海外発。インテリア的観点から選出
された色であることが推測される。
私達も黒を基調とした住宅や店舗をご提案することがある。そ
こには「落着き」「上品さ」「寛ぎ」という意味合いも込めた
りする。それは、内観・外観に関わらずである。
黒を良く目にする製品として思いつくのは、昔の電話。TV。
PC。など。なぜそれらに黒が多いかはあまり分からないが、
恐らく製造過程からいくと「黒」になってしまうのだと思う。
全ては元を辿ればプラスチック・石油製品なので。しかし最近
では全てに色がつき始めている。携帯電話も出始めは黒しかな
かったが、今や色とりどり。TVにしても画面枠は白や赤まで
登場している。
逆に「白家電」と呼ばれる冷蔵庫や洗濯機・レンジなども白以
外の選択肢が増えている。
モノに色を付けること。これは単純であるが、技術的に長年難
しかったのか要求がなかったのかは知らないが、色がつくこと
自体あまりなかった。しかし、色が付き始めた世界に逆行する
かのような黒マック。食産業で使われる/好まれる暖色を抑え
ての黒。
今後の展開が楽しみである。
因みに京都のマクドナルドの多くは、赤マックでも黒マックで
もない赤茶マック。景観に配慮し、トーンを抑えた赤なのであ
る。果たして、黒マックが京都に登場可能かどうかは怪しい。
「黒」が制限されているから。黒を使うなら、焼杉など自然の
黒とされている地域もある。グレーであれば、大概は許可が出
る。なので、黒マックの京都バージョンはグレーマック若しく
は焼杉マックなのだろうか?と勝手な想像をしている。
今までの既成概念に捉われないこと。それが創造であると思う。
黒マックに創造を見たと言えば言いすぎかもしれないが、「面
白いな」と思ってしまったので、書いておいた。
まさか他のファーストフード店も真似するとは思わないが、も
し世の中に黒が溢れ出した時、次は何色マックが登場するのだ
ろう?
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■編集後記
やはり色には意味があるのだと思います。
黒であれ、白であれ、それは変わらない事実です。
マクドナルドが何色でも構わないのですが、今までの常識を
打破するという取組みは、大企業・弱小企業に関わらず、必要
な要素かな、と思っています。
今までの常識を打破するとは、何も奇抜なことをするという事
ではありません。今までの常識が本当に正常かどうかを見定め
る努力をするということに他ならないと考えています。
常識の反対語は(たぶん)非常識ですが、そうではなく「創造」
と捉えることが必要だと思っています。
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