三谷幸喜脚本の映画「みんなのいえ」をご存知でしょうか?
デザイナーが設計した住宅を大工である自分の親が建てる
というコメディ。
デザイナーは独自の理論で家を設計し、大工である我が親
は昔気質の考えで勝手に変えて造っていく上で織り成され
る家創りを描いたものです。
この住宅は、そんな「みんなのいえ」的なエキス/思い出
も詰まった住宅となっています。
そう、建てていただいたのはお施主様のお父様(大工さん)。
設計とは異なる「和」的な階段手摺だったり、意図しなかった
和室の格天井だったりが、波乱を巻き起こしたりもしました。
丸太の梁を見せるんだ!と強く主張されたときは、どうしよう
かと思いました。
なぜなら、奥様から最初にご要望いただいた言葉は
「宇宙のような異次元の空間を」とのことでしたので・・。
そんな紆余曲折がありましたが、出来上がった空間は所々ポップ
で、シンプルな感じに落着きました。
お父様とのせめぎ合いも確かにありました。しかし、出来上がっ
て振り返ってみれば、お父様も私達設計者も、結局はお施主様
に喜んでいただきたいという一心だったように思います。
外観前面に施されているのは「竹」。
それは、どこにもない(異次元)住宅の象徴とも言えるかもしれ
ません。
羽曳野市で設計させていただいた住宅です。
敷地面積:131.59㎡(39.81坪)
延床面積:108.36㎡(32.78坪)
構造規模:地上2階/木造
構造設計:高畑建築構造設計事務所
施工会社:株式会社藤幸建設