空間工房 一級建築事務所

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14.04.02 Wednesday

悪魔の証明

■宇宙人はいない。と誰も証明することはできない。故に宇宙人

は居る。これを悪魔の証明と呼ぶ。

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■悪魔の証明

既にニュースソースが古いが、お許しいただきたい。

STAP細胞は実は存在しないんじゃないか?というニュース。

一連の報道を見るにつけ、それは誰も証明できないのでは?

と思っていた人も多いと思う。存在しないことは証明できない

のだから存在する。というのは悪魔の証明になるので、結局

は存在を示す以外に、存在を証明する方法はない。

 

誰もが望んでいるのは、STAP細胞が作れること。誰もが手順

を追えば、専門知識は必要だとしても再現できること。それ以

外にない。

 

レベルは違うが、建築で言えば設計図通りにつくれば建物が

出来る。ということと似ているように思う。出来ないのであれば

設計図が悪い。仮に設計図を修正しても建物が出来ないの

であれば、何が悪いのか?建築で考え得る理由を挙げると

するなら、この世に存在しない材料を使っている。重力を無

視している。といった絶対的理由の他に、敷地からはみ出し

ている。基準法違反。コストが合わない。などといったかなり

きついレベルで努力不足であるという理由が存在する。もし

努力不足が理由でSTAP細胞が再現できないのなら、なん

とか頑張れば先は見えてくる。着想は間違っていない。しか

し、絶対的理由で再現できないのなら着想が合っていても、

永遠に再現できない。

 

恐らくコトはそれほど単純な問題ではないと思う。地動説時

代に天動説を説いて廻るほどの出来事なのかもしれない。

個人的には努力不足が理由であって欲しい。

 

さて、建築の話。考えてみれば私たち設計者は建物が出

来るあがるまでは、常に悪魔の証明に頼っている。設計した

建物は出来上がるまで存在し得ない。設計図通りできるのか?

と問われると、設計図通りにできないとは誰も言えないのだか

ら、できる。などといったやり取りはかつて一度もしたことはな

いのだが、証明するのは確かに厄介である。というか、証明で

きないのが実際のところである。が、実は世の中にはそんな類

のお仕事は山ほどある。お医者さんの手術にしても然り。植木

の剪定にしても然り。子供の教育だって、結果は数年、数十年

先にしか現れない。(と、先日の小学校の同窓会で恩師が仰っ

ていた。)

 

そんな証明不可能なことを生業としているからこそ、設計図が

大事だし、着想が命なのだと思っている。新しいものを創るの

に前例に捉われていてはいけない。しかし、その新しいものが

やがて前例になることも忘れてはいけない。

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■編集後記

STAP細胞。存在すると思われますか?私は存在すると思って

います。ただ、設計図の書き換えは必要なのだと思います。科

学の分野はド素人ですが。。思い切り持ち上げられて、思い切

りおとしめられたのはOさんではありません。その存在を待ち望

んでいた難病の方々なのだということを忘れずにいたいと思い

ます。STAPはきっと存在します。

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できるかな?よりも

早くできて!と思われる設計を志したい

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コラム | by muranishi | comments(0)

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