空間工房 一級建築事務所

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09.12.18 Friday

ようこそ先輩

■最近は年末・年の瀬ということもあって、忘年会に参加する

 機会が増えています。

 そろそろこの一年を総括する時期に来ているのかもしれません。

 今年はどんな年だったか?

 来年はどんな年にしたいか?

 皆さんも自問自答されているのではないでしょうか?

 さて、今回はそんな前置きとは全く関係ない話しで恐縮ですが

 ご飯を食べながら読むのは、よくないと思います。

 いや、道徳上の話しではなく、ストレートな意味で。ですが。

 読まれます?

 読まれません?
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■ようこそ先輩

 この前、TVを観ていた。
 NHKの「ようこそ先輩~課外授業~」というやつである。

 説明は不要かもしれないが、念の為。

 各界で有名な人が、母校に赴き、その活躍を遂げている世界
 (業界)の視点から、後輩達相手に授業をする。というもので
 ある。実に面白いと思っている。欠かさず観ているというわけ
 でもないのだが。。

 で、先日観たのは現役医師で文学作家の有名人の回。

 医師の視点から本を書き、有名になったという人。

 授業は「人体の中身」の解説から始まる。そして病院の「解剖
 室」で本物の内臓を見せ、最後に「臓器の気持ち」という題目
 で文章を書かせていた。「医学」と「国語」の融合授業である。

 この歳になって産まれて初めて人間の「臓器」を画面を通して
 ではあるが、見た。それは決してグロテスクでホラーなもので
 はなく(日曜の朝の番組なので、当然と言えば当然だが)、意
 外にも普通に見れた。

 「えっ?!心臓ってそんなに小さいの?」とか。「うわっ!肝
 臓って、前日の忘年会で食べたアンキモとそっくり」とか。
 まぁ、多少(かなり)不謹慎な感想だと思うが、お許し頂きた
 い。

 そう、自分の中にも確かに存在しているはずなのに、見たこと
 はない。(当たり前だ)。その大きさなり、機能なりを意識し
 たこともない。でも、そんな当人の知らないところで休まず働
 いているという事実。子供たちも相当にカルチャーショックを
 受けていた。勿論私も、である。

 で、ここからが建築の話し。「ずっと住んでるけど、床下がど
 うなっているか知らない」とか。「どんな骨組みになっている
 か、よく知らない」とか。思われる方もいるのでは?と観てい
 て思った。

 まぁ、知らなくても困ることは殆どないのだけれど。

 内臓は、まぁ言えば神が創った。とか。細胞が集まって出来て
 いる。とか。兎に角人智の域を超えたところで創られていると
 思う。

 でも建物は、明らかに「人」が創っている。設計者なり施工者
 はその建物の内臓とでも言うべきものが「何か」を知っている
 し、どう創られるかも知っている。

 私達は、現場が始まると、可能な限りお施主様にその経過を見
 ていただく。それは、どう創られ、どうなっているのかを確認
 していただくことで、余計な不安や疑問を取り除くことが出来
 るからである。

 自分の住まいがどんな内臓を有しているのかを知る機会は、建
 てていく過程を見るのが最も確実で間違いがない。

 百聞は一見に如かず。である。と思っている。

 ただ、その施工が間違っていないか、問題ないかを確認するの
 は設計者(監理者)の役割であるのだけれど。

 医師が内臓を把握しているように、設計者もうわべの仕上がり
 だけに捉われず、中身を重視しているということをお伝えした
 かっただけである。それが、設計者の一つの重要な役割でもあ
 る。
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■編集後記

 木造には大きく2通りの壁の作り方があります。

 大壁工法と真壁工法。

 大壁工法とは、柱をボードなどで隠してしまうやり方。

 真壁工法とは、柱をむき出しにするやり方。

 真壁工法の場合、仕上がっても構造躯体が直接目視出来る

 という安心感があります。昔はこれが主流でした。

 最近は、スッキリ見せるという意味でも大壁工法が主流です。

 一長一短ありますが、真壁工法では隠される柱部材の確認が

 大切だと思います。

コラム | by muranishi | comments(0)

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