今年2009年2月に日本建築学会は建築工事標準仕様書;JASS5鉄筋コンクリート工事を改訂した。
ここで、防備録としてコンクリート強度の求め方を書いておく。
コンクリートの強度は、言うまでもなく建物の耐久性にダイレクトに影響を与える。故に非常に重要な内容である。
さて、コンクリート強度には様々な呼び名がある。ここでは、実際に施工する際にプラントに発注する「呼び強度」の求め方についてまとめておくことにする。
まず。「品質基準強度(Fq)」の求め方について。
Fq=max(Fc,Fd)
Fc;設計基準強度(構造計算をする上で採用される強度)
Fd;耐久設計基準強度(目標とする耐久年数を確保する強度)
で、Fdには4種類あって
1.短期=18N/mm2(30年耐久)
2.標準=24N/mm2(65年耐久)
3.長期=30N/mm2(100年耐久)
4.超長期=36N/mm2(100年以上)
最近、200年住宅という謳い文句で、国が「スクラップ&ビルド」から「ストック社会へ」と進めている政策が「超長期」。一般的には「標準」が今のところ標準だと認識している。
つまり、例えばFc=21、Fd=24とした場合、Fqは24となる。
ここで得られた強度数値に「構造体強度」(旧JASSでいうところの「温度補正値」)を追加する。
コンクリートは気温によって得られるであろう強度が変わってくるからだ。気温が低い時は、打設強度を高めに設定しておく必要がある。
で、「構造体強度」は
外気温が8℃以上の場合+3N/mm2
外気温が0~8℃の場合+6N/mm2
する必要がある。
よって、コンクリートプラントに発注する時には、最低でも上で得られたFq=24に+3して、「呼び強度」=27とする必要がある。冬場は24+6=30となる。
建物の耐久性を確保するには、コンクリート強度だけじゃなく、鉄筋の「かぶり厚」(型枠と鉄筋のあき寸法)も関係してくるので、チェックすべき項目は多い。
鉄筋コンクリート造(いわゆるRC造)に限らず、木造の基礎でもコンクリートは使うわけだから、重要なのである。
ちなみに、新JASSを採用するか旧JASSを採用するかは、構造設計者の判断に拠るところが大きい。旧JASSの場合、温度補正値が3段階に分かれていて、気温によっては加算する必要はない。但し、Fqを求める時点で、+3N/mm2は免れないので、どっちもどっちのような気がする。
以上、ひょっとしたら自分しか分からない記述かもしれない。
あとから読んだら、自分でも分からない記述かもしれない。。
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素晴らしい解説で、漸く分かりました。
本当にありがたうございました。