■皆さん、お部屋の模様替えはお好きですか?
モノが増えたとき、気分を変えたいとき、はたまた趣味で模様
替えをされる方もおられるかと思います。
私達も最近事務所の模様替えと言いますか、プチ模様替えをし
てみました。
単純に必要に迫られてなのですが・・。
今回はそんな模様替えに絡めたお話しを少し。
それではどうぞおたのしみください。
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■余白
最近、事務所の本やカタログが増えて、いよいよ置き場所がな
くなってきた。
確か去年、本箱を5本ほど購入したばかりなのだが、一年でこ
のアリサマである。
そこで、新たに本棚を3本購入した。アイリスオーヤマの通販
で。安いから。
とは言っても、問題は置場である。が、幸いまだ事務所内には
余ったスペースもあるので、今回は納まった。
置いたのは、玄関土間。当事務所に来られた方は容易に想像が
つかれるかと思うが、土間は広い。というか、無駄に広い。6
帖位はある。
当初、第二の打合せスペースとしても活用する目論見だったが、
夏は暑いし、冬は寒いので、結局椅子が2脚置いてあるだけの
玄関兼土間スペースとなっていた。上部は吹抜けである。
そこに今回購入した本棚を置いた。
今までなかったものを置いたので、当然かもしれないが、狭く
感じる。奥行きは僅か30cm程度の本棚。高さも1m程度。
幅は2.4m程度。
実は無駄なスペースと思っていたが、ほど良い「余白」だった
ことに、本棚を置いて気付いた。
昨年購入した本棚5本は、置いてみても、さほど狭くなった感
はなかった。多分それは、本当に無駄なスペースだったのだろ
う。
ほど良い「余白」は確かに存在するのである。
そしてもう一つ。2階のアトリエスペースに置いていた観葉植
物が、異様に成長してきた。出入りする際に葉っぱが邪魔ッ気
で、とうとう下の坪庭(と呼んでいるスペース)に移動させた。
この坪庭。やはり無駄と言えば無駄なスペースかもしれない。
が、採光には絶対必要なスペースなのである。
白の玉砂利を敷いただけの場所だが、こちらも当初の目論見で
はそれなりの設えにする予定だったが、予算もないので玉砂利
以降は何も手を加えずに放っておいた。
そこに今回、観葉植物を置いた。玄関土間に置かれていた、誰
も座らない椅子2脚と共に、置いた。
これは、良い。「余白」が映える感じである。
そんな感じで、プチ模様替えが完了し、幾分事務所内がスッキ
リとした。来年もし同じ状況に陥ったなら、いよいよ本棚を置
く場所を考えなくてはならない。吹抜けにグレーチング床でも
張って、そこに置くぐらいである。
二つの余白。モノを置くことで狭く感じることもあれば、より
良い感じになることもある。そこに置かれるモノの問題かもし
れないが、必要な余白というのはあるのだと思った。
一見無駄に見えるスペースでも、それが効果がある/ないは、
一度実際にモノを置いて検証してみるのも良いかもしれない。
勿論私達は設計者なので、余白の大切さを知っている。無駄と
余白の違いも意識している。ただ、今回は明らかに「無駄」と
認識していたスペースが、実は「余白」だったと知った出来事
であった。
この余白。何も建築内部に限った話しではない。敷地に目を移
せば、庭も余白。都市に目を移せば、公園や道路やお寺の境内
も余白。なのである。
余白のない空間は窮屈だ。でも時には余白を創りだす余裕がな
い敷地条件の時もある。しかし、そこで諦めないのが設計者で
ある。
「無駄」ではなく「余白」を諦めずに創りだす。それは時に坪
庭であったり、吹抜けであったり、部屋同士の繋がり方であっ
たり、視線の抜き方であったり、土間空間であったりする。
設計をするとは、必要な部屋数を確保するだけではない。何某
かの余白も設計することだと、考えている。
これからは、出来るだけ不要なものは捨てることにしよう。事
務所に余白がなくなっては、大変だ。
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■プレゼン資料にも「余白」は大切だと思っています。
意図された空白=余白。あまっちゃった空白=無駄。だと
認識しています。
それにしても本は増え続けます。
そういった意味では、キンドルは有効かもしれません。
今回は、文章間にも余白を意識して書いてみました。
ただの「ブツ切れ」という意見も聞こえてきそうですが
それは愛嬌ということで、お許しください。
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