■木を見て森を見ず。ということわざがあります。
細かいことに捉われすぎて、全体を見通さないという意味。
全体を見通す力というのは、結構重要なのだと思います。
一つの建物も「まち」という全体から見れば、「木」に過ぎな
いのかも知れません。でも「木」がなければ「森」はつくれま
せん。
全体を見通しながら「木」をつくることが、実は大切なのだと
思います。
というわけで、今回は「まち」的な話しも考えてみます。
それではどうぞおたのしみください。
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■衰退は発展のタネ
どうすれば衰退するか?を考えると、発展する方法が見えてく
るかも。
そんなことをフト思ったので、書いて見る。
平家(へいけ。ね。源氏平氏の平氏。あれ。へいしになった。)
に限らず、如何なる発展を遂げても、衰退はする。
驕れるものは久しからず。なのかもしれない。
でも、衰退する原因や理由を書き連ねるだけで、その反対の行
動を取っていけば、実は発展できるんじゃないか?などと浅は
かな考えを思いついたのは、つい先日「まちづくり」について
の講座を聴いていた時のこと。
世の中には元気のない「まち」が結構ある。そしてそれを盛り
上げよう/活性化させよう/再生しようとする「ひと」や「団
体」も結構いる。
「まち」が抱える問題点を抽出し、「まち」の資源を発掘し、
「まちづくり」の方法を提案する。というのが、一般的なまち
づくりのステップである。そうである。
でも実は、そうやって一旦再生した「まち」も、放っておくと
元の木阿弥になる。「まち」は勝手に元気にならないし、手放
しで元気さは維持できない。非常にやっかいなものなのである。
さて。
それでは、どうすれば「衰退」するか?を書き連ねてみる。
とりあえず人口が流出する(空き家だらけのまちなみ)。流行
/人気の店が撤退する(めちゃくちゃまずい店しかみあたらな
い)。観光の目玉を移転する(若しくは封鎖する)。犯罪多発
地域にする(スリがすられるほどに)。交通の利便性を極端に
悪くする(一日一便で、行ったら帰ってこれない。)住人がす
ごく無愛想(道を聞いても教えてくれない。若しくはすられる)
。排気ガスがひどい(車が威張っている)。バリアアリー(ま
ちじゅう段差だらけ)。緑がない。防げる自然災害が多い(少
しの雨で水浸しになる)。住民税が高い(いやだ)。働く場が
ない(それもいやだ。共通言語がない(論外にいやだ)。
多分、書いていくとキリがない。それほどに衰退のタネは数多
くある。
ということは、発展のタネもキリがない位に数多くあるような
気がするのである。冗談ではなく。まあ、本気でもなく。(あ、
ウソです。。)
一つの方向性/回答を見つけ出したいとき、真逆の方向性/回
答を考えてみると、結構見つけやすい。かもしれない。いや、
まったく根拠はないが・・。
それはさておき、まちづくりをしていく上で、一つ肝に銘じて
おきたい内容があったので、書き留めておく。
「技術的熟達者」になるのではなく、「反省的実践家」になれ。
6文字熟語を並べられてもイマイチ、ピンと来ないので、少し
だけ補足する。
専門知識を持って専門家レベル(専門家目線)で住民をリード
していくのではなく、結論を持たずにその場の状況に応じて、
住民と協業で回答(と思えるもの)を見出していく。というこ
とが大切。だそうである。
専門知識を持っていると陥り易いのが、「自分が正」という認
識からスタートしてしまいがちなこと。
でも実は「まちづくり」に正解なんて始めから存在しているわ
けではなく、その場の状況や登場人物によっていくらでも「正
解」は変わる。ということを認識していないと、返ってミスリ
ードをしてしまう結果が待っている。らしい。
つまり、景観やまちなみを良くしようとして立ち上げた組織そ
のものが、景観やまちなみを悪くする。という最悪の事態も招
きかねないという忠告である。
殆どメモ書きみたいな内容だが、この辺できりあげる。
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■編集後記
断っておきますが、今現在「まちづくり」に取組んでいるわけ
ではありません。そして今後も「まちづくり」に取組む予定が
あるわけでもありません。
ただ、まちづくりに取組む意思がある・ないに関わらず、建物
を設計するという行為は、否応なく「まちづくり」に関わって
いるのだと思います。
例えば「住み続けたい」と思える住宅を、その地域に一杯創れ
ば、そこは住み続けたい「まち」になるのだと思います。
決して「木」を侮るなかれ。「木を見て、森も見る」ことが
大切です。
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人が集まると、まちは発展する。
まちが発展すると、人が集まる。
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