空間工房 一級建築事務所

HOME > MESSAGE コラム > 新たな体験を提供する
12.06.08 Friday

新たな体験を提供する

■ソレを手にすることで、何が出来るようになるのかを伝える。

 自分の生活がどのように変化するのかを明確にイメージさせる。

 これは、アップル社の故ジョブズ氏が製品発表時に心掛けて

 いたこと、らしいです。

 その製品発表の準備には2ヶ月もの期間を掛けていた、らしい

 です。

 そんな本を読んでみました。今回は読書感想文のようなコラム

 です。

 それではどうぞおたのしみください。
_____________________________

■新たな体験を提供する

 「アップルのデザイン」(日経デザイン編)を読んだ。

 故ジョブズ氏を筆頭とするアップル社のデザインに対する情熱
 というか、こだわりというか、執念というか、探究心には驚か
 された。腰が抜けた。舌を巻いた。ビビッタ。ちびった。いや、
 ちびっては、いない。ちびっては、いけない。

 あ、日経デザイン社の回し者でもなんでもないので、買って読
 んでいただく必要はゼロですが、印象に残った点を書き留めて
 おこうと思う。

 まず一点目。ソニーの特許について・・・。

 えーー?!アップルじゃないのぉー?!!

 ごめんなさい。一点目は、ソニーの特許についてです。。

 iPhoneやiPadやiPodなど大きさの異なる端末機器を充電する際
 の特許として、どんな機器にも対応出来るスポンジ(若しくは
 粘土)状の充電コネクターを特許取得しているというくだりで、
 ソニーも似たような特許を取っているという内容が記載されて
 いた。

 その内容とは、入る人の大きさに合わせて可変する浴槽。

 何にビックリしたって、可変する浴槽よりも、可変する浴槽を
 あのソニーが考えていることにビックリした。

 目的は、子供やお年寄りが一人で浸かっていて浴槽で溺れると
 いう事故を防ぐため。だそうだ。

 その人の身体の大きさに浴槽がフィットすれば、確かに溺れな
 い。そんな浴槽が出来たら、住宅や宿泊施設の設計にも影響が
 出てきそうである。

 まあ、充電機器が可変する件は、無線充電という技術開発が進
 んでいるので、そちらの方が便利だと思うが。(電気自動車の
 充電も無線充電という方法が模索されていると、何かの記事で
 読んだ)

 次に二点目。TVのリモコンについて。

 ジョブズ曰く「リモコンを操作するのが目的ではなく、観たい
 番組を選ぶのが目的。なのに、なぜあれほど多くのボタンがリ
 モコンにはついているのか?」

 仰る通りである。なぜでしょうね。きっと誰もそこに着目して
 こなかったからじゃないですかね~。

 そう、常識(と思ってしまっていること)を常識と捉えるので
 はなく、まず常識という概念を取り払う。そうしなければ、き
 っとスマートホンなんて出来なかったように思う。

 ジョブズ氏の考えるリモコンとは、こうだ。

 ボタンはなし。任天堂のWiiについてるようなスティック(アッ
 プル社はワンドと称している)で、ただの棒状のもの。それを
 TV画面に向けると、画面に埋め込まれたセンサーが感知して、
 画面上にポインターとメニューが現れる。スティックを上下に
 動かしてメニューを選んだり、鍵を掛けるように廻して決定し
 たり、画面に近付ける動作をして画面をアップしたり、その棒
 状のものだけで全てが直感的に操作できるという概念。

 おぉ、確かに便利そうだ。つまりは、ジェスチャーで画面を操
 作するということ。現在のゲーム機の概念と似ている。(まあ、
 Wiiで遊んだことがないので勝手な想像だが・・)

 ジョブズ氏が一貫して目指したのは、今までにない新たな体験
 を提供する。ということ。

 iPhoneの製品発表の記者会見での質疑応答で有名な一節。

 とある記者から「開発にあたり、どれ位の市場調査をされたの
 ですか?」という質問に、ジョブズ氏はこう答えた。

 「市場調査なんてやってませんよ。だって、今までにないもの
 を我々は創ったのですから、調査のしようがありません」

 仰る通りである。

 そして何より肯かされたのは、デザインを徹底する。というこ
 と。何もデザインとは見た目のカタチではなく、使う人への気
 遣い、もしくは、おもてなしの心である。

 iPhoneという製品であれば、その機能性は勿論、見た目、触り
 心地、パッケージの仕方、広告の仕方、店舗の見せ方、店員の
 対応の仕方、そして、製品発表の仕方。全てが利用者にとって
 心地良く、これでなきゃダメだ!と思わせるデザインの徹底。

 非常に勉強になった。

 そして、もっと勉強しなければいけないと感じた次第である。
_____________________________

■編集後記

 とは言いましても、アップル社の製品を何一つ持っていない

 のですが・・・。ではなぜワザワザそんな本を読んだのか?

 アップル社の製品に心が惹かれるというよりも、アップル社

 の精神に心が惹かれているのかもしれません。

 iPhoneが世に出来る前にiPadが完成していたらしいです。

 iPhoneで市場を充分に成熟させてから、iPadを世の中に出す

 というやりかた。確かに、iPhoneの方が創るの難しそうです。

 そのうち、電気自動車のiCarが出るとか出ないとか。

 おそらくハンドルとか、ないんでしょうね。ていうか、運転者

 という概念も、きっとないんでしょうね。

_____________________________

 なんでもあるという不便さ。
 なんにもないという便利さ。

コラム | by muranishi | comments(0)

コメントをどうぞ

空間工房 用舎行蔵 一級建築士事務所
住所:〒602-0914京都市上京区室町通り中立売下がる花立町486
TEL:075-432-3883
FAX:075-334-8051
ALL CONTENT COPYRIGHT 2012(C) KUKANKOBO YOSYAKOZO ARCHITECYS OFFICE ALL RIGHTS RESERVED