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09.12.14 Monday

想像力>経験でありたい

■マンガやSFの世界は、現実の世界の想像を超えています。

 でも、決して非現実なことばかりが描かれているわけでもない

 ようです。

 例えば「鉄腕アトム」。

 当時は「未来の世界」として描かれていたことが現実になって

 いる例もあります。

 「高速道路」や「携帯電話」など。当時はまだ現実世界には

 存在しなかったアイテムが散りばめられているそうです。

 想像力が現実世界を引っ張り、実現していく原動力となること

 は重要な事実です。「想像」を超えないものは造れないのです

 から。

 そんな感じで、今回のコラム。どうぞおたのしみください。

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■想像力>経験でありたい

 何事にも「経験」は大事である。設計という行為に於いても然
 りである。防水の納まりや断熱の方法に始まり、構造形態(木
 造・RC造・鉄骨造・混構造など)によっても、納め方が変わ
 ってくる。図面を描く時も経験の有る無しで、そのスピードは
 明らかに変わってくる。過去に経験した内容に裏打ちされて、
 人間は成長する。経験はなにものにも変えがたい「財産」であ
 り、「武器」でもある。

 ただ、「経験」の域を出ることも大事だと考えている。過去に
 設計した経験だけに捉われていては、先に進めないのも事実で
 ある。そして、「経験」という名の「常識」に捉われるのは、
 もっと悲惨である。なぜなら、設計には「創造」するという根
 本的な力が必要なのだから。

 創造とは奇抜さや斬新さのみを指すのではない。先人達の知恵
 や工夫を取り入れることもまた創造であったりする。温故知新
 である。

 創造には「想像力」が欠かせない。オヤジギャグである。いや、
 違う。

 今までの経験に則った上での「想像力」。どこかで見た空間が、
 ノスタルジックな想いを抱かせ、心地良い気分にさせるという
 のも時には大事かもしれない。でも、その「どこかで見た空間」
 は最初から、この地球上に存在していたわけではなく、どこか
 の誰かが生み出した空間に過ぎない。どこかの誰かが、最初に
 想像し、創造し、定着した空間を、他の誰かが共感し、引継ぎ
 又は模倣し、さらに定着したという流れ。それを考えた時、最
 初の誰かはやはり凄いと思う。

 新築の建物を考え始めるとき、それは白紙からのスタートとな
 る。完成形はまだ誰も見得ない、未知の世界である。何某かの
 イメージがぼんやりと浮かんでは消え、浮かんでは消えという、
 焦点を結ばない幻影との交信であると思う。

 「閃き」という瞬間は、そう簡単にやってこない。そして永遠
 にやってこない場合もあるかもしれない。でも設計者は、一瞬
 の「閃き」に向かって、黙々とスケッチを描く。想像する。模
 型を造る。日頃考えていたイメージ/頭の引き出しをひっくり
 返す。探す。探る。

 試行錯誤の大売出し状態。

 瞑想し、迷走する。オヤジギャグである。いや、違う。

 その先に現れる、未知との遭遇。誰も見たことがない空間との
 出会いを求めてさまよう時に「想像力」は欠かせないアンテナ
 となる。そしてその空間が、誰かの原風景となれば設計者にと
 って、こんなに嬉しいことはない。その誰かが、お施主様やお
 施主さまのお子様であることを願いたい。

 設計事務所を立ち上げたとき、HPに一つの想い=設立主旨を
 書いた。以下はその全文である。

 「気持ち良い空間。心地よい空間。落着きある空間。
 ・・・非常に抽象的ですが、人々の“心の琴線”に触れるよう
 な空間を創造していきたいという想いから当工房を設立致しま
 した。

 建物を建てようとする人々が心に持つ心象風景=イメージ。
 それは憧れであったり、懐古であったり、何らかの実体験によ
 るところが多いと思います。私達はそのイメージを反映させ、
 具現化していく作業を進める良きパートナーになりたいと考え
 ます。そして最終的には、新たな心象風景の対象として、創造
 された空間に愛着を持って頂ければ幸いです。」

 これは10年近く前に書いた文章である。未だにその想いは変
 わっていないし、一言も変えていない。

 具現化していく作業を進める時に「想像力」は欠かせないので
 ある。

 「想像力」>「経験」であり続けることで、新たな心象風景・
 心の原風景を創り続けていきたい。

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■編集後記

 広大な宇宙の果て、又は宇宙の外側はどうなっているか?

 皆さんは、どうなっていると思われますか?

 かつて、人間は地球の果てに色々な想像を働かせました。

 地球は水平な板/地面の上に載っていて、巨大な象が支えて

 いるとされる時代もありました。

 でも実際には地球は丸かった。

 宇宙の果てに何があるかという「想像力」。

 その答えが、その人の「想像力」の限界だそうです。

 私?私の想像ですか?

 皆さんのご想像におまかせします。

コラム | by muranishi | comments(0)

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