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09.10.15 Thursday

部屋の広さは何に比例するか(3)?

■おはようございます。
 空間工房 用舎行蔵 です。

 前回・前々回と「部屋の広さは何に比例するか?」について
 書いてきましたが、今回はその最終章です。

 答えが出るのか、出ないのか。

 設計事務所の視点から。どうぞおたのしみください。 

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■部屋の広さは何に比例するか?(3)

 それでは早速、最後の仮説・自問へ・・

 自問5:外部環境に比例する?
 
 自答5:部屋の広さが外部環境に比例するとは、なんとも大雑把
     な仮説だと自分でも思う。。

 最近、とある現場で感じたことから少し。

 病院の改修工事をやっていて、2階の一角にトイレを配置し直し
 た部分がある。

 その一角は外から覗かれる恐れがない場所で、2面を窓に囲まれ
 た空間。

 窓の外には間近まで迫った木々の緑が顔をのぞかせている。

 病院のトイレということもあって、車椅子対応の広い空間。おお
 よそ2帖近くはある。

 とにかく広い。というか、広く感じる。

 2帖という広さは、普通の部屋で考えれば、明らかに狭い。にも
 拘らず、広い。というか、広く感じる。

 そう、かなり大きな開口が、外部に面して2面も開いているから
 だと思う。

 間違いない。

 つまり、開放的であるが故、実際の広さよりもより広く感じるの
 だと思う。

 外部環境に比例するとは、開放性に比例するとも言えるかもしれ
 ない。開放的であればあるほど、その空間の広さは狭くても「広
 い」と認識してしまう。

 設計をする時、お施主様のご要望を伺う。

 その時「リビングは○帖以上欲しい」という内容が少なからずあ
 る。どうしても物理的に必要な大きさ・広さというものは確かに
 ある。それが、帖数という共有尺度で情報を整理するというのも
 至って間違いのない方法だと思う。

 でも。

 その数値は開放性とは無縁の尺度だと常々思っている。

 「光の入り方」一つで、同じ広さでも、感じる広さは全く違って
 くる。
 
 上からの光なのか、横からなのか、下からなのか。。

 窓の外に広がる風景は、見せるべきなのか、閉ざすべきなのか。

 はたまた、どの方向に向かって、開口を開くべきなのか。。

 そんなことを意識しながら、決して物理的広さのみを求めるので
 はなく、感覚的な広さを意識して、設計に取組んで行きたい。

 部屋の広さは、果たして何に比例するのか。

 その答えは、各個人の感覚の中に存在しているのかもしれない。


 以上「部屋の広さは何に比例するか?」の思考内容でした。
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■編集後記

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 「部屋の広さは何に比例するか?」という問題。
 
 結局のところ、答えは見出せていません。

 ただ、広ければよい。大は小を兼ねる。といった単純な事象
 で「部屋の広さ」が決まるわけではないと思います。

 狭くても快適な空間。広くても不快な空間。

 あると思います。
  
 家を建てるとき、部屋の広さにこだわらず、色々な観点から
 「部屋」のあり方を考えることで、快適でありながら他では
 みられない特徴ある空間が出現するかもしれません。

 限られた土地の中でも可能性は無限大です。

 設計者はプランを考えるとき、内部だけを考えるのではなく
 少なからず外部との関係にも注目しています。

コラム | by muranishi | comments(0)

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