空間工房 一級建築事務所

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12.11.05 Monday

居心地のよいオフィス

■つい先日、娘の七五三参りで北野天満宮に行って参りました。

 天候にも恵まれ、境内は多数の参拝者で溢れかえっており、

 見た目で七五三。お宮参り。といった方々も多くおられ、

 ご祈祷を待つ席も人でごった返しておりました。

 一回のご祈祷で、神殿の中に入れてもらうのは、付き添いも

 含めてザッと100人前後。いや、もっと多いかもしれません。

 まあ、七五三シーズンですので、ご祈祷は本人だけですが、

 付き添いの両親やら祖父母やら兄弟やらで人数は2倍~4倍に

 膨れ上がるわけです。

 長くなりそうなので、続きは編集後記に・・。

 本文とは全く関係ない前置きでしたが、どうぞ本文をおたのし

 みください。
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■居心地のよいオフィス

 仮定の話しが好きである。

 あなたにとって、人生の多くを費やす場所は何処だろう?

 例えば、睡眠時間の極端に長い人であれば、布団やベッドの中
 だろう。

 例えば、通勤時間や出張がやたら長かったり、多かったりする
 人であれば、電車やバスや車や飛行機の中だろう。

 例えば、住職であればお寺の中だろうし、デパートの店員であ
 ればデパートの中。タクシーの運転手であれば、タクシーの中。
 水泳選手であれば、プールの中。学生や教師であれば、学校の
 中。漁師であれば海の上。猟師であれば山の中。なのだと思う。
 安直すぎるが。。

 ま、以上はどっちかと言うとどっちでも良い例えなのだが、例
 えば、オフィスワーカーであれば、オフィスの中が最も長くの
 時間を費やす場所だろう。

 一日の内、8時間を睡眠。8時間を仕事又は家事又は勉強など
 の活動時間。8時間を趣味や食事や入浴その他の安息時間に割
 り振られると仮定した場合、起きている時間/活動している時
 間の半分は仕事又は家事又は勉強をしていることになる。つま
 り覚醒している人生の半分を過ごす場所のあり方は、意外と大
 事。と言えるのである。

 例えば、専業主婦や隠居されたご老人、はたまた赤ちゃんや小
 さい子供たちにとって大切な場所は「家」だろう。そして小・
 中・高校生やその他勉学に励む人たちにとって大切な場所は「
 学校」であろう。そしてそして、サラリーマンをはじめ、色々
 な職業形態が世の中にはあることと思うが、その職業人たちに
 とって、重要なのは「職場」の環境なのだと思う。

 「職場環境」と書くと、人間関係まで含まれるそうだが、今回
 は一般的なオフィス環境について、少し考えてみたい。

 つまりタイトル通り「居心地のよいオフィス」の環境について。
 である。

 住環境を考えるときも同じだと思うが、オフィス環境を考える
 時も重要な要素がいくつかある。空調や日射熱、風通しなどの
 「熱環境」。照明や日照などの「光環境」。トイレや給湯室な
 どの「水環境」。会話のしやすさや雑多な音などを考える「音
 環境」。セキュリティや防災・耐震性などの「安心環境」。(
 私個人の造語である。)各壁や床などの色、サイン計画などの
 「色環境」(同上)。そして空間の高さや広さ・視線などの「
 抜け環境」(同上)。

 他にもネットなどの「情報環境」や上下階移動や水平移動の「
 動線環境」など色々あると思う。

 それらの環境が良くなるほどに、作業効率が向上し、作業能率
 も良くなると言える。恐らく殆どのオフィスが、作業効率・作
 業能率のUPを目標に掲げ、創られているのだと思う。光や熱
 環境のテクノロジー的側面だけでなく、観葉植物を植えたり、
 社員が気軽に集えるラウンジを設けたりといった心理的なリラ
 クゼーションに目を向けたオフィス空間のあり方も色々とあっ
 たりする。中でもグーグルのオフィス環境は単純に凄い。ご存
 知の方も多いだろうが、例を挙げる。天井からブランコとハン
 モックの融合した感じのものが吊られていて、そこに座ってP
 C作業をするとか、暗闇に水槽が並べられ、その前にリクライ
 ニングソファが置かれていたり、バランスボールに座りながら
 作業をしたり。凡そ「オフィス」という感じはせず、如何にリ
 ラックスした状態で仕事に臨めるか?に主眼を置いて創られて
 いるような気がする。

 とある日本人向けのアンケートによると、働いてみたいオフィ
 ス環境の第2位がグーグル東京支店だという。(一位はソニー)。

 実際の働き易さは分からないのだが、グーグルの売上げ高が今
 年6月期に最高益を叩き出していることを鑑みると、きっと作
 業能率も作業効率も悪くはないことが、容易に想像できる。

 作業効率だけを最優先したら、きっとグーグルオフィスのよう
 にはならず、整然・無機質といった感のあるステレオタイプ的
 なオフィス像が出来上がるのかもしれない。でもそこに「居心
 地の良さ」という要素が加わったら、きっとグーグルオフィス
 とまでは行かないまでも、長時間居ても心地良いオフィスにな
 ると思っている。

 例えばそんな居心地の良さや面白さを持ったオフィス環境を、
 色々な人が使えるスペースという前提で創り上げたら、フリー
 のデザイナーやプログラマー、ノマドワーカーといった人たち
 も喜ぶのではないだろうか?

 仮定の話しが好きである。
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■編集後記

 で、前置きの続きです。

 七五三のシーズンですので、てっきり七五三のみのご祈祷かと

 思いきや、流石菅原道真公の天満宮、受験の合格祈願も併せて

 ありました。なぜ分かるのか?ご祈祷内容はマイクとスピーカ

 ーで、祈願の内容・本人の住所と名前を呼ばれるからです。

 一番最初は七五三のご祈祷。次にお宮参り。それから受験。

 あーやっと終わった。と思いきや、車のお祓いまで一斉に済ま

 せておられました。約40分に及ぶご祈祷。

 作業効率は抜群だな。と思った次第です。

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 作業効率と利益は比例する。
 作業効率とご利益は比例する?

コラム | by muranishi | comments(0)

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