設計の取っ掛かりに一枚のラフプランがありました。
それはお施主様自らが考え抜かれた図面スケッチでした。
私達の心の中は二つの思いが葛藤していました。
お施主様プランを元にしてご提案すべきか
はたまた、私達が考えるベストプランを提出すべきか。
結局、後者を選ぶことにしました。
なぜなら、それこそが私達建築家の役目だとおもったからです。
結果は大変喜ばれました。考えもつかなかったプランだ。と。
勿論、お施主様の意見を無視するのではありません。
むしろ、お施主様が本当に望まれているカタチを汲み取って
「こうするのはいかがでしょう?」と投げ掛けてみるのが
私達建築家の役割だと思います。
一階にいくつかの事務所。二階に住居。という形態ですが
その全貌は、「門」のようなカタチをしています。
人々を迎え入れ、そして送り出す門。
夜には暖かい光が、ここで働く人々の帰りを待っています。
シンプルなカタチのこの住宅。兵庫県三木市に建っています。
敷地面積:273.92㎡(82.86坪)
延床面積:162.95㎡(49.29坪)
構造規模:地上2階/木造
構造設計:高畑建築構造設計事務所
施工会社:有限会社どんぐり工務店