港を遠くに望む、神戸市内の新興住宅地の一角にこの住宅は
位置します。
初めてこの土地を訪れた時は、まだ周辺に新しい家がポツリ
ポツリと建っていた程度でした。
将来的に周辺が密集してきた際に何を確保しておきたいか。
それは、陽射しであり、風通しといった、ごく基本的なこと
だったりします。
そのために必要なものが、土地の余白であると考えます。
既に住宅街が形成されている時は、陽射しや風通しの大切さ
が明らかに実感できるものですが、まわりが余白だらけの場
合は、陽射しや風通しは当然の権利のごとく勘違いしがちで
す。
実は近い将来に「当然」と思っていたものが、「貴重」だった
ことを実感する。
そうなったときにも、陽射しや風通しを担保しておく。
これが結構大切だったりします。
この住宅には、4つの領域に余白を設けています。
南東・南西・北西の各庭と2階南のバルコニー。
それらが機能し始めるとき、この住宅地も完成を迎えます。
敷地面積:155.27㎡(46.97坪)
延床面積:150.84㎡(45.63坪)
構造規模:地上2階/木造
構造設計:高畑建築構造設計事務所
施工会社:萩原工務店