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12.01.24 Tuesday

みんなちがってみんないい?

■ナンバーワンにならなくてもいい。人はそれぞれオンリーワン。

 という歌が一昔前に流行りました。

 何を唐突に?と思われる方が大勢を占めると思われますが

 本題への一つの前フリです。

 建物/住宅というのは、まさにオンリーワンです。どれがナン

 バーワンということは、あまりありません。それは、評価軸が
 
 人の価値観によってコロコロと変わるからですし、同じものは
 
 この世に一つとしてないからです。

 そんなオンリーワンの集合体がまちなみです。

 さて、そろそろ本題に入りたいと思います。

 どうぞおたのしみください。
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■みんなちがってみんないい?

 「みんなちがって、みんないい」
 一昔前に流行った標語。という記憶がある。

 確か、人に関する標語だったような気がする。

 まあ人の話しはさておき、建築の話しをしたい。

 20世紀型のまちづくりは、一人のリーダーが牽引役となり、
 まちなかで起こっている問題を解決しながら、一つの価値観に
 従って行なわれていた。らしい。

 21世紀型のまちづくりは、住人が主役となり、リーダーは、
 それをサポートするカタチで、多様な価値観があることを認め
 つつ、新たな価値を創造するカタチで、行なわれる傾向にある。
 らしい。

 つまり、価値(観)は一つじゃない。人によってバラバラだし、
 それを認めるところから始めましょう。その上で、更なる価値
 (観)を創造していきましょう。というスタンス。

 まさに、みんなちがって、みんないい。わけである。

 そんな話を、とある講座でとある大学の教授が話されていた。
 景観を考える講座で。

 それが正しいか否かは正確には分からないが、その道(まちづ
 くり)のプロが言うのだから、ほぼその通りなのだろう。

 が、実は個人的にあまり腑に落ちていない。

 街並みに限って言えば、バラバラであるよりも、ある程度統一
 されていた方が見た目はキレイだと思う。

 それじゃ個性のない街並みになる。と思われる方もいるだろう。
 確かにフィレンツェなどはキレイな街並みだ。と思われる方も
 いるだろう。

 ただ、気をつけなければいけないのは、単純にデザインコード
 を揃えれば良い。という発想は危険な気がする。統一=美しい
 というのは必ずしも当てはまらない。それは、宅地のミニ開発
 の事例を思い浮かべるまでもなく。

 そう。その主体となるデザインコードをどのような内容にする
 か?が重要なのだと思う。

 宅地開発であれば、極端な話し、デベロッパーの「売れるだろ
 う」という一つの評価軸がメインとなって推し進められるのか
 もしれない。いや、知らないが。

 でも、既存のまちなみがあるという条件になった途端、そこに
 は様々な思惑・価値基準・利害関係を有した「人」という存在
 を無視するわけにはいかない。

 京都を例に挙げると分かりやすい。(私が分かりやすいだけだ
 が。)

 例えば京町家。歴史的に見ても京都のまちを語る上で、重要な
 デザインコードの一つである。と言える。が、一方でプロバン
 ス風の住宅が大好きな人にとっては、何の価値も見出せない場
 合がある。

 ここに価値観の多様性が表出する。

 みんなちがうからね~。みんないいことにしよう。

 という感じで、景観条例制定前は、なんでもアリだった。

 放置された地域の結果は、みんなちがうけど、いいのかな?と
 いう感じ。あくまでも個人的な感想だが。

 そこで、国を挙げて動き出す。景観条例というやつである。

 みんなちがう、ということを許容しない動き。設計者は反発す
 る。表現の自由を主張する。。

 凄く難しい問題/課題だと思う。

 今はある程度落着いてきた感があり、当初は役所の窓口でお互
 いケンカ腰になっていたやりとりも、今行くといつも穏やかな
 空気が流れている。

 これでいい。こりゃダメだ。と審判を下すのは、きっと現代を
 生きる人ではなく、未来に生きている人だと思う。

 厄介なのは、未来に生きている人の価値観は、絶対に今と違う。
 ということである。

 まちなみを考える時、みんなちがってみんないいのか悪いのか。
 答えは出ないが、今出来るベストを尽くしたいと思う。新しい
 価値観は、既存にない新しい提案の中から生まれると思うので。。

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■編集後記

 ある時代に認められた/要求されたモノが、ある日突然拒否

 されてしまう。そんなことが世の中には一杯あるような気が

 します。ファッションやなんちゃらブームといった類のもの

 は日常茶飯事に価値観が変わる結果、流行の波がアッチ行った

 りコッチ行ったりすると思います。

 建築も然り。数年単位では変わらないかもしれませんが、数十

 年単位では評価軸/価値観は変わっているものと思います。

 そんな中で私達が目指しているのは、時代が変わっても変わら

 ない価値観を有する空間です。実現出来ているのか否かは数十

 年経たないと分からないのかもしれませんが・・。

 多様な価値観を認めるだけで放置するのではなく、ピックアッ

 プしていって固定化するという行為が、設計行為なのかもしれ

 ません。
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 価値観は変化する。
 変化しない価値観を持ちたい。

コラム | by muranishi | comments(0)

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