今日は、奈良県吉野にあるN医院の竣工写真撮影に行って来た。
この物件は、東京の河原泰建築研究所 河原泰さん(東畑建築事務所時代の先輩)からの
お誘いで共同設計をさせて頂いた。
昨年の9月の連休、いわゆるシルバーウィークを利用して
内装の改装設計をさせて頂き、今年2月に外壁の改装工事を終えたばかりである。
11日間という短い期間で劇的ビフォアアフターをする訳である。
11日間のお休みを終え、出勤されたときの職員さん方の驚きは
TVで見るような涙・涙のような光景であった(と思いたい)。
当然、設計者も近くに泊まり込み現場監理を行なった。
それまでの設計や施工業者さんとの打合せも大変であったが
苦労は時が経てば美しく感じるものであるが今回も例外ではない。
非常に楽しかったと思える。
そんなこんなで、今年はとにかく雨が多い。
2月の竣工を迎えてから撮影日を心待ちにしてはいたが、
休院日と写真家さん(SS大阪 津田氏)、私の都合を合わせるのも一苦労であった。
何といってもこの計画では、医院長さまのご意向で外壁に重点が置かれていた。
“とにかく外観を変えたい。ガラッと変えたい”
そんなご要望に、アルミパネルで応えた。
約40cmを基調としたグリッドに白とピンクのメタリック塗装されたパネルが
上下交互に積み重なるディテールである。
読んでいる方がどのように想像しているかを今は考えたくないので、急いで先を進める。
メタリック塗装が施されたパネルは、時々刻々と変化を見せる。
光輝く時、曇天の中暗く沈む時など、見る方向によっても同じように見えることはまずない。
また、パネル一枚一枚には桜模様に切り抜いてある。(吉野=桜という安易な考えであるが・・・)
桜模様の光が医院の中にもうつろい、患者さんの心を癒したいという思いである。
そんな色々な想いをこめた外壁であるため、なにがナンでも晴れ、それも快晴でなければならなかった。
今日は雲こそはあれ、快晴に恵まれた。
朝から晩までうつろいゆく姿を見ることができ、意図したことが反映できたと確信した。
この吉野という原風景が残る町で、周囲の住民の方たちや医院で働く職員の方々、
患者さん方々がどのように感じ、受け止めているのか、とても気になるところではある。
決して奇をてらったものではない。
光と影、時間という私たちの設計するに当たり心掛けるコンセプトの一つが
このような結果を生み出したと思っている。
まもなく竣工写真ができあがります。
ご期待下さい。
最後に、このプロジェクトに関われたことに医院様、河原さんに感謝します。
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