■多くの日本人は多宗教者とされています。

　その一例として有名なのは、年末年始の出来事。

　クリスマスにはクリスチャン。

　大晦日には仏教徒。

　そしてお正月には神教徒。

　お見事。

　かく言う私も、多宗教者。

　上の行事は全てこなしました。（こなしたという言い方には
　問題あるかもしれませんが・・。）

　その中でも、神頼み。受験の神様から安産の神様、交通の神様
　に至るまで、日本には八百万の神が居られます。

　建築も然り。地鎮祭には、神様をお呼びします。

　今回は「神のみぞ知る」というお題。

　どうぞおたのしみください。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

■神のみぞ知る

　年明けである。

　明けてから一週間ではあるが、めでたい。

　私事であるが、つい先日の４日に第二子にして長男がこの世に
　産まれ出た。時間はＮＨＫの「シャキーン」という番組が終わ
　って間もなくしてからであった。（マニアックですみません・）

　めでたい。

　予定日を丸二週間過ぎた誕生。予定日は１２月２１日だった。
　終い弘法の日である。が、音沙汰なし。これはひょっとして、

　クリスマスイブか？
　クリスマスか？？
　大晦日？？？
　え？！もしかして、お正月？！
　と、イベント目白押しの年末年始を見事にことごとく素通りし
　ての、４日。

　それでも、めでたい。

　これだけのイベントに何一つ絡むことはなかったが、無事に産
　まれてきてくれただけで、実は本望である。

　でも何か絡んでないのか？これだけ色々あったのに、折角だか
　ら何かに絡んでないのか？と諦めの悪い父親は思って調べてみ
　たところ、あった。
　
　ニュートンの誕生日と一緒。今までニュートンなんて気にした
　こともなかったが、かの有名な万有引力を発見したニュートン
　君と一緒なのである。急に親しみが湧いてきた。君付けである。

　これは、我が子も何か発見してくれるかもしれない。
　大きくなったら、目の前でリンゴでも落としてみようか？と思
　っている。

　ある意味、めでたい。親ばかである。ばか親ではない。

　そして、ただただ妻に感謝である。

　産まれる日や時間は、いくら科学が発達しても、神のみぞ知る
　ところなのだと思った。人間の力の及ばないところである。が、
　人間の力でしか産めないことも分かった。

　住宅も。（すごく無理がないか？）

　無理は通せば、道理が引っ込んでくれるので、続ける。

　手短かに続ける。

　私達は、日頃「こんな空間があったら良いな」とか「こんな空
　間だったら長く居たいな」といったことを考えている。そして
　そんなアイデアストックを持っている。

　しかしそれらが、いつ実現されるかは分からない。これもまた
　神のみぞ知る、である。なぜなら、設計とはお施主様との協働
　作業だと思っているからである。その敷地。その環境。そのご
　要望。その時の様々な条件によって、実現可能なアイデアとそ
　うでないものとがある。そして、例え実現可能だとしても、効
　果的でない場合は提案自体を避ける。

　それは「実験」ではないからである。そこに何十年と生活され
　るからである。

　でも、これは実現すべきシチュエーションだ！と思ったときは
　迷いなく提案する。採用の可否はお施主様の手に委ねられるの
　だが。

　どの提案がどのタイミングでどのお施主様によって実現され、
　この世に生まれ出るのか。楽しみである。今はまだ、神のみぞ
　知るところである。しかしこれもまた、生み出すのは、私達人
　間の力であることは、言うまでもない。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

■編集後記

　産まれた我が子の行く末もまた、神のみぞ・・です。

　勿論、躾や道徳は教えなければいけませんが。。

　因みに名前はまだない。「我輩は猫である」状態です。
　　
　いつかまた、名前が付きましたら強引に、無理くりにでも

　このコラムに絡める可能性は大ですが、「家創りのヒント」

　にはならない可能性も大です。

　空間のアイデアと名付けのアイデア。どちらも大切にしつつ

　また次回、お会いしましょう。